再訪したくなる美食空間 東京ファイル⑪「Takumi」見せ方もオリジナリティー豊かなフレンチ

カテゴリー/ GOURMET |投稿者/ Gouret&Traveller
2019年02月18日

世界のグルメ・シーンを長年取材してきたグルメ&トラベラーが、取材で食べ歩いて見つけた「思わずリピートしたくなる美味な店」をご紹介する連載、「グルメ&トラベラー 再訪したくなる美食空間 東京ファイル」11回目は、フランス料理ひとすじ、見せ方にも料理にも思入れ深い「Takumi(タクミ)」にご登場いただきます。

 

 

 

Takumi (タクミ)
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食通の町、西麻布はフレンチの競合地。そんな激戦区の交差点近く、2019年あらたに星付きレストランが誕生した。控えめな店名に気づかず、うっかり通り過ぎてしまいそうなほど静かに佇む「Takumi」。オーナーシェフの大槻卓伺(おおつき たくみ)さんは、日本で専門的な料理の勉強を一切したことがなく、大学卒業後にフランスで修業のためはじめて名門店の門をたたいたという異色のバックグラウンドを持つ。

 

 

 

 

 

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物心ついた時から料理人になろうと思っていた大槻シェフ。細かい作業が好きだった幼少の頃からひとり料理を作っては家族にふるまっていた。和洋中、ジャンルはとわず料理本のプロセス写真を見ながら作った。中高時代は、毎週末料理に時間を費やしていたほど料理ひとすじ。神戸大学の経営学部に進んでからも、独学でYouTubeを見ながら魚をさばくなど本格的に技術習得を続けた。日本では年功序列で修行を始めてすぐ携わることができないような技法も、自分一人でどんどん身につけていった。 フランス料理のように手間をかけることに充実感を覚えた。
「素材を生かしてシンプル」という料理作りが主流な時代だが、料理人の個性が出る、創作する楽しみがあるフランス料理を提供したい。中学からやってきてもやり尽くせないほど奥が深いフランス料理。
欧米のほうが実力主義、就職するならフランス、と大学入学のときから考えていた。そのために、経営学をしっかり勉強。関西の名店「ベカス」にアルバイトとして雇ってもらい、専門の料理、フォアグラ、トリュフ、キャビアの扱い方などを見て学んだ。取引きのある業者から個人買いし、見よう見まねで自宅で調理の練習をした。
1年で帰るのでは意味がない、3年は滞在しよう、と家庭教師のアルバイトで750万円貯めた。フランス人に直接頼んで、マクドナルドで生きたフランス語を教えてもらう。

 

 

 

 

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万全の準備をしてワーキングホリデーでフランス、美食の町リヨンへ。まず10軒ほど星付きレストランに履歴書片手ででかけ、おいしいと思ったら直談判で仕事をさせてもらう機会を探していった。技術には自信があった。自分がやりたい料理の方向性は決まっていたので、それに対して足りない部分を補うための修業だった。

正統派フレンチの「ラ・ロトンド(La Rotonde)」、化学的アプローチでも仕上がりがなめらかだった「ル・ヌヴィウム・アール (Le Neuvieme Art)」、元パティシエだったシェフによるセンスの良い盛り付けの「ランフィトリオン(L’Amphytrion)」、「魚介料理に定評のある三つ星「ル・プティ・ニース (Le Petit Nice)」、自分の目指す理想の店づくりをしている「ジャン・フランソワ・ピエージュ(Jean-Francois Piege)」の5店で修業、3年3ヶ月を過ごした。日本に帰ってからはサービスのアルバイトを経験し、ホスピタリティーを学ぶ。

 

満を持してて2017年2月「Takumi」をオープン。あらゆる観点から食事を楽しむレストランにしたかったという。
IMG_1722プレゼンテーションが面白く、メインに使われている食材が試験管のような瓶に説明文とともに先にサーブされ、その料理に対するシェフの思いが綴られる。ビジュアルは幾何学的。一番番食べやすい順に配置して、食べてほしいもの同士を近くに置く。ソースの盛り付けも理論的、必然的だ。また料理を美しく見せるため店のライトを強めにしてある。基本は伝統的なフランス料理で、バターやクリームをたっぷり使っている。そこに自ら工夫したオリジナリティで彩りを添える。

