知られざる「森の京都」vol.2 明智光秀の城下町、福知山でスイーツ三昧
2022年12月28日
知られざる「森の京都」を訪ねる旅、2回目は、福知山を探訪します。綾部からJR山陰本線で約12分、京都市からは、JRで1時間20分、魅力的なスイーツを発信する城下町です。
綾部から福知山に向い宿泊したのは、市内を一望できる丘の上に立つ「ホテルロイヤルヒル福知山&スパ」。天然温泉で疲労も回復。檜露天風呂をはじめ独立型サウナ、水風呂などを楽しみ、心身ともにリセットできました。
朝食は、「夜久野蕎麦」をいただきました。
香り高いこの蕎麦は、50年ほど前からブランド蕎麦として人気でしたが、近年、生産量が減り、一般では入手困難となっていたそうです。
「やくの農業振興団」の蕎麦はすべて福知山・夜久野産。こだわりをもって製粉し、きめ細やかなそば粉に仕上げて製麺され、香り高くのどごしのよさが特徴。福知山ならではの美味しい朝食で、旅のスタートです。
*やくの農業振興団
福知山市夜久野町小倉110-1
☎️ 0773-38-1377
*ホテルロイヤルヒル福知山&スパ
福知山市字土師小字澤居山176
☎️ 0773-27-5000
福知山で愛される明智光秀の歴史探訪とスイーツ三昧
福知山は、明智光秀が築いた城下町。戦国時代、明智光秀が丹波を平定する際の逸話が数多く残っています。一般的には謀反人のイメージがある光秀ですが、地元では善政を敷いた良君。町のあちらこちらに光秀の功績を見ることができます。
たとえば、福知山城から徒歩5分ほどの「明智藪」は、暴れ川であった由良川の治水工事を行った際の防水林。福知山で愛される明智光秀の足跡を辿ってみると、教科書にはない歴史を発見することができるかもしれません。
また、福知山はスイーツの町。和洋のお菓子屋さんが約50軒もあり、町をあげて個性的なスイーツを発信しています。丹波栗をはじめ、地元素材をふんだんに使ったこの地でしか味わえない極上のお菓子たち。わざわざ訪れる価値のある絶品スイーツを探しながらの散策はひときわ楽しい旅となりそうです。
福知山城
明智光秀が改築、将棋竜王戦開催で藤井聡太さん熱戦の跡を見る
ガイドさんに案内された福知山城は、1579年頃、明智光秀が信長の命を受けて山城を近世城郭に改築。丹波を平定した際、西国攻略に向けた最前線の砦とするためでした。三層四階の天守閣は1986年に再建されています。瓦1枚を寄付する市民運動などの熱意によって復元されました。宝篋印塔や五輪塔などの、転用石が使われた貴重な石垣が残っています。内部には明智光秀に関する資料や福知山地方の歴史・文化財が保存され、望楼からの城下の眺めも抜群です。
訪れた日は、第35期竜王戦第4局福知山城対局が行われたばかり。藤井聡太竜王が、広瀬八段にに勝利しました。対局と同じアングルで撮影が可能になっており、その対戦のままに特設対局室特別公開が残されていました。また、竜王控室だった場所には、ふたりの直筆色紙や第35期竜王戦記念扇子、前夜祭で贈呈した福知山明智扇子「清龍」などを展示。当時の写真も飾られています。この特別公開は、2023年1月30日(月)まで。
福知山城
開館時間:9:00~17:00
福知山市字内記5番地 JR・京都丹後鉄道「福知山駅」から徒歩約15分
休館日 :火曜日・年末年始
入館料 :大人320円 子ども100円(別途、福知山市佐藤太清記念美術館との共通券もあり)
足立音衛門
多彩な栗スイーツを満喫できるお菓子の聖地
福知山城をあとにして、町を代表するスイーツ、丹波の栗を使った焼き菓子を求めてやってきたのは、城の北側に本店を構える足立音衛門。少し歩くと、和洋折衷のモダンなたたずまいの洋館が見えてきました。城下通り沿いに建つこの「旧松村家住宅」は、明治末期から大正初期にかけて建てられ、1997年に府指定の文化財となっています。
現在は、レトロ可愛いカフェに改装され、遠方から訪れるゲストも大勢いる観光スポット。店舗の主屋、2階建ての洋館・茶室など9棟も建つ広大な敷地の裏へ回れば一転、風情ある明治から大正時代にかけて建てられた和の佇まいの本店へ。数々の和洋栗スイーツがずらりと並んでいる光景は、ファンにはたまりません。
なかでも究極のパウンドケーキ「栗のテリーヌ『天』」(11880円) は絶品。店長の田原さん(写真下) によると、発酵バターを使用した生地に、大粒の丹波栗、ヨーロッパ種、チリ産アンデス栗の3種が、なんと400gも一本に詰まっているとのこと。自然の風味を感じられるように甘さ控えめで、栗の濃厚な味わいを引き立てています。
足立音右衛門
福知山内記44-18
☎️ 0773-24-2043
ku-nel
絶品焼肉ランチ、プリンやカヌレをおみやげに
