モネ、ルノワール、セザンヌらフランスで活躍した画家28名の作品が会する「ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス」
2021年09月18日
「ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス」Bunkamura ザ・ミュージアムにて開催。
レースの帽子の少女 ピエール・オーギュスト・ルノワール 1891年 油彩/カンヴァス
箱根の森のなかに佇むポーラ美術館のコレクションには西洋、日本の絵画、彫刻、ガラス工芸など約1万点もの先品が収蔵されている。なかでもとくに人気の高い約4000点のフランス近代絵画のコレクションのなかから、フランスで活躍した作家28名による絵画を厳選した74点、化粧道具コレクション12件が東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムに会する。
展覧会は3つのキーワードのテーマに分かれる。時代を映すファッショナブルな「女性像」、近代化によって大きく変貌する「パリ」、画家たちが旅先で出会った風景や、南仏など重要な制作地を巡る「旅」。
フランスを舞台に活躍した画家たちが、時代や技法を超えて愛され続ける理由を探る。
印象派からエコール・ド・パリの時代の絵画に、 アール・ヌーヴォーとアール・デコの工ら芸品を加え、洗練されたフランスの生活や日常、さまざまな地方の風光明媚な土地を表す作品群。
主な出品作家は、クロード・モネ、ピエール・オーギュスト・ルノワール、カミーユ・ピサロ、アルフレッド・シスレー、ポール・セザンヌ、ポール・ゴーギャン、フィンセント・ファン・ゴッホ、ピエール・ボナール、アンリ・マティス、ラウル・デュフィ、パブロ・ピカソ、ジョルジュ・ブラック、モーリス・ユトリロ、アメデオ・モディリアーニ、マリー・ローランサン、キース・ヴァン・ドンゲン、キスリング、マルク・シャガールなど。
睡蓮 クロード・モネ 1907年 油彩/カンヴァス
国家を讃えるときの慣用句「甘美なるフランス」は、11世紀後半から使われ始めたといわれる。19世紀後半、印象派の画家たちはフランスの日常や娯楽を題材にしながらそれぞれの「甘美なるフランス」を探して絵筆を進めていた。
ルネ アメデオ・モディリアーニ 1917年 油彩/カンヴァス
パリの知事だったオスマンのパリ大改造によりパリの町は現在の町の風景の近代都市に生まれ変わる。それとともに人々のライフスタイルは激変。女性たちのファッションもめまぐるしく変化する。ルノワールの華やかな帽子をかぶった少女像からトップスとスカート姿のキリッとしたマティスの女性、マリー・ローランサンのしなやかなローブ姿のマダムたちまで、その時代の美意識がファッションから伝わってくる。
シャップ通り モーリス・ユトリロ 1910年頃 油彩/厚紙
画家たちを惹きつけたのは、美しく変わりゆくパリの町の風景。サクレクール寺院を描いたユトリロ、エッフェル塔をはじめパリのモニュメントを散りばめたデュフィ、当時の最新建築サン=ラザール駅を描いたモネ、それぞれのパリの美を見つけては描き続けた。オスマン以降のパリは今の姿とほぼ変わらない。画家たちが見つけたパリのモチーフが映し出される、パリ好きにはたまらない作品が並ぶ。
プロヴァンスの風景 ポール・セザンヌ 1879-1882年 油彩/カンヴァス
印象派の画家たちは鉄道の発達にともないパリから北へ南へと向かう。ジヴェルニーで水辺の風景を描いたモネ、アルルに陽光を見出したゴッホ、故郷エクス=アン・プロヴァンスにアトリエを置いたセザンヌ。フランスにしかないそれぞれの地域の個性を魅力的に引き出した。
ポーラ美術館が所蔵する近代美術のコレクションならではのフランスのエスプリをまるで個人宅で見ているようなしつらいのなか存分に堪能できる展覧会だ。
[概要]
ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス
会期:2021年9月18日~11月23日
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura B1F
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00〜18:00(金土〜21:00) ※いずれも最終入館は閉館30分前まで ※今後の状況により、変更する可能性あり。公式ホームページを参照のこと https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/21_pola.html
text Miki Yamashita
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