再訪したい美食空間①歴史をつなぎながら進化するフレンチ「ラリューム」

カテゴリー/ GOURMET |投稿者/ Gouret&Traveller
2019年04月30日

Restaurant L’allium (レストラン ラリューム)
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コンサートホールをイメージして作られた白金台の老舗フレンチ「OZAWA」。オーナーの小沢貴彦シェフがその跡地を任せたのは進藤佳明(しんどう よしあき)シェフだ。「Restaurant L’allium(レストラン ラリューム)」として2018年8月に生まれ変わった。グリーンの半ドーム状の外観が目を引く建物の階段を降りて行くとオープンキッチンのカウンター席のほか、20席のダイニングが広がる。奥には絨毯の敷かれたラグジュアリーな個室も備えられている。

 

 

 

 

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両親が料理好きだったので、子供の頃から手伝いをしているうちに料理が楽しいと思うようになったという進藤シェフ。料理を食べるとみんなが笑顔になる、そんな仕事がしたいと夢を描くようになったという。専門学校卒業後、今は閉店している地元横浜・元町『ふらんす懐石 修廣樹 (シュウコウジュ)』でフランス料理の修業を始めた。元町でアルバイトしていたとき、通りがかりにいつも混んでいるフランス料理店があり、飛び込みで頼み込んで使ってもらうことになったのだ。野菜を扱うのがうまいシェフにフレンチの基礎を叩き込まれたが、ある日、もっと良い食材を見たほうが君のためになると言われ、外に出ることを提案された。

おりしもロブションがアトリエをオープンするころ。高倍率をくぐりぬけ合格した。ロブションに対する憧れもあり心して臨んだと当時をふりかえる。ストイックなロブション氏は、とことん突き詰めるタイプ。ときおり来日する氏からはソースの作り方、ジュの取り方など伝統的なフランス料理のベースを学んだ。スーシェフも8年が過ぎ、ロブション氏だったらどうをするかを常に考えながら仕事をしている自分に気づいた。ロブションというバックボーンがなくなったら自分の料理はどうなるか? そう考えてあらたに白金台の「ジョンティアッシュ」を仕事の場として選んだ。そして一年で一つ星を獲得する。

 

 

 

 

 

 

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以前から40歳で独立しようと思っていたことを、行動に移そうとしていた頃、近くにあった名店「OZAWA」がクローズするということを知る。「挨拶もこめて食事に出かけ、小沢シェフに独立を考えていると伝えると、すぐにここをやってみないかというお話をいただきました。次の日、ジョンティアッシュにご招待したら、この料理だったら成功するよと、お墨付きをいただいたんです」。

「ラリューム」のコンセプトは、“モダン・グラン・メゾン”。緊張し過ぎることなく寛ぎのなかでグラン・メゾンの料理を楽しめる。どんなレストランにいても「おいしさを追求する」ことに意義がある。素材をダイレクトに打ち出し精度を高めたい。スタート時に学んだ野菜の扱い方や食感などのバランスを取ることには自信をのぞかせる。カウンターで1人食事をするゲストのために毎回違う料理をアレンジすることもある。そんなゲストとのコミュニケーションを大切にしたい。
ワインはブルゴーニュやシャンパーニュが中心。共同オーナーである熊澤ソムリエがセレクトするワインペアリングでは、日本酒を加えたり、ブルゴーニュとボルドー2種類をひと皿に出すこともあるという。
「allium」とはフランス語でネギの花の意味。ネギは料理のベース。初心を忘れないように、そしてネギの花のように華やかに咲きたい。そんな意味で名付けた。
「OZAWA」の紡いだ30年という歴史も受け継ぎながら、常にベースとしてきたクラシックフレンチを自分なりに進化させ、新たな時代を生み出していきたいという。

 

 

 

 

 

フォアグラ
ペリゴール産フォアグラのポワレ リュバーブのタルトとハイビスカスのガストリックソースで
 
IMG_2601ハイビスカスを使ったタルトは、ハイビスカスの葉を煮詰めてワインを加えたもの。鴨のフォアグラを軽くポアレし、表面にガストリックソースをぬる。リュバーブの甘みと食感がフォアグラを引き立てている。

 

 

 

 

 

小鳩
ランド産小鳩のロースト おかもと農園のグリーンアスパラガスと朝採れ筍のポワレを添えて

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ランド産の鳩、グリーンピースのエチュベと広島のおかもと農園のグリーンアスパラ、旬の筍を添える。鳩はシンプルにロースト、砂肝、ハツも添える。コースが長いのでメインはシンプルに。鳩を旬の野菜とともに食べることで季節を感じ、味わい深くなる。鉄分の多い肉は緑の野菜と合わせる。青菜のソースを合わせて香り高く。

 

 

 

 

 

ブラッドオレンジ
宇和島産 ブラッドオレンジのデクリネゾン

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宇和島のブラッドオレンジをさまざまな味と食感に。タルトオシトロンをブラッドオレンジで表現。ブラッドオレンジのクリーム、クランブル、ブラッドオレンジのアイス、ヨーグルトのメレンゲ。ジュレはカモミール。食感豊かでブラッドオレンジがさわやかに香る。

 

 

 

 

 

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「Restaurant L’allium 」レストランラリューム
東京都港区白金台4-9-23 ツツイビルB1
都営三田線・東京メトロ南北線「白金台駅」1番出口より徒歩3分
JR山手線・東急目黒線「目黒駅」正面口より徒歩12分
03-6456-4378
ランチ12時~14時半(LO13時) 3400円、5000円、10800円(税込みサ別)
ディナー18時~22時(LO21時)10800円、15800円、23000円(税込みサ別)
定休日 月曜日を中心に月8回

 

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