3000円台までのリーズナブルな贅沢ランチ② 「ザ・カフェ by アマン」都会のオアシス森のテラスで味わうガレット

カテゴリー／ GOURMET ｜投稿者／ Gouret&Traveller
2017年06月22日

3000円台までのコースメニューで、味、雰囲気、サービスと3拍子揃った良心的なレストランをピックアップする連載「3000円台までのリーズナブルな贅沢ランチ」、第2回目は、大手町の緑あふれる森のなかにあるアマン東京の1階別棟で、フランス・ブルターニュの郷土料理、ガレットのランチコースが3400円で楽しめる「ザ・カフェ by アマン」をご紹介します。

ザ・カフェ by アマン

アマン東京の別棟として、ビジネス街大手町の3600平方メートルの空間、81種類約56000本の木々が生い茂る一角に隠れ家のようにひっそり佇むザ・カフェ by アマン。オープンキッチンを挟んで両サイドの大きな窓越しにあふれるばかりの緑を感じ、この時季テラス席では樹々の薫る風を受けながら食事が楽しめる大都会のオアシスだ。

思わず深呼吸したくなるリゾートのような木洩れ日の揺れるオープンテラス16席、店内はオープンキッチンを臨むカウンター10席を含む32席。どの席に座っても緑の息吹を感じさせる設いは、都心にいながらバカンスでくつろいでいるかのような贅沢な時間を満喫することができる。カフェを包み込むように花や植物が配されたこのエリア一帯は、野生の森の呼吸を感じながらくつろげる格別の空間だ。再開発で育んだ豊かな森は「大都会の中にあって、自然と寄り添う」というアマンらしいコンセプトにも呼応し、アマンの主要建築家の一人である、ケリー・ヒルがこだわり抜いて作った空間のなか、アマンならではの洗練されたおもてなしで迎えてくれる。

2016年4月に、ワインも充実したカジュアルフレンチダイニングとしてメニューを一新。スペシャリテとして、１日中通して楽しめるアラカルトメニューやランチコースに、フランス・ブルターニュ地方の郷土料理ガレットが登場した。そば粉で作られるクレープとして日本でも人気だが、同店の相馬宏行シェフが試行錯誤の末考案したガレットは、国内から選りすぐりの2種類のそば粉をブレンド。さらに小麦粉を用い、モチモチ感を出すことで日本人の好みの食感が生まれた。また、そばの香りが強くなりすぎないように、あえて粗めのそば粉と細かい粉を併用し、ブレンドの割合を緻密に計算して生み出された特別なガレットだ。

イタリアで学び、東京の名だたるラグジュアリーホテルのレストランで腕を磨いてきた相馬宏行シェフは、幼い頃から母親の手伝いで料理を作る機会が多く、子供心に将来は料理人を志していたという。カフェというカジュアルな空間でも、フレンチやイタリアンのガストロのミックな技術をベースに、地産地消を尊重するアマンの考え方を踏まえ、フレンチのメニュー構成にも和の旬を潜ませる。2か月に1回程度、季節の素材を取り入れたメニューに替わるが、7月1日から19日は初夏のメニュー、19日から31日は夏のメニュー、 8月は、期間限定で地中海風魚介やハーブ柑橘などを使い、アーティチョークを白ワイン用ブイヨンで煮込んだ軽やかな一品などのプロヴァンス料理がお目見えする。

ランチコース「Vert 緑」3400円 (＋税・サ)

前菜縞鯵プラムのマリネトマトジュレ

選べる4種類の前菜、3種類のガレットにコーヒーか紅茶がついたお値打ちコース。写真の縞鯵とプラムのマリネトマトジュレは、酸味や柑橘を使って初夏の味わいを生み出したひと皿。ほかに、爽やかな季節の素材を使った前菜、焼き茄子マリネとシェーブルチーズのブランマンジェ、米沢豚のリエットパンデピスと赤ワインクリームなど、テラスで風を受けながら初夏を感じたいメニューが並ぶ。

鴨とオレンジのガレット赤キャベツマリネ

フレッシュなオレンジとブラッドオレンジビネグレットを合わせてキャラメリゼ。皮目をパリッと焦がした鴨のモモ肉と合わせる。バルサミコをアクセントに、オレンジと鴨の薫香の相乗効果が滋味深い。一見カジュアルだがガストロノミックな手法が随所に光るガレットは、そば粉にブレンドされた小麦粉によるモチモチ感が絶妙。ほかには、「鰯とフェンネルのガレットチェリートマト」、「カリフラワーのガレットポーチドエッグとマスカルポーネ」といった季節の魚や野菜のトッピングのガレットを選ぶことができる。

8月1日から31日は、プロヴァンスフェアが開催される

帆立貝のソテーアーティチョークのバリグール風