レディ・ガガ主演、リドリー・スコット監督によるラグジュアリー・サスペンス『ハウス・オブ・グッチ』
2022年01月03日
『ハウス・オブ・グッチ』
2022年1月14日(金)全国公開
2022年の年明け早々、話題沸騰の映画が公開される。世界的ファッションブランド、グッチ(GUCCI)を創業した“グッチ一族の”崩壊を描いた映画『ハウス・オブ・グッチ』である。
グッチ一族の歴史を記したサラ・ゲイ・フォーデン作『ハウス・オブ・グッチ 上・下』をベースに、ロベルト・ベンティベーニャが脚本を担当する。
主演レディー・ガガ、監督リドリー・スコットというだけでも見逃せない作品に違いないが、夫マウリツィオ・グッチを「マリッジ・ストーリー」のアダム・ドライバーが演じ、アル・パチーノ、ジェレミー・アイアンズ、ジャレッド・レトが共演する豪華キャストに期待も高まる。
『アリー/スター誕生』で歌唱力はもちろん、演技でも高い評価を得たレディー・ガガ。マウリツィオ・グッチの妻であり、暗殺事件の黒幕といわれるパトリツィア・レッジアーニを演じる。ジャーナリスティックなアプローチでパトリツィア像を掘り下げていったというレディー・ガガは、資料の少ない若かりし日を豊かなイマジネーションで作り上げ、権力の座に登りつめるまでの変貌をイタリア語なまりの英語を習得してパトリツィアになり切った。迫真の演技、コスチュームの着こなし、宝石の身の纏い方で、独自の世界観を構築しつつスクリーンを自由に操るみごとな手腕に魅せられ、息をもつかせない。卓越した表現力が数々の映画祭から評価を得ており、第79回ゴールデングローブ賞<映画・ドラマ部門>主演女優賞にノミネートされているほか多くの賞を総ナメにしそうな勢いだ。
ファッション界の華やかなりし時代を忠実に再現させ、グッチの世界観をすみずみまで細かいビジュアルでスクリーン上に創り込むリドリー・スコット監督。グッチ家の豪奢なインテリアをはじめ、ニューヨークのカルチャーシーンを牽引したスタジオ54の再現、アルプスでのセレブたちのバカンス風景など、お得意の映像美にも引き込まれる。
劇中では、「グッチ」はもちろん、「イヴ・サンローラン」「ブルガリ」「ブシュロン」などのブランドをふんだんに散りばめた70スタイルにも及ぶパトリツィアの華麗なファッションも見どころ。若かりし日の純真なパトリツィアから権力を握るプロセスへの心境とともに変わっていく着こなしも注目だ。ファッショニスタとしても名を馳せるレディ・ガガが私物を作品内で使用することもあったという、ガガこだわりのコーディネートが随所に登場する。
1921年に創業者のグッチオ・グッチがフィレンツェにレザーグッズ専門のファクトリーとショップをオープンしたことから始まるグッチの歴史。2015年からは、アレッサンドロ・ミケーレがクリエイティブ・ディレクターに就任し、今も世界中にファンを持つ誰もが知るブランドである。
創設者 グッチオ・グッチの孫、マウリツィオ・グッチがブランドのトップの座に就いた1995年、ミラノの街で銃弾に倒れた。犯行を指示した驚きの黒幕とは?
今回リドリー・スコット監督が描くのは華やかなファッションブランドの歴史ではなく、その舞台裏で繰り広げられていたグッチ一族の骨肉の争いである。ブランドや株、経営権をめぐるサスペンス仕立ての泥沼争いが、ジェットコースターのような勢いで展開する。
夢の豪華キャスト、ドラマチックなストーリーとエンターテイメント性、家族や愛と裏切りなど普遍性のあるテーマ、凝りに凝ったビジュアル、華麗なファッション…。スクリーンを通して体験できる映画の醍醐味すべてを詰め込んだ、見逃してはならない傑作である。
映画『ハウス・オブ・グッチ』
公開日:2022年1月14日(金)
監督:リドリー・スコット
脚本:ベッキー・ジョンストン、ロベルト・ベンティベーニャ
原作:サラ・ゲイ・フォーデン『ハウス・オブ・グッチ 上・下』(実川元子訳、ハヤカワ文庫、2021年12月刊行予定)
製作:リドリー・スコット、ジャンニーナ・スコット、ケヴィン・J・ウォルシュ、マーク・ハッファム
出演:レディー・ガガ、アダム・ドライバー、アル・パチーノ、ジャレッド・レト、ジェレミー・アイアンズ、サルマ・ハエック
原題:HOUSE OF GUCCI
配給:東宝東和
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text Miki Yamashita