ランチは、JR福知山駅北口より徒歩3分ほど、福知山駅正面通り商店街の中にある2020年オープンのku-nel(クーネル)へ。(写真上は、オーナーの足立さん)。
店名の「クーネル」は「食べたいように食べて、あとは寝るだけ」というコンセプトから名付けられたというだけあり、100gから50g単位でオーダーカットできるお肉はじめ食べごたえ満点。生ハム・チーズ・アヒージョ・チキン・魚介など、ワインに合うメニューがそろっています。イチボ、ハシシタなどの貴重な部位を炭火で焼いた旨味満点の肉三昧を締めくくるのは、丹波のたまごを使ったリッチなプリン。こちらは、テイクアウト可能。さらに、京都奥丹波カヌレは、外側はカリっとして中はもちもち、栗や抹茶などバリエーション豊富で大人気のおみやげになっています。
ku-nel
京都府福知山市駅前町196-4
18:00〜23:00 L.O(24:00 CLOSE)
電話予約受付時間 10:00〜24:00
☎️ 0773-48-9471
洋菓子マウンテン
世界コンクール一位の実力派パティシエが継ぐ老舗
ランチ後のオヤツにぴったりの洋菓子マウンテンは、京都府福知山市南本町にて初代水野亘さんにより1978年オープン。跡を継いだ水野直己シェフパティシエ(写真上)は、ワールドチョコレートマスターズ2007フランス・パリ世界大会にて世界第一位、総合優勝の実績を誇る実力者です。敷地内に併設されたCELLAR DE CHOCOLAT by Naomi Mizunoに、珠玉のチョコレートが並ぶショーケースは壮観です。「趣味の空間」と水野シェフが呼ぶこのセラーは、スタイリッシュなインテリア、一方、ショップは、ショートケーキやモンブランなど昔ながらのケーキが並び、心和む空間になっています。エレガントなカフェスペースもあり、福知山の人々の憩いの場。スペシャリテのチーズケーキを求めて、3代続けて通っている常連も多いそうです。
洋菓子マウンテン × CELLAR DE CHOCOLAT by Naomi Mizuno
京都府福知山市字猪崎小字山本322
☎️ 0773-22-1658
営業時間11:00~18:00
カフェ・スペースのラストオーダー: 17:30
水曜日休み・不定休
福知山駅からは徒歩30分。最寄りのバス停は、京都交通川北線/三段池線「三段池」
味夢の里
地元産名品が一堂に会する美味しさのパラダイス
この地方に来たらぜひ寄りたいのが、京丹波ならではの食事・買い物が楽しめる「味夢の里」です。地元を代表する丹波栗や丹波黒(黒豆)をはじめ米・野菜、お酒、加工品のほか、美味しいものが一堂に会するパラダイス。丹波地鶏の肉や加工品、採りたてのキノコ類などもおすすめです。レストランもあり、見てまわるだけでも楽しいので、ぜひ、訪ねてみてください。
味夢の里
京都府船井郡京丹波町曽根深シノ65-1
6:00~21:00〔施設により異なる〕
http://www.kkr.mlit.go.jp/road/michi_no_eki/contents/kyoto/kyotambaajimnosato.html
「森の京都」で見つけた美味しいお土産
たくさんの名産品がある綾部市、福知山市の絶品、逸品をご紹介。お取り寄せ可能な商品も多いので、観光案内のHPをぜひのぞいてみてください。
「ぴりうま山椒せんべい」悠々工房したのかち
山椒があとから効いてくるおせんべい。舌ビリの思わずクセになりそうです。
「食べる醤油(オリーブ&ガーリック)」 今しぼり
豊かな香りのエキストラバージンオイルとガーリック、酵素や酵母が入った醤油のもろみを合わせた発酵調味料。クラッカーやチーズをのせて、パンにパスタにと、さまざまに利用できます。
「新治製菓舗」 鬼饅頭
薄皮の中に粒あんがずっしり詰まった特大饅頭。甘すぎず、さっぱりした素朴な味わいです。
「秀光の愛したプリン」 明智茶屋
固めの食感と福知山産鶏卵の黄卵だけを使用した濃厚でバニラ風味が香ります。
「健太郎の京都ジビエ」
京都丹波で地元ハンター中島健太郎さんが獲った良質な鹿肉を加工したロースト、ハム、燻製、ソーセージなど。ギフトにもぴったりです。
抹茶羊羹、ほうじ茶羊羹 横田商店
元和菓子職人の茶農家が自家製の最高級綾部産抹茶、ほうじ茶を使用した風味豊かな羊羹2種です。
玉露クッキー 松下彌商店
綾部産の玉露をふんだんに使ったクッキー。開封した瞬間、玉露の香りに包まれます。
地元のお酒いろいろ
東和酒造、明智光秀桔梗咲く吟醸酒、福知三萬二千石純米吟醸酒のほか、割烹さとうのどぶろく「鬼ババアー」は、コンクールで入賞の逸品です。
*綾部市ホームページ
http://www.city.ayabe.lg.jp/
*福知山市ホームページ
https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/life/3/