中野京子先生講演、MET ライブ ビューイング 《カルメル会 修道女の対話》

カテゴリー/ PARIS |投稿者/ Gouret&Traveller
2019年06月02日

《 カルメル会修道女の対話》6月7日(金)より東劇ほかで公開中

6/9(日)ベストセラー『怖い絵』シリーズの作家、中野京子先生のトークショーが行われました。

IMG_4708「カルメル修道会の対話」は、単に宗教に殉じるという話ではありません。激動の中で何かを選択しなければなくなったときに、自分の最も根幹と思われる魂から駆り立てられた行動なのです。

時代背景はフランス革命、ロペスピエールの恐怖政治ピークの頃。階級差があまりにもあり、不満が爆発していました。教会上層部は、貴族同様権力や地位を独り占めにしていたからです。またカトリックをバックにしてブルボン朝は成り立っていました。聖職者は贅沢を享受しており、民衆から憎まれていました。聖職者関係で革命時殺された人数は2万人から4万人といわれています。比率で言うと貴族が8%、聖職者が6%、労働者が70%です。聖職者の数は少なかったので、その中の6%という数は非常に大きいものです。
その時代に、解散しろと命令を受けたのにもかかわらず、隠れてミサを行っていたと糾弾されたのが、カルメル修道会です。ヒロインのブランシュは作者の創造の人物で、死への恐怖を感じたり、逃げたりする役割を与えています。普遍的な人物を登場させることによって観る人に物語を近づけています。オペラのなかでももっとも恐ろしいラストですが、プーランクの旋律は美しくたいへんドラマチックです(談)。

 

カルメル会修道女の対話_4_トリミング(c)Ken Howard/Metropolitan Opera

楽しくなければオペラではないけれど、楽しいだけがオペラじゃない! ときにオペラはわたしたちが生きるうえで、大きな指針を与えてくれるもの。死とは何か、信仰とは何かを自分の胸に問いかけずにはいられない、深く感動的な作品もあるのだ。(オペラ評論家 石戸谷結子さん)。

フランスの作曲家プーランクの傑作《カルメル会修道女の対話》がMETライブビューイングで上映される。
斬新な手法で20世紀の音楽史に名を残しているプーランク。優れたカトリックの教会音楽を残しているが、そのきっかけは、友人の交通事故だった。以後、教会音楽に傾倒し、宗教音楽作品を書き連ねた。曲中にレクイエムやベネディクトゥスなどのミサ曲も歌われ、宗教曲にも聞こえる。

プーランクは、METの新音楽監督のネゼ=セガンのもっとも得意とするレパートリーでもある。1977年にプレミエ上演された、今回の《カルメル会修道女の対話》は、抽象的でシンプルな装置を駆使したジョン・デクスター演出。
歌手陣は、貴族出身の若い修道女ブランシュを演じたI・レナードを始め、METならではの豪華なキャスト。苦悩のうちに死を迎える前修道院長を演じた名ソプラノ、K・マッティラ、新修道院長役のA・ピエチョンカ、純真な修道女コンスタンスにE・モーリーなど、実力派歌手が勢ぞろい。

18世紀のフランス革命時、革命派によって特権階級だったキリスト教聖職者が弾圧された際、革命派に従わず信仰を貫いたために、ギロチンに処せられた16人の修道女の史実。緊迫した音楽と美しいフランス語の掛け合いが魅力的だ。

 

カルメル会修道女の対話_20(c)Ken Howard/Metropolitan Opera

二幕のこの作品のなかで、一幕のみどころは、病の苦痛の中で死を迎える前修道院長をブランシュが看取る壮絶な場面、二幕では、断頭台に送られる修道女たちが〈サルヴェ・レジーナ〉を歌う有名なラストシーン。修道女たちが毅然と聖歌を歌いながら断頭台の階段を上ってゆくと、聖歌に重なってギロチンの音が響く。そして、一人ずつ歌声が消えていき幕を閉じる。

フランス革命の争乱期、貴族の娘ブランシュは生まれつき神経過敏。生きにくさを感じ、家族の反対押し切ってカルメル会修道院に入る。
院長は重い病いで死期が迫っていた。ブランシュを我が子のように気にかけていたが、最期の時に院長は死の恐怖におののく。激しく取り乱しながら死にゆく院長。
ブランシュと歳の近い修道女コンスタンスは無邪気で陽気。「死は怖くない」と言い切る。

 

 

 

 

カルメル会修道女の対話_39(c)Ken Howard/Metropolitan Opera

やがて革命派の宗教弾圧が進み、修道院も解散を命じられる。それに従わずマリー修道女長の先導で、殉教の道を選ぶ。恐ろしくなったブランシュは逃亡する。しかし、実家にもどると改革派に占拠され、父は処刑され、ブランシュは元の自分の家の女中となる。マリーが迎えにくるが、もどることを拒絶する。そんななか、町で仲間の修道女たちが処刑されると聞き、処刑場に駆けつける。修道女たちは聖歌を歌いながら一人ずつ断頭台に消えていく。最後にコンスタンスがブランシュを見つけて微笑む。それを見たブランシュも聖歌を引き継ぎ、コンスタンスのあとに続く。

(c) Ken Howard/Metropolitan Opera

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