奥山久美子セレクト 名造り手のデイリー・ワイン① 年始のパーティシーンに活躍するスパークリング南アフリカ KWV

カテゴリー/ GOURMET |投稿者/ Gouret&Traveller
2016年12月30日

日本の老舗ワインスクール、アカデミー・デュ・ヴァン副校長奥山久美子先生の「名造り手のデイリー・ワイン」連載第1回目は、今、注目の南アフリカから「KWV」です。

第一回目ということで、今回の連載のなかで紹介していくワインのセレクトのポイントをお伝えしたいと思います。

1024x768e3839be38299e383bce3838ce79591 ワインの最大の魅力は多様性。世界中の冷涼~温暖な地域で生産されているワインは、気候風土、ブドウ品種、収穫年の違いなどによりさまざまな表情を見せ、私たちを楽しませてくれます。21世紀に入ってからは技術的な土地改良なども進み、それまでワインができなかったような産地のワインも増え、選択肢が一段と増えたことにより、ワイン選びが以前よりも難しくなってきています。

 1980~1990年代にもてはやされていた凝縮した濃厚な果実味と高アルコール度のパワフルなワインから、最近では繊細でエレガントなスタイルへと、造り手の考え方が変化しています。20世紀末に、ブドウ栽培・ワイン醸造の技術改革が世界中で行われて以来、ボルドーやブルゴーニュを模範としたニューワールドの高級ワインに限らず、どの国のワインを飲んでも同じようにおいしい味わいを感じられるグローバリゼーションの時代といわれるようになりました。世界中の造り手がテロワール(その土地ならではの味)の特徴を表現するために、有機栽培やバランスのとれた醸造スタイルへと変わってきているのです。マイナー産地の素朴な土着品種にもスポットライトが当たり、その土地らしい味として評価されています。たとえば、日本の甲州もその中のひとつです。

wine-426463_960_720 ワインの選択肢が増えると楽しみ方が広がりますが、ただ飲みやすいだけの工業製品的ワインではなく、志の高い生産者が造るテロワールを表現するおいしいワインに出会いたいものです。優秀なワインの生産者を通して、そのワインのバックにある物語知ると、ワインの楽しみ方も倍増することでしょう。

 この連載では、良い造り手が情熱を持って丹精こめたほんとうにおいしいワインだけを厳選。私が世界中の造り手をまわって見つけたお値打ちの毎日の家のみワインをご紹介していきます。

 2017年、年始のパーティシーズンには、いま注目の南アフリカのワインはいかがでしょう?

 

KWV       ケイ・ダヴリュ・ヴイ

現在、ワイン業界で最も注目されているワイン産地は南アフリカです。ワイン生産国としての歴史は1659年とニューワールド(ワインの伝統国ヨーロッパに対しての新興国)の先駆的存在ですが、今やルネッサンスの真只中にあり進化中。この10年間で劇的に品質向上したという最もエキサイティングな国です。ブドウ畑は世界遺産のケープ植物保護地域群に広がり、1998年からは自然保護とワイン産業の共栄を掲げ、限りなく有機栽培で育つ健康的で完熟した高品質なブドウが生まれるようになり、また、いくつかのワイナリーは内外からの莫大な投資を得て畑と醸造所が改良された結果、フランスの高級ワインと肩を並べるようなワインが現れるようになりました。優良なブドウ畑は、南極大陸からアフリカ大陸西岸へと流れる冷たいベンゲラ海流により霧が発生する大陸の南端の冷涼地域にあり、古代地層の土壌からミネラル豊かなワインが生まれます。

 

 

kwvKWVは、南アのワイン産業発展のために1918年に設立されたブドウ栽培者協同組合(国営)であり、新しい醸造技術の改良を行ってきました。南アのワイン産業の父と呼ばれるアブラハム・ペロード教授は、1925年にピノタージュ種の開発に成功したKWVの初代栽培責任者として有名です。1997年に民営化し、2007年からオーストラリアのリチャード・ロウ醸造コンサルタントが指揮をとるようになってからは洗練され、リチャード・ロウが去った現在も、その評価は日ごとに高まっています。

kwv%e3%82%bb%e3%83%a9%e3%83%bcソーヴィニョン・ブランやピノ・ノワールは海岸沿いの寒冷地、シャルドネは冷涼地、メルロはやや温暖地、カベルネ・ソーヴィニョン、シラーは温暖地というように理想的に育てられたブドウ品種を使用し最先端の技術で出来上がるワインは素晴らしい上、コストパフォーマンスは世界一です。

 

 

31fk1kzw3-l__ac_us160_カセドラル・セラー スパークリング・ブリュット2010
Cathedral Cellar Methode Cap Classique Brut 2010
シャルドネ78%、ピノ・ノワール22%  オープン価格 2200円(国分)
シャンパーニュ方式と同様に瓶内二次発酵して造られるスパークリング・ワインのことを、南アではキャップ・クラシックと呼びます。12か月間以上オリと共にカーヴで熟成されるとキャップ・クラシックと書くことができますが、KWVは24か月間の熟成を経ているので繊細な泡立ちとリッチな香りがあります。外観はグリーンがかった金色。香りはビスケット、レモンやマンダリン・オレンジなどの柑橘系に加えアーモンドと華やか。味わいはクリーミーなアタック、しっかりとした酸とミネラル感のバランスがよく豊かな果実味のフレーバーが心地よいワインです。魚介の刺身やフライ、鶏肉、豚肉料理にも好相性。


カセドラル・セラーのシャルドネ、ピノタージュ、カベルネ・ソーヴィニヨンもおすすめです。

%e3%81%97%e3%82%83%e3%82%8b%e3%81%a9%e3%81%adカセドラル・セラー シャルドネ オークの小樽で発酵後、新樽にて8 ヶ月熟成されます。輝く黄金色、豊かなフレーヴァー、力強くコクのある味わいです。シャルドネ100%。 2200円

%e3%81%b4%e3%83%8e%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%82%b8%e3%83%a5カセドラル・セラー ピノタージュ 鮮やかなルビー色でチェリーやプラム、プルーンといった果実、丁子やブラックペッパーなどのスパイスに加え、ナッツやチョコレートなどの特長もあり、力強さとエレガントさの両方を持ち合わせています。 2200円

31y-om-mmql__ac_us160_カセドラル・セラー ソーヴィニヨン・ブラン
 気象条件が違う3箇所の畑で栽培されたブドウからは青草やアスパラガス、パッション・フルーツやメロン、ライチ、グースベリーなどのフルーツ、引き締まった酸とミネラル豊富なワインが生まれました。 2200円

 

奥山久美子セレクト 名造り手のデイリー・ワイン⑤ ブシャール・ペール・エ・フィス
奥山久美子セレクト 名造り手のデイリー・サイン④ フェヴレ
奥山久美子セレクト 名造り手のデイリー・ワイン③ ドメーヌ・ルフレーヴ
奥山久美子セレクト 名造り手のデイリー・ワイン② アタラクシア

 

 

 

 

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