ペアリングには流行のニューワールドなどは入れず、フランス産のみだ。ポテンシャルの強さではフランスワインが何よりおいしい。

人生をかけて取り組む大槻シェフならではのフランス料理店。着実に歩んできた大槻シェフの目指す次の目標、二つ星の実現もそう遠くないかもしれない。

 

 

 

 

 

菜の花のスープ
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ほぐした川俣シャモ
川俣シャモのブイヨンを染み込ませたフレンチトースト
細かく砕いた鶏皮
フォアグラで合えた菜の花

ジャワペッパー

今が旬の菜の花に地鶏の一種である川俣シャモを合わせた。菜の花のスープは素材をを最大限生かすために乳製品を使わず軽やかに仕上げた。川俣シャモは低温で調理してからほぐした。菜の花の辛子和えから連想して、もも肉にはハニーマスタードを絡めた。アクセントにジャワペッパー。
サーモンの旨味を吸わせた甘くないフレンチトーストには香ばしい鶏皮のパウダーをかけ、フォアグラで合えた菜の花を添えた。菜の花のえぐみを感じない優しいスープ。

 

 

 

 

 

鳩のロティー

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ポルト酒のソースと鶏のもも肉
フォアグラの焼きフラン カルダモンとオレンジの風味
鳩の内臓と蕎麦の実
フォワグラのソース

カルダモン、蕎麦の実、ポルト酒

フランス産の鳩は窒息したものを使った。窒息させることにゆって身がうっ血しジューシーな身になる。フォアグラを使った二種の付け合わせ。一つめは焼き目をつけたフォアグラのフラン。フォアグラには定番のオレンジを合わせ、アクセントにカルダモンをふりかける。もう一つは鳩からとったジュを絡めた鳩の内臓。鴨南蛮そばをイメージして鳩に蕎麦の実と長ネギを合わせた。血のニュアンスが強くなりすぎないようフォアグラのソースを下にしいた。ソースが近くにあるのでたっぷりソースに沈ませてフランや内臓を味わうことができる。

 

 

 

 

 

 

11品のデザート

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コンセプトは「ケーキ屋さんで大人買い」、11品のデザートを一度に。
左から、1.コニャック風味のサバラン、みかんのソースと皮のパウダー、マスカルポーネのクリーム2.甘酸っぱいガトーショコラ、濃縮ミルクのアイスクリーム、小麦胚芽のクリームとラム 3.こんがり焼いたカダイフ、キャラメリゼしたホワイトチョコレートのクリーム、クロゼイル、甘いスパイスのパウダー 4.りんごのセミドライ、ケシの実クリーム、薄く伸ばしたシュー生地、カルバドスのゼリー 5.モンブラン、アプリコットのムース、ウイスキー風味のスポンジ生地 6.トンカ豆風味のミルクレープ、チョコレート 7.白ワインの炭酸ジュレ、ホワイトチョコレートのムース、ラズベリーのピューレ 8.稲わらのプリン、稲わらのジュレ、柿 9.イチゴのコンフィー、クリームチーズのクリーム、ミントの中で、細かく砕いたスポンジ生地 10.ブラマンジェ、バラのソース、アーモンドクッキー 11.ビオレ日本酒風味、安納芋とレモンのピューレ、カカオ豆、リスフレ、ヘーゼルナッツ
甘いだけではない、酸味や塩味もあるバリエーション豊かな構成のデザート。

 

 

 

 

Takumi
昼6500円夜12,500円 税サ別
東京都港区西麻布1丁目11-10 ビルマーサ1F
東京メトロ日比谷線 六本木駅2番出口 徒歩7分
都営大江戸線 六本木駅4b番出口 徒歩8分
03-6804-6468 
日曜、月曜休み
Lunch 11:30〜15:00 Dinner 18:30〜23:30

http://restaurant-takumi.com/

 

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