「Mētis(メティス)六本木」薪焼きをテーマに和の食材を駆使したイノベーティブ・フレンチ

カテゴリー/ GOURMET |投稿者/ Gouret&Traveller
2025年01月06日
 
黒を基調とした店内にカウンター8席。和の意匠を施した店内の中央には竈(かまど)が据えられ、目の前に燃える火が仄暗い店内に迫力の明かりを灯す。
 
 
 
ゲストの間近で薪の炎の調節に集中するのは、鈴木正嗣シェフ。スペシャリテである「和牛クリミの薪焼き」の火入れに最新の注意を払う。希少部位のクリミは、A5黒毛和牛、BMS(霜降り度合い)12の最高ランク。熾火で食感にアクセントを効かせ、仕上げに肉のジュのソースを合わせる。シンプルに焼いた野菜と焦がし玉ねぎのピューレを添え、肉の旨味を際立たさせる。 
 
 

試行錯誤する中、選んだメインディッシュは、前脚上部あたりで運動量が多い部位のクリミ。タンパク質が多くその分旨味が強い。きめ細やかな赤身にほどよく脂身が含まれ、噛むほどに肉本来のジューシーな旨味があふれる。

 
そんな鈴木シェフのコンセプトは、「和魂洋才」。薪焼きをメインに和の食材を使ったイノベーティブな和フレンチを生み出す。
 
 
 
クラシックなフランス料理をパリで学んできた鈴木シェフが、日本のフランス料理界で長い間探してきた自分だけのプラスアルファは何か。それが薪火焼きだった。     

このスタイルにたどり着いたのは、前職「グローバルダイニング」の役員をしていた時に、薪焼きの店を成功させたことからだ。独立するなら薪火をフィーチャーした店を、と兼ねてから狙いを定めていた。薪火での火入れは、独学で習得。焦げ目ギリギリのクリスピーな皮目、中は噛むほどにジューシー。そんな火入れを理想としてきた。

 
 
 
上下に動かせる昇降式の機能を持つ竈は特注。初めはは上方で焼き、熾火で締める。薪は、いろいろ試した末、密度も香りもベストである桜を使う。
 
 

伝統を生かしながら新たなフィロソフィーで組み立てる

 
 
 

高校1年生の時に浅草の鉄板焼きの名店で始めたアルバイトが思いのほか楽しく、そのまま就職して料理人の道を歩み始めた鈴木シェフ。ジャンルは決めていなかったが、赤ワインの煮込みを作った時のおいしさで、フランス料理に目覚めた。

 
パッセする中できれいなソースを生み出せる。その工程が好きで自分なりに極めていったが、そんな折、縁があってパリの一つ星「ステラマリス」の吉野建シェフのもとで修業をスタート。クラシックの基礎を学ぶ。
 
 
 
その後、「ジェラール・ベッソン」で研鑽を積み、クリエィティブなフランス料理も学びたいと、 「ラペルーズ」で研修。パリの「TOYO」立ち上げにもかかわり、帰国後は、「Keisuke Matsushima」のシェフとして活躍。イタリアンや創作和食などのレストランを手掛けるグローバルダイニングに入社し、薪焼きレストラン「LIGNIS」を成功させる、という王道を進んできた。

そんな中、現在のオーナーと出会い、「自分の料理がやりたい」とコンセプトからすべてを自ら創り出し、「メティス」をオープンした。

ブランディング的にもフックとなるのが薪火。魚はキンキなどを炭で焼いたり、野菜を藁で蒸したり、薫香をキーワードに、オリジナルのエレメントを足していく。
リードヴォーなども使いながら、和の食材は必ず織り交ぜる。アミューズに登場するのは饅頭。層構造になったフォアグラに鰻をトッピングするなど意欲的な取り組みが光る。伝統を生かしながら新たなフィロソフィーで組み立てるフランス料理。ビストロのオープンも控えて、さらなる新機軸を探っていく。

 
 
 
 

Mētis(メティス)六本木

住所 東京都港区六本木5-18-22 FORCEビル 1F

電話番号 03-5544-9778

 https://metis-roppongi.jp/

営業時間  17:30~23:30 (LO:20:30)

定休日   日曜日、祝日

 
 
 
 

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