旬のスイーツリレー⑱実力派パティシエールの優しいお菓子「アディクト オ シュクル」

カテゴリー/ GOURMET |投稿者/ Gouret&Traveller
2018年10月29日

連載「旬のスイーツリレー」18回目は、パティスリー&カフェ デリーモの江口和明 (えぐち かずあき) ショコラティエ/パティシエのご紹介により、アディクト オ シュクル(Addict au Sucre)の石井英美(いしい えみ)シェフにご登場いただきます。

 

 

 

IMG_2092

コンクリート打ちっ放しの建物に異素材の組み合わせがおしゃれな木の扉を開けると、お店のキャラクターの猫が迎えてくれる。スタッフの知人の美大生に描いてもらったという猫たちはお菓子のパッケージになっていて人気者だ。自分でもジョゼという名前の猫を飼い始めてすっかり猫マニアになったとおだやかに語る石井英美シェフ。何かに凝るとハマるタイプだ。お菓子作りも気がつくとやみつきになっていた。

 

 

 

 

 

IMG_2098
IMG_8148

パティシエールとしてのスタートはかなり遅い。大学卒業後にアパレルに就職。将来は事業をやっている実家を継ぐつもりでいた。時間ができたとき、プロが教えるお菓子教室に通ってみることに。お菓子作りにそれほど興味があったわけではないが、お店で売ってるようなお菓子が自分にも作れるかもしれないと思ったからだった。家の近くにあった「ア・ポアン」のケーキのファンで通っていた。人を感動させたり、ほっとさせてくれる、そんなお菓子が好きだった。
そのころ、大御所のシェフ何人かがレシピを公開している「人気のケーキ」という本に出会う。このレシピでどんなお菓子ができるのか、どのぐらいお店の商品に近づけるのかという興味で、毎夜家族が寝静まってから夜中に掲載されているレシピを一つずつ作るなど、お菓子作りに熱をあげていった。プロになろうと思うようになったときには、すでに30歳近くだったが、家族もそんな石井シェフを応援してくれ、製菓学校に行くことを決心。2年目はフランス、リヨンにある分校に通った。そのときフランスで出会ったフランス菓子の奥深さに感銘。ひとつひとつのお菓子に背景があり、それぞれの過程を経て誕生してきた歴史にひかれた。食べておいしいだけではない広がりがあるのがフランス菓子。そこからフランス菓子に夢中になっていった。

 

 

 

 

 

IMG_2099

IMG_2085

帰国して東京・吉祥寺「アテスウェイ」、その後渋谷の「ヴィロン」でフランス菓子の基礎を学んだ。毎日8度の寒い部屋でクロワッサン生地を織り込んだり、シューに入れるクリームを3リットル、4〜5キロをひたすら絞っていた修行時代。だんだんゲーム感覚になり、早く多くの仕事をこなすことができるようになった。そんなおり、憧れの店、ラデュレが東京でオープンすることになる。ヴィロンで基礎を学んだところでキャリアアップの機会として受けてみると、多数の応募者の中から合格。生菓子を担当し、ひと目見てテンションが上がるようなビジュアルがかわいいお菓子を作ることに喜びを感じた。マカロン工場を始めるにあたり、オペレーション作りを託され製造責任者を務め2年。うまく回り始めたところでそろそろ独立と思い、2014年4月自分の店をオープンした。

 

 

 

 

IMG_2100

店内には、4席のイートインスペースもあり、コーヒーやフレーバーティーなどのドリンクとともにケーキをその場で味わうこともできる。シェフの面影を写した優しげに並ぶケーキは季節により12種から15種。フィナンシェやカヌレなどの焼き菓子、クロワッサンをはじめとするパン、コンフィチュールなどもそろう。「アディクト・オ・シュクル」は、石井シェフ自らのことも表す「スイーツ中毒」の意味。お客様をアディクト(虜)にするお菓子を作りたい、という夢を叶えつつある。

 

 

 

 

 

パリブレスト520円+税

IMG_2094

食べやすさとオリジナリティーを考えたスペシャリテ。薄いミルクチョコとプラリネにフィアンティーヌを絡ませてうすい板にし、オレンジミンチとコアントローを合わせてクリームにのせる。1981年、パリとブレスト間で行われた自転車競技由来のお菓子なので、4輪のシューにはさんだ。一般的にはリングシューだが、より食べやすいエクレア型にアレンジ。クリームは口どけ良い淡い柔らかさ。上にのせたオレンジのコンフィーの香りと食感が爽やか。

 

 

 

 

 

タルトオシトロン シトロンベール 500円+税

IMG_2096

レモンだけでなく、ライムを入れて香りをたたせた。レモンクリームにはメレンゲを少し加え、ベルガモットのオイルを少し入れる。手に入る時期には国産のレモンを使うのがこだわり。バターの配合が多いと硬くなるので、ゼラチンの凝固力を借りてぷるぷる感をもたせ、果汁らしさを出す。口溶けを良くするように食感を調節している。ふわりとしたクリームがなめらかで、酸味が優しく香る。

 

 

 

 

 

タルトオフリュイ 520円+税

IMG_2102

中心のくだものは季節によってさまざまだが、見た目は変わらないようにラズベリーで囲んで印象づけている。この秋はキウイ、ブドウ、洋梨、イチジクとまんべんなく季節の果実で組み合わせ、色も食感もバランスを取れるように考えた。タルト台は、生地より中のアーモンドクリームを強くし、タルト生地を薄く作り食べやすくしている。中心に飾られたフルーツのバランスがよく、ラズベリーの酸味に彩られつつ季節を存分に感じながら楽しめる。

 

 

 

 

 

IMG_2101

アディクト オ シュクル (Addict au Sucre)
東京都目黒区八雲1–10–6
03–6421–1049
10:00~19:00
火曜日休み(水曜不定休)
※臨時休業する場合もありhttp://addictausucre.com/

 

旬のスイーツリレー⑰パティスリー&カフェ デリーモ
旬のスイーツリレー⑯タント・マリー
旬のスイーツリレー⑮ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ
旬のスイーツリレー⑭オクシタニエル
旬のスイーツリレー⑬エクラデジュール
旬のスイーツリレー⑫アンヴデット
旬のスイーツリレー⑪アングラン
旬のスイーツリレー⑩リョウラ
旬のスイーツリレー⑨アシッドラシーヌ
旬のスイーツリレー⑧タンドレス
旬のスイーツリレー⑦デセールル コントワール
旬のスイーツリレー⑥パティスリーS
旬のスイーツリレー⑤リベルターブル
旬のスイーツリレー④グリーン ビーントゥ バー
旬のスイーツリレー③ エスキス サンク 
旬のスイーツリレー② ピエール・エルメ パリ 青山
旬のスイーツリレー① トシ・ヨロイヅカ 東京

観光局、宿泊施設などとの協賛企画、広告、スポンサーを随時募集しております。
雑誌、書籍などグルメと旅の企画執筆、旅程、宿、レストランなどのコンサルティングもお気軽にお問合せください。
問い合わせ先:agenceparis@groumet-traveller.com

Copyright © 2018 groumet-traveller,all Rights Reserved.
記事・写真などの無断転載は禁じられています。

Top