フランソワ・オゾンの新境地 心理サスペンス 「二重螺旋の恋人」

カテゴリー/ PARIS |投稿者/ Gouret&Traveller
2018年07月31日

「二重螺旋の恋人」
2018年8月4日(土)からヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で公開

 

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本作「二重螺旋の恋人」は、前回と打って変わってヒッチコックを彷彿とさせるサスペンスである。前作が抑制されたクラシックな映画、「婚約者の友人」だったので、ヒロインの想像世界に入り、大胆な形式に挑んだというフランソワ・オゾン監督。センセーショナルでスリリング、非常に実験的な作品だ。
「8人の女たち」ではミュージカル、「エンジェル」ではメロドラマ、「リッキー」ではファンタジーと次々と新境地を開きながらフランスを代表する映画作家として君臨すること20年。本作は4年の構想期間を経て自らを未知のジャンルに解き放った野心作だという。どれだけ奥深い引き出しを持っているのだろう、と驚愕する。
今回は、心理的な細やかさなど知的なストーリーテラーとしてオゾン監督が崇拝するアメリカの女性作家ジョイス・キャロル・オーツの短編小説を大胆に翻案した。
性格が正反対の双子の精神分析医と禁断の関係にのめり込んでいくヒロインは官能的でミステリアス。秘密はすべて彼女のファンタズムのなかにある。ラストでオゾン監督は「医学的新事実」を付け加えることで、観客を迷宮に放り込む。ハッピーエンドに思えたかのラストでは、陥穽に陥らせるのだ。

 

 

 

 

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パリに住む25歳のクロエは、原因不明の腹痛に悩まされ、婦人科に紹介された精神分析医ポールの診察を受ける。穏やかに患者に寄り添うポールのおかげで心と体の痛みから解放されていく。恋に落ちた二人は一緒に暮らし始める。そんなある日、クロエは街でポールにそっくりな男性ルイを見かけた。ルイはポールと双子で、職業も同じ精神分析医だという。ポールからルイの存在を聞かされていなかったクロエは、謎をを突き止めようと偽名を使ってルイの診察室に通い始める。優しいポールと違って傲慢で挑発的なルイに次第に惹かれていくクロエ。ルイとは何者なのか? クロエのなかに潜む闇とは?

 

 

 

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クロエ役に「17歳」のヒロイン、マリーヌ・バクト。いたるところに散りばめられたトラップを、神秘のベールに包んで演じ、ひとつひとつのパズルのピースを探しながら秘密を解き明かそうとする圧巻の眼力が印象的だ。
双子の精神科医を演じるのは「最後のマイ・ウェイ」のジェレミー・レニエ。双子という「エニグマ」の二重螺旋の混乱に突き落とされる快感を味わわせてくれる。
クロエの幻想と現実の狭間の境界線は物語が進むにつれて曖昧になってくる。夢なのか事実なのか? 幻想なのか現実なのか? オゾン監督はその答えを観客に委ねる。

 

 

 

「2重螺旋の恋人」
2018年8月4日(土)からヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で公開

監督・脚本:フランソワ・オゾン
原作:ジョイス・キャロル・オーツ『Lives of the Twins』
音楽:フィリップ・ロンビ
出演:
マリーヌ・ヴァクト
ジェレミー・レニエ
ジャクリーン・ビセット
ミリアム・ボワイエ
ドミニク・レイモン
上映時間:107分
配給:キノフィルムズ 
©2017 – MANDARIN PRODUCTION – FOZ – MARS FILMS – FILMS DISTRIBUTION – FRANCE 2 CINÉMA – SCOPE PICTURES / JEAN-CLAUDE MOIREAU

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