輝く女性インタビュー ①山本容子さん  初めて絵物語を紡いだ 新刊 『チューリップ畑をつま先で』

カテゴリー/ PARIS |投稿者/ Gouret&Traveller
2017年09月19日

輝く女性インタビュー

銅版画家 山本容子さん

 

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10年スパンの人生の歩み

10月10日に初めての絵本『チューリップ畑をつま先で』を出します。

振り返ると、ちょっとした舵取りをしながら、10年単位で人生を考えてきました。京都市立芸術大学を卒業し、20代は京都で作品制作に励んでいました。大学4年でデビュー、東京のギャラリーとすでに関係ができてたこともあり、京都の狭い世界から脱出したいと考え、本格的にアート活動をスタートさせるために30歳で上京。
31歳から鎌倉の海のそばのアトリエで仕事を始めました。雨もりがするようにぼろ家で、プレス機が濡れないように傘を立てて作品を制作していました。他人にはたいへんに見えただろうけど、意欲満々の若いアーティストにとってはなんの苦もありません。30代の頃は、「野となれ山となれ」の気概がありましたね。トルーマン・カポーティの小説のシリーズを絵にしたのが27歳の時で、オリジナルのポートフォリオにしました。その後、カポーティを山本容子が描いている、ということが編集者から編集者に伝わり、村上春樹さんのカポーティの翻訳本の挿画につながったり、30代、40代は鎌倉のアトリエで、いただく仕事はほとんど受けていました。自分では、まだ才能があるのかどうかもわからない。とにかく必至で仕事に全力投球してきました。吉本ばななさんのベストセラー小説『TUGUMI』や『世界文学全集』『赤毛のアン』と大きな仕事が舞い込み、怒涛のように制作していました。

 

『チューリップ畑をつま先で』より

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40代になってフランス料理を初めて、毎年3か月集中して一学期ずつ入門から上級まで4年計画でコルドンブルーを終了しようと真剣に取り組んでいました。講義がフランス語だったので、料理をきっかけにフランス語にも興味を持ち、家庭教師をつけて勉強を始めました。フランス観光大使に任命されたこともあり、いずれフランスにアトリエを構えて仕事をしたい、という夢が広がりました。

50代は都内に事務所を持ち、それまでやってきた仕事をあらためて考え直した時期です。60歳ぐらいになったらフランスに住みたい、とフランスに行ってやりたいことをリストアップしたり、やり残したことは何か、なんのための仕事をしてきたのか、と改めて仕事との向き合い方を考え直した時期でした。
そのころ出会ったのが、ホスピタル・アートです。父が病院で亡くなったとき、こんな味気ない天井を見ながら闘病していたんだ、と切なくて、名古屋の中部ろうさい病院の病室に天井画を描かせてもらったが始まりです。それからホスピタル・アートを調べてみたら、先進国がスウェーデンだと知りました。スウェーデンは進んでいて、日本のように絵を病院の壁に飾って癒やすというのではなく、病を癒す力を引っ張り出すのがアートだという考え方なんです。縁あって2011年、NHKの番組でスウェエーデンにホスピタル・アートの取材に行き、現地でその力を実感しました。アーティストの側からも、アートと病院が実際に総合作用を持つのか、アートが与えられた課題と取り組みたいと意欲を持ちました。自主制作も行いながら、講演会でも話をしたり、クリエーターやディクレターの役割もこなして、銅版画とは異なる世界にしばらく浸りました。
ホスピタルアートは、制約も多いのでたいへんです。アクリル絵具を使っていますが、昔は織物でもよかったのに、埃を吸うので衛生面が心配だからと使えなくなったり、素材の選択の難しさもあります。絵のテーマも大切です。好き嫌いを超えて、すべての人に良い環境を与えられる条件を満たしていなければなりません。
こうした制約の多い大規模な作品を手がけているうちに、小さな世界からものを紡ぎ出す銅版画から遠ざかってしまっている寂しさを感じていました。

次回配信10月10日に続く 

 

山本容子(やまもと ようこ)
銅版画家。京都市立芸術大学西洋画専攻科修了。都会的で軽妙洒脱な色彩で、独自の銅版画の世界を確立。数多くの装丁・挿画を手掛ける。パプリックアートとしてモザイク壁画やステンドグラスを制作。ライフワークのひとつとして医療現場でのアート(ホスピタル・アート)にも取り組んでいる。
山本容子美術館 LUCAS MUSEUM http//www.lucasmuseum.net

 

 

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「山本容子絵本刊行(偕成社刊)記念展 -チューリップ畑をつまさきで-」

伊勢丹新宿店
10月18日(水)~24日(火) 午前10時30分~午後8時 <最終日午後6時終了>
伊勢丹新宿店本館5階=アートギャラリー 電話03(3352)1111大代表
イベント:ギャラリートーク&サイン会 10月22日(日)午後2時~3時30分
○10月18日(水)から会場で先着80名さまにサイン会の整理券をお配りいたします。
○会場でお買いあげいただいた書籍にサインをいたします。

阪急うめだ本店 7階 美術画廊
11月15日(水)〜21日(火)
日曜〜木曜日 午前10時〜午後8時<最終日午後4時終了>
金・土曜日 午前10時〜午後9時

 

 

IMG_7833ケラスターゼ   DS ヘアデンシティープログラム N 
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