3000円台までのリーズナブルな贅沢ランチ⑦ビストロからガストロノミーまで楽しめる「レストランタニ」

カテゴリー／ GOURMET ｜投稿者／ Gouret&Traveller
2017年10月20日

3000円台までのコースメニューで、味、雰囲気、サービスと3拍子揃った良心的なレストランをピックアップする連載「3000円台までのリーズナブルな贅沢ランチ」、第7回目は、名店「アラジン」出身のアットホームななかでフランスの郷土料理が楽しめる「レストランタニ」の2800円のランチコースをご紹介します。

レストランタニ　

外苑西通りから少し入った路地にある窓辺を花に囲まれたレトロで愛らしい店構えがフランスらしい。大きな窓から自然光が差し込む店内は、テーブルにかかった白いクロスに銀器、アール・デコ風のデザインが気品を醸し出しながらもアットホームな温かい空気が流れている。

厨房には、信頼する全国各地の生産者から、新鮮で厳選された素材が届く。季節感を大切に、素材の味わいが深くなるよう、その時の食材のコンディションに合わせて微細に調理法を変えている。メニューのラインナップはバラエティに富んでおり、プリフィクスのコースでも前菜、メイン、デザートそれぞれ4〜5種類から選ぶことができて、セレクションの幅が広い。ワインもフランス産を中心に、常に200種以上をそろえており、迷ったら常駐しているソムリエに気軽に相談することができる。

母親が料理上手だった谷利通シェフは、食事を作る手伝いをするなど子供の頃から食に興味を持ち、学生時代に飲食店でアルバイトを始めた。はじめてフランス料理店で仕事を手伝った際に見たオマールやフォワグラなどの未知の食材に衝撃を受け、フランス料理の道に進む。フレンチの名店「アラジン」で修業し、23歳で渡仏。大都市には惹かれず、フランスの地方の郷土料理を学びたかったため、南仏ニームを皮切りに、東部のシャンベリーやブルゴーニュなどフランス各地のほか、スイスでも研鑽を積んだ。帰国後は、「アラジン」でスーシェフ、四谷の「メゾン・カシュカシュ」のシェフを経て、2012年に独立した。

谷シェフは、スイスでは、シャルキュトリー(ハムやソーセージ、パテなどの加工品)でも修行、さまざまな部位をいかにしておいしく食べるかという技術を習得。また、フランスでは巨匠ジャック・タピオのもとでパン作りを学んだ。店のパンももちろん自家製だ。料理は仕事を超えて、もはや「趣味」。休みの日はお菓子や氷細工などの勉強に励み、すべてが料理という「趣味」の延長にあるほど情熱を傾けている。誠実な正統派フレンチを軸に「うまいものや」を目指し、短角牛のハンバーグなど、よりカジュアルなメニューも研究中だという。多芸なシェフは常に進化形だ。

デジュネA
前菜＋メイン＋デザート(またはチーズ) 2800円

秋鮭のコンフィーと季節野菜のマリネ

季節のスペシャリテ。期間限定、この時期にしか食べられない天然物の北海道の秋鮭。軽く燻製をかけて41度で50分じっくり火を入れる。添えるエスカベッシュは、白ワインとシャンパンビネガーでマリネ。ソースはパプリカとトマト。薫香が食欲を誘う肉厚で柔らかくレア感覚が絶妙な火入れ。

鶏もも肉のシャスール

キノコが出始めるとともに登場するココット蒸し。銀杏、石川芋、栗などを添えて。季節のきのこは、フランス産やヨーロッパの天然物を8種類から10種類。トマトときのこからでてくる水分、白ワイン、鶏の出汁が肉にじっくり染み込んでくる。

和栗のモンプラン

チョコレートソース、メレンゲ、中にメイプルシロップ風味のアイスクリームを入れ、上に渋皮煮のペーストでクリーム、最後に渋皮煮の栗をのせる。メレンゲの食感が新鮮なモンブラン。

Restaurant Tani(レストランタニ)
03-6804-2266
東京都港区南青山3-2-6 モリヤサンライトビル2F
東京メトロ銀座線外苑前駅徒歩5分
東京メトロ各線表参道駅徒歩10分
【火～日・祝・祝前】ランチ 12:00～15:30 (L.O.14:00)
【火～日・祝・祝前】ディナー 18:00～23:30 (L.O.21:30)
月曜日・第1日曜日休み
http://restaurant-tani.com/