名料理人のスペシャリテ 美食リレー⑲ 魚の魅力を伝える和テイストのイタリアン「S(エッセ)」

カテゴリー/ GOURMET |投稿者/ Gouret&Traveller
2018年10月18日

人気シェフの自慢のスペシャリテをご紹介、次の料理人を推薦していただきリレー形式でつないでいく連載19回目は、少数民族の郷土料理が食べられる中華料理店「Matsushima」の推薦で、繊細な魚介の魅力を伝えるイタリアン、マンジャペッシェ2号店「S(エッセ)」の清水 明完シェフにご登場いただきます。

 

 

S (エッセ)

IMG_1973

名店ひしめく恵比寿の路地裏、周囲と趣を異にする真っ白な一軒家が目を引く。エントランスには気がつかないほど小さく掲げられた「S」の文字。扉を開けると小ぢんまりした落ち着ける空間がなんとも温かい。千駄ヶ谷の人気店「マンジャペッシェ」で約8年間料理長を務めた清水 明完(しみず はるさだ)シェフが腕をふるう2号店として7月にオープンしたイタリア料理店だ。「S(エッセ)」とは、シェフが大切にしている要素のイタリア語の頭文字を意味する。「STAGIONE(季節感)」「SERVIZIO(おもてなし)」「SPECIALE(特別な時間を過ごしていただきたい)」「SPAZIO(ゲストの目の前で調理する特別な空間)」。さらに偶然ながら、清水シェフやソムリエの瀬川氏のSも表している。

 

 

 

IMG_1969
「マンジャペッシェ」時代は、席数が多くゲストと直接コミニケーションが取れなかったことで、2号店をオープンするにあたり、カウンターありきでインテリアを考えた。直接ゲストとやりとりをしながら料理の工程をライブで楽しんでもらえれば、というかねてからの希望を叶えたのだ。キッチンと対面するカウンター席はゆるいカーブを描き、ゲスト同士もコミュニケーションがとりやすい工夫がなされている。こだわりはフルオープンキッチン。調理工程や手元がどの角度からも眺められるようにガス台を中央に置き、小さな炭焼台も備えた。

 

 

 

IMG_1971

マンジャペッシェで、多彩な魚の魅力を知った清水シェフは、日本の魚や旬の食材の潜在力を引き出すべく長崎・五島列島から直送される旬の魚介などを厳選。季節ごとに変わる素材の豊かさを通じて、日本の四季を感じてもらいたいと考える。地方の生産者に会いに行くなどして、鮮度の良い魚を見つけることは絶対条件だ。素材のおいしさを満喫できるよう極力シンプルな調理法で魚料理の醍醐味を伝える。
清水シェフの繊細な料理は、季節感のある食材の組み合わせの妙を感じさせる。季節の素材は力があってそれだけですでに完成しているともいえるが、そこに意外性を加える。たとえばイタリアではイワシを使うところ、さんまと合わせたパスタを提案。カトラリーにお箸も加え、米など日本の食材を使いイタリアンに仕立てる。自分にしかできない組み合わせの面白さを追求していきたいという。

 

 

 

 

IMG_1966
子供のころ、両親が共働きで自分で食事を作っていた清水シェフは、料理がおいしくできあがるのが楽しみだった。料理人以外の道しか考えられないと、大学卒業後に専門学校へ。特にパスタが好きだったのでイタリア料理に進んだ。卒業後はアクアパッツァグループに入社。アクアパッツァの日高良実シェフが特別講習で来校した折り、こんなにクリエイティブな料理があるのか、と刺激を受けたからだ。マンジャペッシェ、アクアヴィーノ、アクアパッツァとグループ内で修行を積んだ。
大学を卒業してからでは料理人としては遅いスタート。職場でも同世代がすでに調理場で活躍している一方、自分は賄いすらうまく作れない。続けていけないかと悩んだ日々もあったが、毎日取り組んできた朝の賄いで毎回新しい要素を加えるよう努力し、のちに大きな財産となった。

季節の旬を味わってもらいたいと、1か月に1回メニューが変わる。9時以降はアラカルトでワインとともにゆったり過ごせる。ワインはイタリアベースだが、魚介に合う日本のワインなども入れている。
日本の食材の素晴らしさを守っていかなければならない、選りすぐりの魚を大切に使っていきたいと、生産者に対する尊敬の念を忘れず新メニューづくりに邁進する。

 

 

 

 

 

鮮魚のカルパッチョ

IMG_1970
スジアラとのまこがれい2種類の取り合わせ。スープ、玉ねぎのピューレにウニがのっているが、季節ごとに変わる。ホワイトバルサミコで酸味を出し、季節のフルーツ、野菜、ハーブで華やかに。フェンネルの花の甘い香りがほんのり漂う。

 

 

 

 

さんまとごぼうのタリオニーニ

IMG_1968

トッピングには低温でじっくり素揚げしたゴボウ。ソースはさんまの頭や骨、ごぼうのダシなどでとったものをグリルしたサンマと合わせる。パスタはソースが絡みやすい細さのもの。食感も良く、さんまを丸ごと食べているようなパスタ。キモも玉ねぎを一緒に炒め、ソースには加えずに脇に添えて味の変化を楽しんでもらいたい。
自家製の柚子胡椒を作ったあとの余った果汁を加えて炭火焼に。さんまの良さをより引き出す工夫だ。さんまとごぼうの煮物にヒントを得て組み合わせてみた。揚げたり煮たりといろいろな食感が出せる多彩なパスタ。

 

 

 

 

アマダイの鱗焼き

IMG_1967

五島列島の魚は神経ジメして血を抜いて1匹ずつ大切に送ってくれるので鮮度が高い。マッシュルームのソースを下に敷いてマッシュルームと塩だけでピューレ状に。直前にフレッシュな香りをつけるために生のマッシュルームと牛乳の泡を載せてクリーミーに。食感の良さを味わってもらいたいのでできる限り素材のそのままの味を堪能できるシンプルな調理を基本としている。

 

 

 

 

IMG_1964

 

S(エッセ)

東京都渋谷区恵比寿南2-4-19
JR山手線 恵比寿西口日比谷方面出口 徒歩4分
東京メトロ日比谷線 恵比寿西口日比谷方面出口徒歩 4分03-6412-7130
18:00~25:00(L.O.23:00)
日曜日休み
https://www.esse.tokyo/

 

名料理人のスペシャリテ 美食リレー⑰アルドアック

観光局、宿泊施設などとの協賛企画、広告、スポンサーを随時募集しております。
雑誌、書籍などグルメと旅の企画執筆、旅程、宿、レストランなどのコンサルティングもお気軽にお問合せください。
問い合わせ先:agenceparis@groumet-traveller.com

Copyright © 2018 groumet-traveller,all Rights Reserved.
記事・写真などの無断転載は禁じられています。

Top