かつてない「ルーヴル美術館展」開催。過去3600年の「肖像芸術」約110点が来日

カテゴリー/ PARIS |投稿者/ Gouret&Traveller
2018年05月29日

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 日仏友好160年を迎える今年、パリのルーヴル美術館が所蔵する「肖像芸術」に焦点を当てた展覧会「ルーヴル美術館展「肖像芸術–人は人をどう表現してきたか」が、国立新美術館(5月30日〜9月3日)と大阪市立美術館(9月22日〜19年1月14日)で開催される。古代から19世紀に至るまで3600年の時を駆ける肖像、約110点が来日。ルーヴル美術館は、8部門から構成されており、古代オリエント美術、古代エジプト美術、古代ギリシャ・エルトリア・ローマ美術、イスラム美術、絵画、彫刻、美術工芸品、素描・版画のこの全8部門が協力し、ルーヴルが誇る「肖像芸術」を展示する。2005年より日本で4つの展覧会(05年、06年、09年、15年)を開催してきたルーヴル美術館だが、肖像芸術にフォーカスした展覧会は初めてで、肖像芸術の特質と魅力をひもとく本格的な展覧会となる。

 

1_《棺用マスクの顔の部分》2MB

《棺に由来するマスク》 Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Franck Raux /distributed by AMF-DNPartcom

展示構成は、プロローグ「マスクー 肖像の起源」、第1章「記憶のための肖像」、第2章「権力の顔」、第3章「コードとモード」、エピローグ「アルチンボルドー肖像の遊びと変容」の5セクションに分かれている。
プロローグでは、肖像の起源に位置づけられる、古代エジプトの2つの異なるタイプのマスクを紹介。対照的な表現をなす2つのマスクは、あらゆる肖像作品に通底する「理想化・様式化」と「写実性・肖似性」という問題を象徴的に示している。写真は、エジプト新王国時代のミイラを型どった木製の人型棺のマスクの顔の部分(前1391-1353年)。

 

 

5《マラーの死》2MB

 《マラーの死》 Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Martine Beck-Coppola /distributed by AMF-DNPartcom

第1章では、「人の存在を記憶する」という肖像のもっとも古い役割に焦点を当てながら、神々に捧げるため、あるいは子孫に残すために制作された古代から19世紀までの肖像を紹介する。写真は、ジャック=ルイ・ダヴィッドと工房「マラーの死」(1794年頃)。

 

 

 

9《アルコレ橋のボナパルト(1796年11月17日)》2MB 10《戴冠式の正装のナポレオン1世》2MB

写真上《アルコレ橋のボナパルト(1796年11月17日)》 Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Hervé Lewandowski /distributed by AMF-DNPartcom
写真下《戴冠式の正装のナポレオン1世》 Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Michel Urtado /distributed by AMF-DNPartcom

第2章で扱われるのは、肖像芸術が最も古くから担ってきたもう一つの役割としての「権力の顕示」。王や皇帝など最高権力を振るった君主にとって、自らの肖像は権勢を広く知らしめる最も有効な手段だった。誰が見ても君主だとわかるように、表現上のルールが用いられている。絶対権力を握った君主や王妃を表した作品を通して、権力者の肖像表現の特質を浮かび上がらせる。また、古代ギリシャの詩人ホメロスから19世紀フランスの文豪バルザックまで、「精神の権威」ともいうべき哲学者や文学者の肖像も紹介する。写真上は、アントワーヌ=ジャン・グロ「アルコレ橋のボナパルト(1796年11月17日)。写真下は、クロード・ラメ「戴冠式の正装のナポレオン1世」(1813年)。

 

 

14《赤い縁なし帽をかぶった若い男性の肖像》2MB

《赤い縁なし帽をかぶった若い男性の肖像》 Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Michel Urtado /distributed by AMF-DNPartcom

第3章は、ルネサンス以降のヨーロッパの肖像に焦点を当てる。社会の近代化にともなってブルジョワ階級が次第に台頭し、有力な商人や銀行家から、さらに下の階層まで、肖像のモデルの裾野が広がっていく。こうした肖像は、古代より培われた上流階級の肖像表現のコード(表現上のルール)を踏襲しつつ、一方では各時代・地域・社会に特有のモード(流行)を反映しながら、多様な展開を遂げた。コードとモードが錯綜するなかで、ルネサンスから19世紀までのヨーロッパ各国の肖像を主題別に紹介しながら、どのような肖像表現が展開されたのかを考察する。写真はサンドロ・ボッティチェリと工房「赤い縁なし帽をかぶった若い男性の肖像」。

 

 

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《春》 Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Jean-Gilles Berizzi /distributed by AMF-DNPartcom

エピローグでは、16世紀後半に活躍した奇才の画家、ジュゼッペ・アルチンボルドの「四季」連作の傑作「春」と「秋」。見る人の視線によってイメージが変容する肖像の醍醐味を、アルチンボルドの作品を通して堪能することができきる。写真はアルチンボルド作「春」。

 

 

 

16《女性の肖像》、通称《美しきナーニ》2MB

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《女性の肖像》、通称《美しきナーニ》 Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Michel Urtado /distributed by AMF-DNPartcom

ハイライトとして、27年ぶりの来日となるヴェネチア派の巨匠・ヴェロネーゼ(本名=パオロ・カリアーリ)の《美しきナーニ》(1560頃)や、前出の皇帝ナポレオンを題材にした作品4点の出品。なかにはアントワーヌ=ジャン・グロによる《アルコレ橋のボナパルト(1796年11月17日)》(1796)、アンヌ=ルイ・ジロデ・ド・ルシー=トリオゾンの工房が手がけた《戴冠式の正装のナポレオン1世の肖像》(1827)も含まれている。

写真は、「美しきナーニ」の解説をするルーヴル美術館の絵画部門学芸員のコーム・ファーブル氏。イタリアの「モナリザの微笑み」と呼ばれているが、モナリザがどの角度から見ても見る者と目が合うが、ナーニは反対にどこから眺めても目が合うことがない、という。

さらに、レンブラントによる「ヴィーナスとキューピッド」(1657年頃)、ヴィジェ・ル・ブランの「エカチェリーナ・ヴァシリエヴナ・スカヴロンスキー伯爵夫人の肖像」(1796年)なども展示。ルーブル美術館の豊かなコレクションを通して、「肖像芸術」の社会的な役割や、その表現上の様々な特質を浮き彫りにするものとなる。

オフィシャルサポーターには高橋一生が就任、音声ガイドのナビゲーターにも挑戦している。また、六本木の東京ミッドタウンでは、「ジャン=ポール・エヴァン」や「メゾンカイザー」、「とらや」、「トシ ヨロイヅカ」などで企画展限定メニューが登場する。

 

 

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ルーヴル美術館展
肖像芸術–人は人をどう表現してきたか
東京展
会期:2018年5月30日〜9月3日
会場:国立新美術館 企画展示室1E
住所:東京都港区六本木7-22-2
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00〜18:00(5・6月の金土〜20:00、7・8・9月の金土〜21:00) ※入場は閉館の30分前まで
休館日:火(ただし8月14日は開館)
料金:一般 1600円 / 大学生 1200円 / 高校生 800円 / 中学生以下無料
 
大阪展
会期:2018年9月22日〜2019年1月14日
会場:大阪市立美術館

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