ワインとチーズのマリアージュが学べるクラスで、おいしいワインと熟成した本場のチーズを楽しむ

カテゴリー/ GOURMET |投稿者/ Gouret&Traveller
2016年12月24日
1972年、著名なワイン評論家、スティーヴン・スパリュアによって、パリでスタートしたワインスクール、アカデミー・デュ・ヴァンは、日本初の本格的ワインスクールとして1987年に東京・青山で開校しました。入門からプロの資格をめざす講座までさまざまなコースがあり、現在、レストランやホテル、エアラインなどの第一線で活躍するソムリエをたくさん輩出しています。チーズやヨーロッパの食文化の講座、ワインと料理のマリアージュについて探求していくクッキング講座などワインを多彩な角度から学ぶことができる講座も充実しています。
 
グルメ&トラベラーでは、アカデミー・デュ・ヴァンの副校長、奥山久美子先生の「おいしいワインは志の高い造り手による」をテーマに、優良な生産者が造り出すお値打ちワインを紹介する「名造り手によるデイリー・ワイン」の連載が始まります。ご紹介していくワインのセレクションのポイントを奥山先生は以下のように説明しています。
 
「ワインは土地を表現する芸術と言われていますが、最近では飲みやすいというだけの単なる工業製品的なワインが増えています。おいしいワインは、ブドウ栽培者による弛まない努力の下に、熟した健康なブドウが収穫され、優れた醸造家によってテロワール(その土地ならではの味わい)の個性が表現されたもの。そのなかでも、バランス良く繊細さのあるワインを選んでご紹介していきます。エチケット(ラベル)の生産者名だけで、おいしいワインを見分けることができます」。
 
img_6196今回は、連載に先立ち、アカデミー・デュ・ヴァンの講座のなかで、CPA認定チーズプロフェッショナルでもある奥山先生の「ワインとチーズのマリア―ジュ」クラスを体験させていただきました。
 アカデミー・デュ・ヴァンでは、ワインと馴染みの深いチーズの世界について学ぶコースがあり、入門講座から体系的に学ぶ「チーズStep-I」、「チーズStep-II」、より深い知識を身につける上級講座、「チーズプロッフェッショナル資格認定試験」合格を目指す講座まで、レベルや目的に合わせて学んでいくことができます。
 
この日の授業は、毎月1回の講座で6か月間学ぶ、「ワインとチーズのマリア―ジュ」の3回目で、4種類のブルゴーニュの白ワインと10種類のチーズをテイスティングする講座です。
 
img_6139用意されたチーズは、ナチュラルチーズの専門店、「フェルミエ」が直接フランスから空輸した以下の10種類。どのチーズも本場のフランスでもなかなか入手できないくらいの絶妙な熟成具合の逸品ばかり。4種類のブルゴーニュのシャルドネと合わせ、どのマリア―ジュがベストかを味わいます。
 
img_6154この日の受講生は女性9名、男性4名、3~4名のグループに分かれて席に着きます。教室に入ると、本日のチーズが整然と並べられており、生徒さんが写真撮影の真っ最中。
まず、奥山先生が、白板にフランスの地図を書き、本日のチーズの生産地をわかりやすく図解。それぞれのチーズとワインの特徴を説明します。その知識をもとに、チーズとワインをテイスティング、マリア―ジュを吟味します。
 
img_6175先生の説明が終わると生徒さんが手分けして、それぞれのチーズを人数分にカットし、2つのお皿にならべます。
チーズとお皿にはそれぞれ番号がふられており、切り分けてからもどのチーズだったかわかるようになっています。
グループごとにテイスティングの感想を述べ合い、最後にベスト・マリア―ジュを代表者が発表します。正解があるわけではなく、個々の好みで十分大丈夫だそうです。
  
今回のチーズは、以下の10点で、クリーミーで厚みのある白ワインに合うようなリッチな白カビタイプのシェーヴル、シャブリのマールでウオッシュしたアフィデリス、繊細なマヨネーズのような味わいのモン・ドールなどが用意されていました。
 
