「Girl/ガール」
バレリーナを夢見るトランスジェンダーの少女がたどり着く先は?

カテゴリー/ PARIS |投稿者/ Gouret&Traveller
2019年06月28日

「Girl/ガール」

2019年7月5日(金) 新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマほか全国ロードショー

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「Girl/ガール」とは、やるせないタイトルだ。主人公ララは、男性のからだをもつ「少女」。バレリーナを目指している。
フランスが母国語の父と弟とともに、ダンス学校へ通うためフラマン語圏の町に越してくる。性別適合手術を予定しておりホルモン補充療法を受けているララ。理解ある父親マティアスは、ララに「おまえが女の子だということはわかっているよ」と優しく語りかけるが、なかなか変わってくれない自分の体を見ては傷つく。それでも強い意志と才能、そして血がにじむような努力でバレリーナとしての道を進んでいく。ジェンダーとは関係なくブレない姿勢で夢をかなえようとする姿には心を打たれる。

 

 

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治療が遅々として進まないなか、股間をテープで覆い隠してバレエの練習に励んでいた。そんなララはクラスメートのイジメにもあう。さらにテーピングのため炎症を起こし、医師から手術の延期を宣告される。心身ともに追い詰められたララは、ついに衝撃的なあることを決行する。そのイノセントな行為に胸が痛む。

 

 

 

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本作の着想となったのは、ベルギー出身のトランス女性ダンサーであり、本作の製作過程にも関わったノラ・モンスクールである。ルーカス・ドン監督は映画学校に入ったときに新聞で読んだノラの告白に共感をもち、彼女に会いに行った。お互い10代だった。いつか映画にしたいという思いが実り、出会いから8年後にこの映画が実現したのだ。

ドン監督は、本作が長編デビュー作ながら、カンヌ国際映画祭でカメラドール(新人監督賞)含む3冠を受賞。アカデミー賞外国語映画部門のベルギー代表にも選ばれている。今、世界が注目する気鋭の新人監督だ。評論家からは、“ニュー・ドラン=第2のグザヴィエ・ドラン”とも評される。

 

 

 

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主演を務めたビクトール・ポルスターは、ベルギーのアントワープ・ロイヤル・バレエ・スクールに通う現役のダンサー。500人を超える候補者の中から選ばれた逸材だ。初の映画出演、しかも彼自身はシスジェンダー(身体的性別と、自分の認知する性が一致していること)であるにもかかわらず、トランスジェンダーの繊細さや思春期の心の揺れを瑞々しく表現。彼なくしてはこの映画はとれなかったのではないか。ポルスターはカンヌ国際映画祭「ある視点」部門で最優秀俳優賞を受賞した。

普段は男性パートを踊るポルスターは、トウシューズで踊ったことがなかったものの、3か月という短期の撮影期間で女性としてのバレエシーンを撮り終えた。コンテンポラリーダンス界の旗手である振付師のシディ・ラルビ・シェルカウイの振り付けを卓越した表現力により、圧倒的なパフォーマンスを見せている。

映像ははかなく美しく、テーマは果てしなく重い。

 

 

 

 

 

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「Girl/ガール」

監督・脚本:ルーカス・ドン

出演:ビクトール・ポルスター、アリエ・ワルトアルテ

振付師:シディ・ラルビ・シェルカウイ


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