再訪したい美食空間② 京都祇園のエスプリを踏襲した「フレンチ懐石 広尾 おくむら」

カテゴリー/ GOURMET |投稿者/ Gouret&Traveller
2019年06月06日

「フレンチ懐石 広尾おくむら」

IMG_4681

IMG_3028

京都でのレストラン、ブーランジェリー、惣菜デリ、ウェディングプロデュース・メニュー、カフェ・プロデュースをはじめラグジュアリーホテル、アマングループの元レストラン・プロデュースなど幅広く活躍する奥村直樹シェフが、初の東京進出である「フレンチ懐石 広尾おくむら」を2018年10月にオープンした。

京都「祇園おくむら」のエスプリを踏襲した広尾店。京都らしい木の引き戸を開けるとエントランス部分は、昼はカフェ「京茶寮おくむら」、夜は「バーBARおくむら」となっている。カフェは京都の和の茶寮をテーマに「広尾おくむら」のパティシエがカウンターに立って目の前でデザートを仕上げる。夜は大鉢におばんざいが用意され、ゆったりとドリンクを楽しむことができる。
さらに奥に進むと、木調の広々とした空間には大きなカウンターがオープンキッチンをぐるりと囲み、周りにはゆとりあるテーブル席。さらに個室が3室備えられている。てきぱきとしたサービスのなかにも京都らしいはんなりしたおもてなしの心がこもっている。


 

 

 

 

IMG_3043

奥村シェフが小学校4年の時に父親が京都の人気店、フランス懐石というニュー・ジャンルを開拓した「西洋膳所おくむら」をオープン。当時、料理人は技術を競い合い、ゲストは豪勢な素材をどんどん注文していた、食業界が華やいだバブル時代全盛期。「西洋膳所おくむら」は時代を代表する名店として多くのゲストをもてなした。

休みの日に家族揃って話題の店で食事をすることが習慣だった奥村シェフは幼少のころから美食に親しんでいた。家にはフランス料理の本がたくさんあり、図鑑のようにして見るのが好きだった。そんな子供時代を過ごし、料理に興味を持つ反面、食の世界から離れたい、としばらく父親の店に近づく事はなかった。進路を決める頃になるとやはり料理人の道へ進みたい、そう覚悟を決めて店を見に行った。活気ある厨房に、「西洋膳所おくむら」の跡継ぎではなく、料理人になりたいという思いに駆られた。

 

 

 

 

 

IMG_3039

父親の店に入ったからといって特別扱いは許されない。直接教えてもらうことはできなかった。
「そんななかでも父親が毎日中央市場に連れて行ってくれたんです。魚や野菜の素材の見極め方や多くのことを生産者から教わりました」。料理は素材ありき。もっとも大切なことを学ぶことができた。

24歳でオープンした店では、オーソドックスなフレンチを目指した。
「辻調のリヨン校に行き、フランス本場で見たフランス料理。父親の店のようなフランス懐石に対する葛藤が生まれたんです。もっと正統的なフレンチがやりたいと思うようになりました」。
しかし、しばらくして自分の中であらたな葛藤が生まれた。たとえば、鮎を出すとき、フランス料理であれば、フレンチの技巧を凝らさなければならない。が、鮎はシンプルに食べたい。そして鮎に合う器で出したい。フレンチの技術をどのように使うか試行錯誤していた。
「シンプルにおいしいものを食べてもらうべき。自分が食べたいと思うものを出せばよい、と吹っ切れました」。

やがて、レストランだけでなく他のジャンルのことを求められる機会が多くなる。リスクはあるが、かえっておもしろい。それが東京出店にもつながる。

京都のインバウンドが予想以上のスピードで増加し、 実際は常連さんが京都を避けるようになっているという現実。
「京都の環境変化を悔しいと思うようになり、それならこちらから出て行きたいと思いました。京都から東京に店を出すのは京都人にとっては抵抗があるんです。ただ、京都の店が去年20年経ち、もうそろそろ許してもらえるのでは、と出店を決めました」。
21年目の出発として、さらなる「おくむら」の良さを作り出せれば、新店を作った意味がある。料理人としてどこまでいけるか追求していきたい、という奥村シェフの新たな挑戦の場は、祗園の粋に広尾の洗練をかけあわせた美食空間だ。

 

 

 

 

前菜 5種のオードブル

IMG_2991

ハムときゅうりの酢の物、ホタルイカの土佐酢ゼリー、イカとわけぎの酢味噌和え、ベーコンのポテトサラダ、エビとインゲンの胡麻和え。
野菜は京都の辻農園から送ってもらっている。八寸のようなオードブルは父親から受け継いだ。料理のコースとして初めにゲストの心をつかめるように旬のものを華やかに出す。

 

 

 

 

 

メイン 長崎の牛フィレ肉
IMG_3009

ピーナツだれとポン酢は昔からの「おくむら」の組み合わせ。藻塩、わさび、ガーリックフライで京都スタイルに。写真は長崎の牛。フィレ肉は厳選した銘柄を出す。シンプルな定番として人気。

 

 

 

 

デザート  メロンのバリエーション
IMG_2999

メロンのムース、ソルベ、果肉、ジュレを組み合わせる。クインシーとアンデスメロン、赤肉と青肉のを組み合わせて紫陽花のようなイメージで彩りよく。多彩な食感が楽しめる。

 

 

 

フレンチ懐石 広尾おくむら
東京都渋谷区広尾 5-6-6 広尾プラザ 1F

03-6277-0698
ランチ11:30〜14:30(L.O.13:30)、ディナー18:00〜22:00(L.O.21:00)、
バー18:00〜23:00(L.O.フード21:00、ドリンク22:30)
水曜休み
  
ランチ 5000円〜、ディナー10000円〜。

https://hiro-o-kumura.com



観光局、宿泊施設などとの協賛企画、広告、スポンサーを随時募集しております。
雑誌、書籍などグルメと旅の企画執筆、旅程、宿、レストランなどのコンサルティングもお気軽にお問合せください。
問い合わせ先:agenceparis@groumet-traveller.com

Copyright © 2019 groumet-traveller,all Rights Reserved.
記事・写真などの無断転載は禁じられています。

Top