トム・ド・シェーブル ポール・ジョルジュレ シェーヴル ロワール地方 ヤギ乳 無殺菌乳
ポール・ジョルジュレは、この地方を代表するシェーヴルチーズの造り手。独自に作るエサから得るミルクを、2日間じっくりと時間をかけて凝固させ型入れを行う製法で、繊細な味わいが生まれる。
 
img_4232ブッシュ・ド・ルセ  シェ―ヴル 白カビ ロワール地方 ヤギ乳
ヤギ乳製の白カビチーズは、フランスでもレア。品質のよいジャッカン社の人気商品。シェ―ヴル特有の香りもほのかにふんわりと広がるやさしさで、シェ―ヴルが苦手な人にもおすすめ。
 
カマンベール・ド・ノルマンディ 白カビ ノルマンディ地方 牛乳 無殺菌乳
ナポレオン3世により原産地の村名がつけられた。熟成は最低21日間、このうち16日間は製造エリアに置かれる。4週間前後が食べごろ
 
img_4230ヌシャテル  白カビ ノルマンディ地方 牛乳
ハート型で有名だが、ほかにもボンドン(樽の栓)、ブリケット(れんが)などの形もある。チーズで10世紀はじめにブレイの町、ヌシャテルで造られた。カマンベールより塩味が強く、シャープな味わい。
 
トム・デ・ボージュ 非加熱圧搾タイプ サヴォワ地方 牛乳 無殺菌乳
切り立ったが崖と深い谷が特徴的なボージュ山地一帯のチーズで、山中の5キロ以内の農家から集めた牛乳から造られている。自然の白カビがはえたゴツゴツした外観とは違い、なかはア山吹色。高原のミルクの濃厚な味。
 
サンネクテール 非加熱圧搾タイプ オーヴェルニュ地方
熟成度により、白、黄、赤の自然のカビに覆われる。藁特有のかび臭さ、土の香りがする。最低3週間はAOPが指定する地域内で熟成される。期間は通常8週間、ライ麦の藁の上に並べ、時々塩水で洗いながら熟成させる。
 
ポン・レヴェック ウォッシュタイプ ノルマンディ地方 牛乳
熟成は生産日から最低2週間以上は産地内。通常は1.5か月。洗う回数が少ないので乾いて白っぽい粉がふいている。麦藁の上で熟成させるので、十文字の藁のあとがある。中身はクリーミーで穏やか。
 
img_4233アフィデリス ウオッシュタイプ ブルゴーニュ地方 牛乳
ベルト―社のブランド名で、おいしい熟成を意味する造語。シャブリのマールが入った塩水で洗い流しながら熟成させる。
 
モン・ドール 無殺菌乳 ウォッシュタイプ フランシュ・コンテ地方 牛乳
ドゥー県にある最高峰「モン・ドール」という山の名前からきている。エピセアの樹皮で巻いてエピセアの樹皮の上で熟成させる。その間定期的に反転させ、塩水で洗ったあと、エピセアの木箱に入れる。トロリとした濃厚なミルクの味に、ほのかなエピセア(もみの木)の香りが入り混じる。
 
img_4234ヴァシュラン・モン・ドール ウォッシュタイプ 牛乳 スイス ヴォ―州ジュー湖周辺のジュラ山脈
無殺菌乳で塩水で洗う回数が多いので表皮がオレンジがかっている。フランスのモン・ドールと同様の造り方。ヴァシュランは牛飼いの意味で、ヤギが足りなくなり、牛乳のチーズとして生まれた。
 
img_6198ワインは次の4種類のシャルドネです。
1.マコン・ヴィラージュ 2015 マコネ地区 シャルドネ レ・ゼリティエ・デュ・コント・ラフォン
2.ピュリニー・モンラッシェ 2014 コート・ボーヌ シャルドネ ドメーヌ・ルフレーヴ
3.シャサーニュ・モンラッシェ・プルミエ・クリュ シャン・ガン2014  ドメーヌ・フランソワ・エ・ヴァンサン・ジュアール
4.ムルソー コート・ド・ボーヌ地区 シャルドネ ドメーヌ・ピュイソン・バトー

