名料理人のスペシャリテ 美食リレー⑯「ラ・クレリエール」古典を現代に昇華させたフレンチ

カテゴリー/ GOURMET |投稿者/ Gouret&Traveller
2018年06月11日

人気シェフの自慢のスペシャリテをご紹介、次の料理人を推薦していただきリレー形式でつないでいく連載16回目は、「ア・ターブル」の中秋陽一シェフの推薦で「ラ・クレリエール」の柴田秀之シェフにご登場いただきます。

 

ラ・クレリエール    LA CLAIRIÈRE

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老舗フレンチ、モナリザ出身の柴田秀之シェフの料理は正統派の技法をベースに、和の食材を使い、自ら編み出したオリジナリティあふれるフランス料理。フランスの伝統料理野うさぎのパイ包みから日本の素材を駆使してフランス料理に仕立てた鮎料理までテリトリーは幅広い。さらにパティシエになりたかったという柴田シェフはデザートにもこだわりをもつ。中学生の頃サッカーをやっていて寒天のお菓子を作っていったところ皆に喜んでもらえたのがうれしくて、菓子職人になりたいと思うようになった。ちょうど「料理の鉄人」世代の79年生まれ。道場六三郎さんに憧れ和食の道も考えたが、年功序列の和食の世界に入らないほうがよいのでは、というアドバイスを受けフランス料理へと進路変更。フレンチならお菓子も作れるので一石二鳥という考えもあった。

 

 

 

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高校ではさまざまなジャンルの飲食のアルバイトを経験し、予定していた専門学校のフランス校に行くよりも、学生の頃から研修に行っていたモナリザを選び就職。師匠の河野透シェフがギ・サヴォワなどフランスで修行してきたいわゆる「三つ星」の料理を学んだ。27歳の時、一年だけ視察のつもりで渡仏し、ブルゴーニュのオステルリー・ビュー・ムーラン( 一つ星)、パリのグラン・ヴェフェール (当時は三つ星、現二つ星)で修行した。

 

 

 

 

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帰国後は、モナリザの恵比寿本店と丸の内で料理長を務め、かねてからの念願だった独立を36歳で果たす。北里大学の近くの住宅地にモナリザの先輩から店を譲り受けた。まさにこういう店がやりたかった、という内装は変えず、アイボリーを基調にし仄かなライティングが灯るクラシックな店内。落ち着いた雰囲気のなか古典の手法をしっかり取り込み、それを現代に昇華させた料理がその空間にマッチしている。

 

 

 

 

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今、日本のフランス料理で次第に消えゆく王道フレンチの技術。柴田シェフも料理観はどんどん変わってきているという。しかし、めざすゴールはスタイリッシュないまどきの店ではない。和食の料理人がカウンター越しにそれぞれのゲストの希望をさりげなく実現させていくような、そういう店をフランス料理でやりたい。柴田シェフが感じた素材の可能性を目の前で表現し、心に伝わる料理にしてひとりひとりに届けてくれるだろう。

 

 

鮎のバリエーション

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鮎をさばききり、すべての部位をおろして焼いたり揚げたり調理法を変える。上の身はカリッと表面焼き上げて、下の身は鮎ごはん仕立てに。塩をして乾かし、グリルで網焼きにしてきざんで米と合わせる。さらにのりと揚げた中骨、まわりに飾られていない部分の骨をきざんで加えた。炭火を使わないフランス料理でアレンジを考案。全部バラバラにしてそれぞれに火を的確に入れて全体をもどすといういわば「力技」を使った。そして鮎の肝を使ったブーダンノワールを添える。ソースはクレソンと北海道のくま笹を抹茶にしたものに笹茶の塩を加える。それぞれの部分が味わい深くトータルで鮎のすばらしさを感じることができるオリジナリティあふれる逸品。

 

 

 

野うさぎのパイ包み

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フランスと日本の野うさぎではやはり違いがある。フランスに住んでいたゲストからリクエストされる場合が多いので、本場に近いほうがよいのではと思うもののフランスと同じリエーブル・ア・ラ・ロワイヤルはできない。そこでパイ包みにした。このパイ包みはうさぎの内臓もすべて使ったもの。赤ワインに内臓をつけるとできるたまり醤油風のものをソースに加える。ソースは漆黒、半分にして切り口を見せればソースにその美しい姿が写り込む。

 

 

 

 

エキゾチックなヴァシュラン

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細かく切ったパッションフルーツとマンゴーをベースにライムとココナッツを加え、薄いメレンゲをのせる。手前にパッションフルーツのシャーベット、奥がヨーグルトのアイスクリーム。食感のよい果実とサクサクのメレンゲに口溶けのよいシャーベット。南国の風味が香る季節感のあるデザート。

 

 

 

 

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ラ・クレリエール  LA CLAIRIÈRE
東京都港区白金3-14-10 ベルパラーゾシロカネ 1F
03-5422-6606
東京メトロ 南北線 白金高輪駅
12 : 00〜15:30(L.O.13:00)
18:00〜23:00(L.O.20 : 00)
月曜日、不定で月に一度の火曜日休み
ランチ 4800円、6800円、10000円
ディナー  8000円、12000円

 

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