フランス人に愛されるパリの日本人シェフ⑪「レストラン ERH(エール)」北村啓太シェフ

カテゴリー/ PARIS |投稿者/ Gouret&Traveller
2019年07月06日

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現在、パリでトレンドの波が押し寄せている日本酒。パリ2区のレアール近くに、今、パリで話題の日本酒バーがある。日本の食材の販売促進も行なっている、Maison du Sake(メゾン・デュ・サケ)である。手前の賑やかに盛り上がる酒バーを抜けると別世界。そこに「レストランエール(RESTAURANT ERH)」が広がる。日差しがさんさんと降り注ぐ、ガラス天井が高く開放感あふれる空間。海と空を思い起こすブルーと白の空間は心地よさ満点だ。パリのレストランにはレアな縦の広がりをみせる印象的なインテリア。ディナーには星が降り注いできそうだ。
そんな魅力的な空間でサーヴされるのは、北村啓太シェフのハーブをたっぷり使った華やかなひと皿ひと皿。ハーブを使うのはプレゼンテーションを美しくするためではない。味わいの重層を担っている重要な要素のひとつ、味のない花は使わないという。けして飾りではないのだ。

フランスの食材は力がある。なるべく手を加えず、ソースを作り込む。フォン・ド・ヴォーなら、煮詰める時間や煮詰めるグラム数字まを精査する。店ではワインと日本酒を半々置いているが、開店時から「日本酒を意識せずに料理を作る」と決めて いたという。日本酒のペアリングは用意しているが、ワインも充実させた。

 

 

 

 

 

 

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北村シェフは、2008年渡仏。「料理人にとってフランスは天国。この国で料理を作っているのは幸せ」と笑顔をみせる。フランスの食材の力強さの魅力の虜になり、フランスに留まりフランス料理を作り続けている。肉、野菜、魚介のポテンシャルの高さ、ハーブの種類の多さ。ゲストの食に対する貪欲さやレスペクトの深さ。レストランに来て食べることの喜びをDNAに持って生まれてきたようなフランス人を相手に毎日毎日感謝の念を持ちながらパリで働き暮らす。 休日のマルシェの話題が厨房で自然に出る。料理を楽しむ環境がパリにはある。

そもそも子供のころから食べることが好きだった北村シェフ。3歳ごろからテレビ番組の「料理天国」を食い入るように見ていたという。いつしかコックコートに憧れ、レストラン業界に興味を持つようになる。一流のシェフになるには一流の人の元で修業しなければ。強い思いを抱いて、専門学校を終え、当時「ラ・ナプール」にいた成澤由浩シェフに弟子入りする。成澤シェフのしっかりと世界を見据えるヴィジョンに衝撃を受けた。どうしたらゲストに喜んでもらえるかを思考し続ける姿勢。その意識の高さに驚いた。

そんな北村シェフが、渡仏を決めたのは、「レ・クレアション・ド・ナリサワ」で修行していた際、成澤シェフをはじめ海外経験豊富なスタッフたちとのギャップを感じたからだ。厨房の成澤シェフはとにかく厳しかった。完璧を求めるシェフに対して、知識も語学力もない。本場フランスで修行しなければならない、と痛感した。
フランスでは、「オーヴォン・アクイユ」、「ピエール・ガニェール」で修行を重ねる。そしてビストロだった店をガストロノミーレストランとして生まれ変わらせたいというオーナーに「レストラン ERH」を任され、ミシュランのひとつ星を獲得した。

成澤シェフの下で妥協を許さぬ緻密な仕事の積み重ね、常にベストを尽くす大切さを学んだ。それを前提としてフランス料理の技法をベースにオリジナリティをいかに出していくかに力を注ぐ。日本人としてのアイデンティティは必然的に料理に組み込まれていく。日本人ならではのきめ細やかさとフランス人の瞬間的な集中力のバランスを考えながら料理作りをしていく技を磨いている。

 

 

 

 

前菜

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牡蠣、ヒラメ、アスペルジュソバージュ。味の強いハーブ、コリアンダーの花、ニンニクの花、ムータルト(からし菜)をアクセントに。ヒラメと牡蠣はミネラル感があり、菜の花の緑のピューレ、クレソン、ムータルトなど苦味を牡蠣のミルク感に合わせる。ハーブのひとつひとつの味わいが淡白なヒラメに上品に組み込まれていく。

 

 

 

 

メイン

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つくねとフォアグラ。おもしろいことをしたい、和的感覚を生かしたい、と考えた組み合わせ。スペシャリテがフォアグラの燻製。バージョンアップするためつくねを合わせた。つくねには、タロ芋が入っていてふわっとした仕上がり。鶏は淡白でなのでそこに油脂分を補うためフォアグラを合わせる。利尻昆布を入れたブイヨン、フォンとボライユをベースにしたコンソメ。沸かさないことにより不純物がまざらない。レモン、タイム、ローズマリーを添えて香りや食感にもインパクトを与える。

 

 

 

 

 

デザート
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「フレーズ・ガリゲット」と呼ばれる1番おいしいとされているイチゴを使う。リュバーブ、コーヒーとコンポート、ヨーグルトのエスプーマ、フランボワーズにローズを入れたソルベ、ホワイトチョコにラベンダーの香り、スポンジケーキ、ホワイトチョコとイチゴ。多種の芳香、食べる箇所で味わいも変わる。

 

 

 

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 「レストラン ERH(エール)」
 11 Rue Tiquetonne, 75002 Paris
+33 (0)1 45 08 49 37
 12:30~14:00LO 19:30~21:00LO
 日曜、月曜休
メトロ4番線Etienne Marcel駅より徒歩2分
 https://www.restaurant-erh.com/
 昼35€、55€、夜95€ 、130€
日本酒&ワインペアリング(夜のみ)75€ ~

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