絶品スイーツ・パティシエ リレー①異国情緒あふれる世界の郷土菓子を楽しむ「ビノワ カフェ」

カテゴリー/ GOURMET |投稿者/ Gouret&Traveller
2019年04月10日

ビノワ カフェ(Binowa Cafe)

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にぎやかな渋谷と原宿のほぼ中間地点、喧騒を避けて明治通りから入った線路脇の路地に、別世界へと誘う郷土菓子を集めたカフェがある。店のある2階へ向かう階段の壁に貼られている写真は世界の珍しいスイーツ。オーナーの菓子職人、林周作さんが世界を回って出会ってきた記録だ。「THE PASTRY TIMES」と名付けられたフリーペーパーとして発行してきた林さん。2012年6月から自転車でユーラシア大陸を横断。以来、知られざるお菓子を求め旅をし、いまでは年6回ほど海外に出かけている。これまでに訪れた国は約40か国、出会った郷土菓子は450種類以上だという。

学校の教室のような空間に木製の机がノスタルジック。テーブルの間隔が広く居心地が良い。こぢんまりとした白いテラスには一列に席が並べられている。静けさのなか、ゲストが本を読んだり、PCを打ちながらのんびり過ごしているテーブルの上には見知らぬお菓子が置かれている。

 

 

 

 

 

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店の扉を開けたらまず奥の小さなカウンターにかわいく並ぶ郷土菓子を選ぶ。カウンター向こうのキッチンでは、8種類ほどの定番や数種の期間限定スペシャルが作られている。どれもあまり馴染みのないルックス、味の想像もできない。
林さんは、一年に6大陸をわたる予定で、新たに行ってきた国のお菓子も登場する。メキシコ、中東に出かけて新しいお菓子を発掘してきたばかりだ。次に向かうのはオーストリア、ニュージーランド。どんなお菓子が新たに加わるだろうか。

 

 

 

 

 

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子供のころからのお菓子好きが高じて食の道へ。専門学校を卒業後、イタリア料理シェフとして仕事をしていた林さん。日本ではあまりイタリア菓子と接する機会がないが、おいしいイタリア菓子がたくさんある。世界にはほかにもたくさんの郷土菓子があるのではないか。そう考えインターネットで郷土菓子を調べては作っていた。そのうち現地で本物を見てみたくなり、ヨーロッパを巡る3か月間の旅に出た。イタリアから始めヨーロッパ各国をまわり毎日お菓子を食べ続けたという。そのときにフランスのリヨンで食べた「クッサンドリヨン」に感動し、見知らぬお菓子に出会う旅を本格的にスタート。
海外では前もって調べておくことはせず、情報は現地でツイッターなどを利用して探す。直接お店に行ってスタッフと仲良くなり、厨房で作り方を見せてもらうこともよくあるそうだ。

これまでの旅でもっとも印象深かったお菓子は、トルコのガジアンテップで食べた「バクラヴァ」。トルコはピスタチオの一大産地、ガジアンテップのものは特に上質で、とても柔らかく、味が濃く、香りが良い。お菓子のためにピスタチオ農園を作っており、そのピスタチオをぜいたくに使った「バクラヴァ」を作る。キッチンに入らせてもらい、レシピを伝授してもらったが、格別のおいしさに心打たれた。

 

 

 

 

 

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写真は定番のお菓子たち。左から時計回りに、ガネーシャの好きなお菓子といわれるインドの国民的お菓子「ベサン ラドゥ」。ひよこまめに水牛の発酵バター、ギーという油が香る。カルダモンやカシューナッツとシナモン、くるみ、いちじくの2種の味。
スイスのバーゼルのお菓子、はちみつがたっぶり、シナモン、ナツメグ、クローヴを合わせワインなどお酒にも合うソフトクッキー「バーズラーレッカリー」。
アーモンドプードルとヘーゼルナッツの粉にオレンジピールの「マカロンダミアン」。フランスのノルマンディー地方アミアンの、外はカリッとなかはねっちりした食感のマカロン。

アゼルバイジャンを代表する「シェチェルブラ」。スペインアンダルシア地方の「ポルヴォロン」は、小麦を焼いてから生地を作るので、ホロホロの口どけに。とける前に3回願いを言えたら叶うといわれている。フランスのディジョンからは、クリとレンゲのはちみつ、粗めと細かめのライ麦を2種入れた「パンデピス」。

どのお菓子もスパイスが効いてエキゾチック。いままでに食べたことがない食感や風味に異国への思いを馳せる。

なかでもアゼルバイジャンのお菓子「シェチェルブラ」は珍しい。ナッツ、スパイス、砂糖で作ったフィリングをクッキー生地で包んだもので、餃子のような形に、模様は中東の幾何学模様を描いている。
シェチェルブラの生地は現地のものよりも薄く、クッキーとパイの中間くらいの厚さににアレンジ。どのお菓子も自分の個性を加えながら現地の味を再現している。

店内にはパッケージも愛らしい詰め合わせのおみやげや林さんの2冊の著作、ヨーロッパから中東までの郷土菓子を収録した『THE PASTRY COLLECTION』、ユーラシア大陸の郷土菓子のレシピ集『世界の郷土菓子』も販売している。

 

 

 

 

 

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世界を回った自転車も飾られており、遥か遠くの国のお店を訪ねたような不思議な異国情緒たっぷり。自ら旅した気分にも浸れる美味しい異空間で、100近くのレシピがあるという林さんのお菓子との未知との遭遇を体験してみよう。

 

 

ビノワカフェ
(Binowa Cafe)

東京都渋谷区神宮前6-24-2 原宿芳村ビル2F


TEL 03-6450-5369


営業時間:平日 14時〜20時
土・日・祝日 12時〜18時    定休日 月4日不定休
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