名料理人のスペシャリテ 美食リレー② 吉野建シェフ推薦 「赤坂璃宮 銀座店」譚彦彬氏

カテゴリー/ GOURMET |投稿者/ Gouret&Traveller
2017年02月06日

人気シェフの自慢のスペシャリテをご紹介。次の料理人を推薦していただきリレー形式でつないでいく連載の2回目は、フランス料理の「タテル ヨシノ 銀座」の吉野建シェフの行きつけの店、「赤坂璃宮 銀座店」の譚彦彬氏にご登場いただきます。

 

_DSC1728自ら築地に出向き、素材を吟味してメニューを決めている、それが譚彦彬氏にとってもっとも大切な料理人としての信条だ。まず、素材ありき、そしてその持ち味を最大限引き出せる調理法を考案する。食材に直接触れてインスピレーションを得ると新しい料理のヒントが浮かぶのだという。

焼物、ふかひれ、海鮮料理、と広東料理の醍醐味はたっぷり味わえるが、香港風にもアレンジを効かせた譚彦彬氏オリジナルの料理が「赤坂璃宮」の持ち味である。加えて、四季折々の滋味に富む日本の食材も盛り込み、繊細な味わいを大切にする。海鮮や野菜など日本の山海の幸は、「医食同源をうたう広東料理にこそふさわしい」というコンセプトのもと繰り出される穏やかで、体に優しいひと皿ひと皿。

とりわけ、焼き物には真価を発揮する。赤坂璃宮の焼き物はどれも大ぶりだが、その大きさこそ、肉のおいしさが伝わるサイズなのである。前菜に焼き物が出るのは、広東料理ならではだが、「強火で焼く」という素朴な調理法なだけにごまかしがきかない。まさに、火入れの瞬間芸。一瞬のうちに仕上げを完成させる厨房の様子は圧巻だ。スパイスや調味料にも細心の気を配り、味や食感のトレンドを見極め、時代に合う味覚を追求し続ける。
名を馳せてなお、新しさを追求する地道な努力を続け、広東料理の行く末をこれからも担っていく。

 

 譚彦彬氏のスペシャリテ4品

皮付き豚バラ肉のクリスピー焼き 2100円

_DSC1612広東料理は皮をしっかり料理するのがポイント。皮のカリカリとした食感が命だ。豚バラ肉に塩をかけて五紅粉とスパイスをまぶし、300度の火を全開にして皮が真っ黒に焦げるまで一気に焼く。少しでも火が弱いと油分を感じる仕上げになってしまうため、炭のように完璧に焦がしたタイミングで火から出し、炭火で脂分を完全にとばしてしまう。パリっとした皮に付き添う肉はしっとりしてやわらかくその食感のコントラストを楽しむうち、ぎゅっと凝縮されているうまみが口の中に広がる。トレンドに合わせてスパイスの種類、量を微妙に調節、シンプルな料理だからこそ、その時代の旬の味に仕上げるワザが光る。

 

窯焼きチャーシュー 2100円

_DSC1600広東料理の代表的な料理だが、普通のチャーシューとは一線を画す。オリジナルの12種類のスパイスに40分漬けたあと20分かけて肩ロースを焼くと、肉汁がしっかり閉じ込められたスパイスのコクたっぷりの譚彦彬流チャーシューができあがる。漬け置くたれは秘伝のブレンド。時代に合わせるため、2,3年に一回変えて進化させているという。調味料が洗練されてきている昨今、砂糖、味噌、しょうゆなどベースの調味料も新たに良質なものを発掘し、時代の好みにマッチさせるべく試行錯誤している。よりソフトな食感が好まれるようになり、歯ごたえは残しつつしっとり仕上げるのが今風。いかに短時間で芯まで火が入って肉汁が逃げないようにするかが勝負となる。

 

 

ハタの姿蒸し 100グラム 1000円~

_DSC1688しっかりと出汁の味が染み込んだ対馬の「ハタの姿煮」。箸を入れると、スッと骨から身が離れる。香り立つ出汁の風味が、淡白な魚の身の甘みを引き立たせる。せいろで一匹まるごと蒸すが、時間は手で持ち上げてみた魚のサイズやコンディションを推し量りベストの蒸し具合に仕上げるという神業。経験と勘だけが頼りだ。しょうゆとスープ、チキンと豚肉と金華ハムにシャンツァイの茎を入れ、6時間炊いたスープにしょうゆと魚醤を混ぜながら砂糖を投入。しょうゆのたれが命だ。探し歩いた仙台のしょうゆと熊本の魚醤が隠し味となっている。

 

 

豚バラ肉の黒酢煮込み 3000円

_DSC1658ふわっ、箸を入れるといままでにない感触。それほど肉がとろとろだ。口のなかに入れると黒酢や魚醤が香りながら複雑に溶けていく。銀座店をオープンしてから4、5年たってから考案したひと皿。黒酢がはやっていたので、角煮に使ってみようと思いつき、皮付きばら肉を黒酢でたいてみた。油が強かったため、中国の赤米を粉にしてまぶして一晩ねかせると、肉が熟成して油分が逃げた。油を逃がしてから黒酢でたくと油が飛ぶのだ。広東料理では皮が重要な一部分。皮があってこそ肉がしっとりする。皮と肉が渾然一体となり、えもいわれぬとろみを生み出す。

 

 

 赤坂離宮 銀座店

_DSC1761 1929年に建てられた歴史的建造物、銀座の交詢ビルに店を構える「赤坂璃宮」。中国の趣きを随所に取り入れながらも和の要素も合わせ、黒と赤をベースにしたシックな空間には、中国の伝統的住宅の四合院様式が広がり、ゆったりとしたスペースが心地よい。2名から12名までの大個室、ホール席など、さまざまなシーンに合わせて利用できる客席を完備。洗練されたサービスとホスピタリティあふれる接客には定評がある。

 

_DSC1792紹興酒や中国茶はもとより、中華料理にソムリエを配した先駆者。いまでは、100種類以上のフランスワインを揃え、中国料理とワインの新しい組み合わせも提案している。

 

 

予約03-3569-2882
東京都中央区銀座6-8-7 交詢ビル5F
東京メトロ銀座線・日比谷線・丸の内線銀座駅A2出口より徒歩3分
http://www.rikyu.jp/ginza.html

【平日・土】ランチ 11:30~15:00(L.O.) 
【平日・土】ディナー 17:30~22:00(L.O.)
【日・祝】ランチ 11:30~16:00 (L.O.)
【日・祝】ディナー 16:00~20:30 (L.O.)

 定休日  年末年始
【ディナー】12000円~【ランチ】 3000円~
(表記の価格は税抜き価格です)

 

 

譚 彦彬(タン ヒコアキ) プロフィール

_DSC17531943年、神奈川県(横浜中華街)生まれ。新橋「中国飯店」、芝「留園」、京王プラザホテル「南園」副料理長、ホテルエドモント「廣州」料理長を経て、96年「赤坂璃宮」を独立開業しオーナーシェフとなる。2004年「赤坂璃宮 銀座店」オープン。

 

photos by Akemi Yoshihara

 

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