2026年、パリ、ノルマンディを巡り、没後100年のモネの芸術と描いた風景を味わう旅へ!

カテゴリー/ CULTURE,PARIS,VISIT |投稿者/ Gouret&Traveller
2025年12月31日

 2026年は、クロード・モネが1926125日にジヴェルニーで亡くなってから100年。ノルマンディーとパリ地方では、美術館や文化施設、モネゆかりの地や歴史的空間を舞台に、100以上のイベントが行われる「印象派をめぐる旅2026」が開催されます。

 

モネの作品は、パリ地方やノルマンディ地方の風景にインスピレーションを得たものが多く、モネの作品、生活の場、モデルとなった風景を周る旅のルートをご紹介します。

 

モネの描いた道を追体験できる場所とルート

パリ地方とノルマンディーには、モネが生涯を通じて描き続けた風景が今も変わらず残っています。パリの町、セーヌ川の水辺、ノルマンディーの海と空。実際に訪れ、眺めてみると、モネの作品の光や空気を感じることができ、モネの通った道を追体験できます。見学できる場所とルートは、以下の地図を参照してください。

 

 

モネの芸術の核心にあるのは、「移ろう一瞬」を見つめる姿勢です。「印象派を巡る旅」では、「2026年モネ流この一瞬を味わう方法5選をご紹介します。

 

1)作品を多数所蔵する美術館を巡る

⭐︎モネの作品を最も多く所蔵するパリの3美術館

 

マルモッタン・モネ美術館

 

1966年のモネ家からの遺贈により形成され、モネ作品の世界最大級のコレクションを所蔵その中には、印象派という運動の名の由来となった象徴的な作品 《印象 日の出》 も含まれています。

ジヴェルニーの庭園から着想を得た見事な 《睡蓮》 の連作のほか、 初期の作品や、ノルマンディー、 イタリア、オランダで描かれた数多くの風景画も含まれています。

 

オランジュリー美術館

壮大な 《睡蓮》 の連作が、モネ自身が考案した没入型の空間で展示されていま。絵の前に立つと、まるで絵画の中に入り込み、睡蓮の池が目の前に広がるような体験ができます。

 

 

 

オルセー美術館

 

世界最大の印象派コレクションを誇り、 モネの作品も数多く所蔵しています。 《ひなげし》 を始め、《草上の昼食》や《ルーアン大聖堂》 の連作の一部などが並んで展示されています。

 

⭐︎ノルマンディー地方のモネ所蔵美術館

 

ル・アーヴル

●アンドレ・マルロー近代美術館 (MuMa)

《フェカン、海辺》や《ヴァランジュヴィルの断崖》といった作品を展示しています。 これらの作品は、モネがその独特な光を捉えるために歩き回ったアルバートル海岸の風景を描いたものです。

 

ルーアン

●ルーアン美術館

パリ以外でフランス最大の印象派コレクションを所蔵しており、《ルーアン大聖堂、正面とアルバンヌ塔、 曇りの時間》など、モネの主要作品を展示しています。

 

ジヴェルニー

●ジヴェルニー印象派美術館

モネや印象派の遺産を、現代的な視点から捉え直す企画展を毎年開催しています。

 

ヴェルノン

●ブランシュ・オシェデモネ美術館

印象的な円形のキャンバス(トンド )に描かれた 《睡蓮》 を展示しているほか、義理の娘ブランシュの作品を鑑賞することができます。

 

オンフルール

ウジェーヌ・ブーダン美術館

印象派先駆者の重要人物であるブーダンに、室内ではなく外で絵を描く、”戸外制作”の手ほどきを受けたモネの初期の作品を紹介しています。

 

2) ネが暮らした家で画家の内面に触れる

モネの家を訪ね、今も残る私生活の空気感に触れる

 

パリ近郊からノルマンディーにかけて、モネは自らを取り巻く多様な風景やモチーフをキャンバスに描き出しました。現在、モネが人生の異なる時期に住んだ3つの家を見学することができます。

 

アルジャントゥイユ印象派の家

モネは、1871年家族とアルジャントゥイユに移住。ここでの創作活動は実り多く、8年間で250点以上の絵画を制作しています。 1874年から1878年まで暮らしたピンク色の家には、没入型の見学コースが備えられています。 当時の様子を再現するマルチメディア演出で、《アルジャントゥイユのレガッタ》などの作品が生き生きと蘇ります。

 

ヴェトゥイユの邸宅

モネがジヴェルニーに移る前の 1878年から1881年まで住んでいた家。近年、一般公開され、画家の生活をシンプルかつ情感豊かに伝えています。 経済的に厳しく妻を亡くした場所でしたが、当時のまま残っている周りの風景は、 モネにとって尽きることのないインスピレーションの源となり、100点以上の作品が生み出されました。

 

ジヴェルニーの家

 

最も有名なのは、モネが1883年から40年以上暮らしたこのジヴェルニーにある家です。室内は忠実に再現され、今でも生活の気配が漂います。キッチン、寝室、 ダイニングルーム、サロン兼アトリエなど、モネが生きていた時代の生活に実際に触れるような感覚を味わうことができます。。モネが生涯をかけて造り上げたジヴェルニーの庭は、それ自体がひとつの芸術作品となっており、 モネが計画したとおり季節ごとに庭は手入れされ、当時の姿が維持されています。 晩年の作品のモチーフとなった「太鼓橋」や「睡蓮の池」 は、現在もなお、変わらぬ魅力を放っています。

 

3) 作品に描かれた原風景に身を置く

画家にインスピレーションを与えた風景を巡る

パリ地方とノルマンディー地方には、今なお印象派の巨匠によって描かれた風景が変わらぬ姿で残っています。モネの足跡をたどることは、絵画の風景を実際に目にし、制作から1世紀以上経った今でも、画家が描いた世界を体感することができます。