 
img_6186生徒さんの発表では、フランスでもレアなヤギ乳製の白カビチーズ、真っ白で丸い形状が見た目も美しいブッシュ・ド・ルセが一番人気。ポン・レヴォックとモン・ドールが続きました。マリア―ジュとしては、シャサーニュ・モンラッシェとの組み合わせがベストという声が上がっていました。

奥山先生のワインの評価は、

1はフレッシュさとフルーテイさが魅力のマコン・ヴィラージュ
2はフローラルで上品な香り、繊細なミネラル感があるピュリニ・モンラッシェ
3は果実味と酸とミネラル感の輪郭が美しいシャサーニュ・モンラッシェ
4はムルソーらしいグラ(オイリー)でナッテイーな風味、円やかなのでチーズに合わせやすい
 
img_6177「ワインもチーズも嗜好品なので好みはさまざまありますが、バランスの良い組み合わせは、繊細な風味とテクスチュアのチーズには繊細なタイプのワイン、コクの強いチーズには芳醇なタイプのワインだと相乗効果があります。
今回のチーズはすばらしいので、カジュアルなマコンではチーズの良さがわかりにくい。ピュリニ・モンラッシェは線が細すぎたこともあり、ボデイがしっかりとしたシャサーニュ・モンラッシェや、円やかなムルソーは合いやすいでしょう。今回のチーズは塩味は控えめなので、赤ワインではタンニンが邪魔になります」。

 
img_4244青山校には、ワインショップ「カーヴ・ド・ラ・マドレーヌ」が併設されており、常時150~200種類のセレクションを備えています。授業のあとにはインポーターが訪れ、試飲会を催すこともあり、この日もシャンパンの試飲会が行われ、授業を終えた人々でにぎわいをみせていました。
 
img_4249授業が終わってからは、教室の隣りにあるカジュアル・フランス料理店のアン・カフェで、それぞれがワインを持ち寄り、打ち上げがあります。ワイン好きのみなさんが集まってのワイン談義に花が咲き、楽しく時間が過ぎていきます。
 このクラスは、本場を訪ね歩いてワインとチーズを知り尽くしている奥山先生の興味深い裏話なども聞けて、早朝から並んで申し込まなければ受講できない、という超人気講座。次回は2017年の4月開講となります。チーズが好きな方、さまざまな種類のチーズを試してみたい方、チーズとワインの合わせ方を知りたい方、チーズの資格取得を目指す方などワインとチーズに興味がある方は、受講してみてはいかがでしょうか。
 
 
アカデミー・デュ・ヴァン
東京都渋谷区神宮前5-53-67 コスモス青山ガーデンフロア
(東京メトロ表参道駅徒歩5分、各線渋谷駅徒歩10分)
TEL: 03-3486-7769 / FAX: 03-3486-5482
営業時間:10:00-20:00 / 土・日・祝日、および授業の無い日:11:00-18:00
大阪校、名古屋特設クラス、銀座教室、ソウル校もあります。
 
 
img_6199奥山 久美子先生プロフィール                    
JSA認定シニア・ワインアドバイザー。WEST®アドヴァンスト・サーティフィケイト。シュバリエ・デュ・タストヴァン、シュバリエ・デュ・タストフロマージュ、コマンドリー・ド・ボルドー。CPA認定チーズプロフェッショナル。
ヨーロッパ文化に造詣が深く、ワイン教室やセミナー等でワインを中心とした食文化の普及に努める。著書に「ワイン上手になろう」、「ワインの基礎知識」、「シャンパンのシーン別楽しみ方」(朝日新聞出版)監修、「ブルゴーニュ、コート・ドールの26村」(ワイン王国)、「極上ワイン100本」(朝日新書)など

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