「ル・コルビュジエ―諸芸術の綜合 1930-1965」パナソニック汐留美術館にて開催

カテゴリー/ CULTURE |投稿者/ Gouret&Traveller
2025年01月12日

ル・コルビュジエ(18871965)の後期の絵画芸術を集めた展覧会「ル・コルビュジエ―諸芸術の綜合 1930-1965」が、東京・汐留のパナソニック汐留美術館で開幕した。

 

 

建築家ル・コルビュジエ(18871965)における後期の絵画芸術に注目する初の展覧会となる。

キュレーターは、ロバート・ヴォイチュツケ(ゲスト・キュレーター、美術史家)、大村理恵子(パナソニック汐留美術館 主任学芸員)。

ル・コルビュジエは近代建築の巨匠として世界的に知られる。日本においては国立西洋美術館の基本設計を手がけたが、建築以外にも絵画や彫刻の分野においても才能が認められている。

故郷のスイス、ラ・ショー=ド=フォンの美術学校時代から、画家のアメデ・オザンファンと創始した「ピュリスム」運動のもと10年ほどは絵画にも専念している。1930年以降、午前中は絵画、午後は建築の仕事をしており、活動後半期は、「諸芸術の綜合」という名のもと、建築と絵画や彫刻をつなぐ役割を模索した。

本展は、その活動を始めた1930年代以降にル・コルビュジエが手がけた絵画、彫刻、素描、タペストリーなどを集め初公開する。

 

 

ゲスト・キュレイターとして、ドイツの美術史家ロバート・ヴォイチュツケが参加。コルビュジェの円熟期ならではの表現、そしてハンス・アルプ、フェルナン・レジェ、ワシリー・カンデンスキーといった同時代作家とのつながりについても紹介する。

展覧会は4章構成で、国内外から借用した作品約90点(絵画、彫刻、素描、タペストリー、図面、模型、ルシアン・エルヴェの写真作品)のほか、写真資料を出品。

建築では、ロンシャンの礼拝堂、無限成長博物館構想、チャンディガールの都市計画、1958年ブリュッセル万国博覧会フィリップス館を紹介している。

今回デザインは建築コレクティブ「ウルトラスタジオ」が担当。ル・コルビュジエの内装に着目して、「インテリア」「コーディネイト」「トランジション」をキーワードに、居住空間のなかに置かれた諸芸術の綜合をイメージして会場を構成している。

 

 

1章「浜辺の建築家」では、海岸で見つけた貝殻や流木などに見られる「詩的反応を喚起するオブジェ」をインスピレーション源としたスケッチや絵画、そしてアルプによる彫刻やレジェの油彩画もあわせて展示。建築が日常の周辺に存在する家具や日用品などともリンクした「詩的環境」を表現した。

 

 

2章では、「遊動する壁画」。タペストリーや世界文化遺産でもあるフランスの「ロンシャンの礼拝堂」、コルビュジエの建築をもとに制作された彫刻作品などを見ることができる。

 

3章「近代のミッション」では、コルビュジエとカンディンスキーの絵画を比較することで、抽象表現の類似性を見てとることができる。

 

 

ル・コルビュジエは、世界的建築家として、建築作品が注目されてきたが、絵画や彫刻作品など領域を超えた作品群を見ることで、彼の建築作品についても、新たな視点を得る事できる貴重な機会になるだろう。

 


「ル・コルビュジエ―諸芸術の綜合 1930-1965

会期:2025111日~323
会場:パナソニック汐留美術館
住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4F
開館時間:10:0018:0027日、37日、14日、21日、22日〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで 
休館日:水(ただし319日は開館) 
料金:一般1200 / 65歳以上 1100 / 大学生・高校生 700 / 中学生以下無料
土日祝は日時指定予約(平日は予約不要)。当日空きがあれば入館可能。混雑状況により入館方法が変更になる場合がある。

本展は、ル・コルビュジエ財団の協力のもと開催されています

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