たとえばマルリーの森、 《草上の昼食》 の舞台であるフォンテーヌブローの森のように、パリ近郊の制作場所は多くが当時のまま保存されています。パリからも近いのでぜひ足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

モネとルノワールが並んで同じ主題を描いた場所

クロワシー・シュル・セーヌにあるラグルヌイエールは、19世紀にパリジャンに愛されたかつてのガンゲット(パリ郊外の大衆的なキャバレーおよびダンスホール)で、印象派初期の二つの重要な作品にインスピレーションを与えました。モネが描いた川沿いの風景を巡る旅は、ブージヴァル ルヴシエンヌ、シャトゥー、ルイユ・マルメゾン、ジャット島へと続きます。ヴェトゥイユに立つと、モネが対岸のラヴァクールをどのように眺めたかの視点が理解できるのではないでしょうか。ラ・ロッシュ・ギュイヨンやヴェルノンまでをモネは描いています。

ジヴェルニー周辺では、 《積み薬》や 《ポプラ並木》 の連作に見られる牧歌的な雰囲気が、かつてと同じ色彩と光の移ろいとともに、今も目の前に広がります。

アルバートル海岸でエトルタを見ると、モネが荘厳な断崖を前にした時の感動を追体験できます。 断崖の作品は60点近く描かれています。 モネは、トルーヴィルの海岸やフェカンの近く、ディエップ近郊に惹きつけられ、《ブールヴィルの断崖の散歩》 などを描いています。

戸外制作の画家としてのモネは、牧歌的な風景だけを対象にしたわけではありません。 都市や歴史の重みを感じる建造物、都会の喧騒も好んだ題材でした。

ルーアンでは、モネが大聖堂広場でゴシック建築を前にして圧倒され、連作として描いた荘厳な空気をを感じ取ることができます。

 

 

また、モネの好んだ早朝のルアーヴル港は、《印象日の出》にインスピレーションを与えました。

パリの大通りやサン・ラザール駅を描いた作品の中では、19世紀末のパリの活気を再現しています。

これらの場所を訪れると、パリの躍動と空気感を今なお感じることができるでしょう。

 

4) 絵画教室への参加やモネが好んだ料理を楽しみ、モネの視点に立った体験をする

モネの足跡をたどり、追体験をしてみる

訪れる人々がモネと一体となってその気分に浸れるような、多様な体験プログラムが用意されています。

 

 

まずは、エトルタからほど近い、目がくらむような断崖で、アーティストのソフィー・ジュステが 「アルバートル海岸でモネのように描く」体験。 オンフルールにある19世紀末に印象派の画家たちが足しげく通ったホテルレストラン、フェルム・サン・シメオンでは、モチーフを題材にした絵画入門教室を開催。

 

 

また、モネは、絵画にとどまらず美食家としても知られており、2026年は、シェフ、生産者、レストラン経営者を招き、草上の昼食の楽しみやモネが残したレシピを現代風に再現する試みが行われます。モネ体験のしめくくりに、船上から川と風景を眺めてみましょう。パリ地方では、セーヌ河の岸辺にあるシャトゥー、クロワッシー・シュル・セーヌ、リュエイユ・マルメゾンから出航するクルーズが数多くあり、船旅を楽しみながら、画家に大きなインスピレーションを与えた景色を堪能することができます。

 

5) トレッキングやサイクリングなどで移動そのものを楽しむ

自転車やトレッキングでモネとその遺産を深く知る

印象派の画家たちが19世紀にパリ地方やノルマンディーを旅することができたのは、鉄道のおかげでした。 今日でも、 当時と同じ区間で毎日多くの列車が運行されており、パリ (サン・ラザール駅) ルーアン、ルアーヴル、ヴェルノン、ジヴェルニーなど、 モネゆかりの地を結んでいます。 パリ地方の鉄道網を利用すれば、シャトゥーをはじめとした、 モネが頻繁に行っていたパリ西側の多くの町を訪れることができます。

また、自転車や徒歩で周るのはいかがでしょうか。景色はゆっくりと流れていき、印象派の画家たちが大切にしてきた戸外制作を彷彿とさせる風景を満喫できます。 美術館、 モネが描いた生活の場や風景は、リとセーヌ河口を結ぶ 「ラ・セーヌ・ア・ヴェロ」 をはじめとする数多くのサイクリングロードを通じて今でも訪れることができます。

このルートでは、モネや印象派の画家たちが描いた数々の名所を巡ります。 シャトゥーのフルネーズ集落、 ヴェトゥイユやジヴェルニーの村、 ルーアンとその大聖堂、 ル・アーヴル周辺の海岸、 そして旅の締めくくりとなるオンフルール港まで続いています。

最後に、ハイキングや散策もモネの足跡をたどる格好の手段となります。 パリ地方にある 「印象派の道」は、ラ・グルヌイエールからブージヴァル、 ルヴシエンヌに至るまで、 モネが戸外制作を行った場所へと誘います。

ハイカー向けには2023年に開通した長距離ハイキングコース(GR) 「印象派のセーヌ河」があります。 このコースは、シャトゥーからジヴェルニーまでの128km8つのステージで結び、 道中ではヴェトゥイユの教会など、モネにインスピレーションを与えた風景に次々と出会えます。

また、 ノルマンディー地方では、2020年に 「フランス人が好きなハイキングコース」に選ばれた GR®21 が、 印象派の巨匠が好んで描いたアルバートル海岸の浜辺や断崖絶壁を横断しています。

バラエティに富んだプログラムが組まれているモネ没後100周年祭。2006年は、モネや印象派の足跡をたずねてみませんか。

 

text Miki Yamashita  photos atout France

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