世界を熱狂の渦に巻き込んだミュージカル『SIX』来日版開幕!
2025年01月09日
Photo by Pamela Raith
幕開き前から歓声が上がる劇場には熱気があふれる。テューダー朝時代の衣装をロックにアレンジした6人の王妃が並び、舞台照明も煌びやかな中、スタートからエンジン全開。アップテンポの歌と迫力あるダンスに圧倒され、自らの不幸な運命を歌い倒すそれぞれの王妃の悲惨なストーリーに引き込まれる80分のノンストップライブパフォーマンス。息をもつかせない疾走感ある舞台に魅せられた。
Photo by Pamela Raith
『SIX』は暴君として知られる英国のヘンリー8世の元王妃たち6人が主人公。王に虐げられた彼女らが現代に蘇り、ガールズバンドを結成し、「誰がいちばん悲惨な目にあったのか?」を競う。離婚、打首、死亡、死別と6人がたどった運命のキーワードをテーマに歌い倒す。
Photo by Pamela Raith
本作は、2017年にケンブリッジ大の学生が制作、2020年にはブロードウェーでも上演され、世界中で大ヒットしている注目のミュージカル。2019年、オリヴィエ賞5部門ノミネート、2022年トニー賞では、ミュージカル衣裳デザイン賞、オリジナル楽曲賞受賞で話題をさらった。
6名の王妃役それぞれに現代のポップスターのイメージが当てはめられており、たとえば、1人目の王妃キャサリンオブアラゴンは、ビヨンセ、ジェニファー・ロペス、5人目のキャサリンハワードは、アリアナ・グランデやブリトニー・スピアーズなど、歴史を知らない観客にも馴染みやすい役作りがなされている。
1月8日から26日までは英国キャストの来日版を、31日から2月21日までは日本キャスト版(全役Wキャスト)を上演する。
初日終演後には来日キャスト版、日本人キャスト版に出演する24人がそろい本作をアピールした。
来日版を観劇したばかりのソニンは、「完成形を見た瞬間、頭から涙がとまらなくなった」とステージを観た感激を熱く語った。
本作の稽古は、「ブートキャンプ」という体力強化から始まり、イギリスの歴史のレクチャーを受けてそれぞれの役を深掘りしたという。
稽古に臨んでいるキャストのひとり、田村芽実は「己の限界まで追い込み、命懸けで日々取り組んでいる」と意欲をみせた。
SIX
東京公演 EXシアター六本木 2025年1月31日~2月21日
日本キャスト版
愛知・御園座 2月28日〜3月2日
大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ 3月7〜16日
Miki Yamashita