京都の世界遺産「東寺」の知られざる非公開エリアと観智院を僧侶の案内で特別拝観!

カテゴリー/ VISIT |投稿者/ Gouret&Traveller
2025年02月07日

京都駅で新幹線を降りると見えてくる東寺の五重塔。この塔を見ると京都に来た、と思えるほど、この姿は京都のシンボルです。そんな東寺のいつもは入れないエリアをお坊さんの解説付きで見学できるという試み。京都好きならはずしたくないイベントが開催されます。

 

794年、桓武天皇により築かれ、平安京の正門、羅城門を挟んで建立されたのが東寺と西寺。東寺は密教美術の宝庫で、世界遺産に登録されています。五重塔のほかにも国宝の建物の金堂や宝物館には2万5000点余もの国宝・重要文化財を有しているそうです。

正式な名前は「真言宗総本山 教王護国寺」。桓武天皇の次の代の嵯峨天皇が、唐で密教を学んで帰国した弘法大師空海に東寺を託し、真言密教の根本道場(こんぽんどうじょう)東寺となりました。日本ではじめての密教寺院であり、唯一現存する平安京時代のお寺です。毎月21日の弘法市は「弘法さん」と呼ばれ、京都人にも親しまれている東寺。焼失と再建を繰り返し、現在も、弘法大師の密教の教えや、平安時代の建築物を次世代に伝えていこうと、さまざまな取り組みがなされています。

五重塔内部の初層は、外観からは想像できない極彩色の世界「五重塔」は、高さ約55m日本一高い木造建築。内部は春と秋に不定期で公開されることがありますが、今回は、大日如来を中心とした極彩色の密教空間や建築技術の背景、歴史など五重塔内部の初層を見ることができる貴重な機会です。

 

現在の五重塔は、江戸時代初期に三代将軍 徳川家光が復興したもので、堂内彩色は、塔内全面に鮮やかな彩色が施されています。四角い心柱と、それを囲む4本の円柱には円形の跡が残っており、曼荼羅が描かれていたのでしょうか。柱と柱をつなぐ長押の部分も極彩色に彩られています。素朴な外観からは想像できない華やかな内部に驚かされます。

金剛界四仏心柱の四面に安置された金箔の美しい像は、心柱を大日如来に見立て、阿閦・不空成就・阿弥陀・宝生で金剛界を意味します。天皇をお迎えする、総木曾檜造の「小子房」で襖絵や壁画を堪能小子房(しょうしぼう)は、天皇をお迎えする格式高い建物です。南北朝時代、足利尊氏が光厳上皇(こうごんじょうこう)を奉じて都に入った折、上皇は、洛中の戦いが治まるまでの間、小子房を御所としました。

 

 

南北朝時代からの歴史を持ち、現在の小子房は、1934年、弘法大師空海の千百年御遠忌(ごおんき)にあたり再建されたもの。総木曾檜造で、昭和を代表する建築物です。襖絵や壁画は堂本印象、庭園の「澄心苑(ちょうしんえん)」は七代目小川治兵衛作の作品。「勅使の間」には、極彩色の「渓流に鶴」と「日輪山嶽図(にちりんさんがくず)が描かれ、豪華絢爛です。堂本印象が手がけた襖絵や、七代目小川治兵衛による優美な庭園「澄心苑」を間近で鑑賞でき、さらに、弘法大師空海が高野山に向かう際に通った国宝「蓮華門」の優美な姿も眺めることができるのです。

 

「観智院」の庭が見通せる雪見窓の部屋で塗香と写経を体験「観智院」は真言宗の大学の研究室のような場所です。本堂には重要文化財の五大虚空蔵五躯が安置され、知恵の仏さまとして崇められています。国宝の客殿は、江戸時代に再建され、上段の間では、宮本武蔵が描いた「鷲の図」や「竹林の図」を見ることができます。

前庭は、2017年に「長者の庭」という枯山水庭園に作り替えられました。水の流れを模した白砂の中に、隠岐島の赤松、杉苔、吉野石などを配し、真言密教の無限の宇宙観などを表現しています。

観智院では、庭が見通せる雪見窓の部屋で塗香と写経を体験。塗香で身体を清めたあと、静謐の中、自身と向き合い、仏教の教えを学ぶことができます。僧侶の解説を聞きながら巡り、東寺の歴史と文化を知るほかにも、薬師如来などを安置する本堂の金堂、教義や思想を描いた立体曼荼羅がある講堂、三十三間堂から移築された重要文化財の南大門など、普段は見ることのできない非公開の場を僧侶が歴史を交えながら解説。東寺の文化を深く知ることができます。

本堂の北側にある茶室「楓泉観」では、狩野派による襖絵や尾張の南画を代表する文人画家・中林竹洞が描いた「秋草図」などの襖絵を堪能。明治時代に山階宮晃親王が揮毫した額、「楓泉観」もみどころです。(見学の順路や襖絵は当日の状況により異なる可能性があります)通常は入ることのできない非公開の芸術品をこころゆくまで堪能できる貴重な機会をお見逃しなく!

 


世界遺産「東寺」非公開エリアと観智院を僧侶の案内で巡る特別拝観 −写経体験と限定御朱印付き

開催日:週1回(不定期・9:00~ or 14:00~ ※開催時間は日によって異なります)※催行開始は2025年4月5日(土)を予定で、予約受付中。

料金:8,000円(税込)

体験に要する時間:約120分~150分※写経では2種類(短めのものと、じっくり取り組むもの)から選択できます。じっくり取り組むものの場合は体験時間が約150分。

東寺 京都府京都市南区九条町1

・JR京都駅(八条口)より徒歩約15分
・近鉄東寺駅より徒歩約10分・阪急大宮駅より京都市営バス(8系統、71系統、207系統)に乗車、「東寺東門前」バス停で下車、徒歩約1分

URL:https://otonami.jp/experiences/toji-kyoto/

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