サンカラホテル&スパで屋久島の魅力を満喫する優雅な旅vol.2
2020年03月21日
サンカラホテル&スパで屋久島の魅力を満喫する優雅な旅vol.1
6時35分、雲の間から太陽の光が差してきた。インフィニティプールから顔を出す朝日の美しさは格別、とのことで、日の出の時間を調べてもらって、プールサイドで朝の太陽が顔を出すのを待つことにしていた。雨の予報だったが、水平線からは迫力ある太陽が浮かび上がった。
朝日を浴びたらレストラン「アヤナ」へ。おいしさでは定評のあるサンカラホテル&スパの朝食。特筆すべきはベーカリーだ。選び放題のパンは、現在はコロナ対策のため、ひとつひとつビニール袋に包まれているが、アイディアを凝らした約10種類。なかでも抹茶の黒豆チーズクリーム、シナモンブリオッシュ、エッグタルトがお気に入り。もし購入できればお土産にしたいほど。この日は白谷雲水峡 (しらたにうんすいきょう)にて体力を使うトレッキング、たっぷり食べて鋭気を養う。
再びホテルの大木信介さんのガイドにより、白谷雲水峡へ。この日も天気は上々ながら、屋久島は「1ヶ月に35日雨が降る」とまで言われるほどの雨量を誇る。トレッキングの際に必要なレインウェアと前日に予約しておいたおにぎり弁当をリュックに詰めて8時に出発。「苔むす森」と「太鼓岩(たいこいわ)」はスタジオジブリの作品『もののけ姫』の舞台、幻想の空間を思い浮かべながら向かう。
白谷雲水峡は、宮之浦川の支流、白谷川の上流にある面積423.73ヘクタールの自然休養林。本格的な登山は難しいという人にも挑戦しやすい。散策に必要な時間は3時間から長くても5時間ほどだ。
準備体操をして森のなかに入ると、まず、清流の中にどしっと存在する「憩いの大岩」が迎えてくれる。そして、落差16m以上の「飛流おとし」を左に眺めながら進んでいく。吊橋「さつき橋」の眼下では、澄みきった流れが清涼感たっぷり。季節にはその名の通りさつきが満開になるという。「ヤクスギランド」とはまた違った形状の「くぐり杉」や樹齢3000年という異彩を放つ七本杉に遭遇。
亜熱帯の植物があるかと思えば、すぐそばにはナナカマドなど北方系のものが自生する不思議な光景を目にする。どこの国にいるのかわからなくなる、自然の不思議ワールドに迷い込んだ。トレッキングコースのあちこちには川が流れており、屋久島の柔らかい自然水を味わうこともできる。途中、大木さんが、苔や植物の名前を教えてくれる。苔の上に生えているのは杉の子供(写真上)だという。これが何千年もかけて巨木に成長するのだ。
渓谷最大の見どころは、なんといっても「苔むす森」。屋久島らしいさまざまな形状の大樹が点在する森中に張り巡らされた緑の苔の絨毯。これこそ屋久島の森をめぐる醍醐味だ。美しい水が流れ、湿度が高い渓谷ならではの苔の世界をゆっくり歩く。そして、苔むすシュールな風景のなかで、おにぎり弁当を広げる。大木さんのリュックにはお味噌汁も入っていた。
ここから先は、少し厳しい道のり、先に進むかどうか、ガイドの大木さんから尋ねられる。たどり着く場所は、標高1050メートルの太鼓岩(たいこいわ)。宮之浦岳をはじめとする奥岳が見渡せ、眼下には小杉谷周辺の安房川を望めるそうだ。見るべき絶景、と背中を押されてさらに歩くことを決行。
「辻峠」からは、険しさが増し、足元ふらつきながら、休み休み登りなんとか頂上へ。「太鼓岩」は空中に飛び出した自然の展望台。360度、山々や森が眼前に広がる迫力満点のパノラマだ。またしても天気に恵まれて、最上の眺めを堪能。こんなに視界が良いことは珍しいらしい。
下りはまた新たな試練。ガイドの大木さんの助けを借りながら、なんとか下山。これでは、さらに険しいといわれる縄文杉までの10時間までの道のりは、なかなか難しそう。
ホテルにもどると、まさにそこはパラダイス。さっそく疲れを癒すため、予約しておいたスパ「サナ(sana)」の施術を受ける。
アーユルヴェーダをベースに、屋久島の自然のエネルギーをエッセンスとして加えた多彩なメニューがそろっている。タイ式トリートメントやシロダーラも受けられるほか、屋久島ホットストーンボディなど興味深いセッションもある。次回受けてみたいのは、屋久島タラソセラピー。全身のタラソセラピーからフェイシャルまで心身ともにデトックス&リセットされる贅沢なプログラムだ。
室内は海のイメージを品良く取り入れたシックなデザイン。落ち着いた空間で、身体の芯からリラックスできる。疲れ果てた足メインのコースを担当してくれた厚地悠さんは、横浜から屋久島にやって来たゴッドハンド。フットバスから始まり、コンディションに合わせたフェイシャルとともに身体も心も和らぐ至福の時間を過ごしたあとは、次なるお愉しみ、ディナーへ向かう。
スパの向かいにあるのは、ガストロノミックフレンチのオーカス(okas)。光を落とした店内の大きなオープンキッチンでは、林謙次シェフが手際よく料理を作っている。ライブ感あふれるカウンターで、本日のディナーが始まる。
ソムリエの荒木航さんにサンカラホテル&スパ10周年記念シャンパン、クリュッグを勧められ、グラスでオーダー。10周年記念のマークがついたボトルが華々しい。
料理のコース名は、「極上の喜び」。亀の手、飛魚、キビナゴ、チビキになかやま黒牛、デザートには日向夏やタンカンといった鹿児島や屋久島の地の珍しい食材たちを華やかなフレンチに開花させる。チーズは食べ頃のポンレヴェックとヴァランセ。赤ワインはマルサネ。ワインやチーズも充実している。サンスクリット語で「満足」の意味をもつこの店の真髄をじっくり味わった。
激しく雨が大きな窓を打ちたたいている。ときには、いなびかりにかみなりの音。この天気は明日の天気だったはず。翌日は島巡り、滝やガジュマル、世界遺産の森を歩く予定なのだが。このまま明日は屋久島の豪雨の洗礼を受けるのだろうか?
textp&photos Miki Yamashita
sankara hotel&spa 屋久島
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