フランスの星付き鮨職人監修「鮨久」、予約難必至の新感覚鮨店
2024年10月27日
西麻布の住宅地に潜む隠れ家の扉を開ければ、そこに広がるのは、気鋭のインテリアデザイナー森田 恭通氏が手がけたリュクスな饗宴の場。
プラチナをかけて窯で焼き上げた金属で“朝露に濡れた竹林”を表現した壁面には、滴のようなプラチナの大小の粒。空間の中央には、全長8mもの檜のカウンターが伸びる。
窓際に配された庭は、プラントハンター西畠清順氏の作品、盛り土した2つの築山に苔を敷いた地面に、5本の通天カエデ(唐楓)と古い石板。瑞々しい緑から紅葉、落葉と季節の移ろいを感じることができる。
そして、カウンターに立つのは、銀座久兵衛出身のベテラン鮨職人、小笠原亨氏だ。日本全国の漁港より直接買い付けた厳選食材を用いて、匠の技を披露する。
数種類ブレンドした鮨酢を合わせ、会津の米を使った粒が大きいシャリをふんわり握る。砂糖を使わないため、米の旨味がより際立つ。
さらに、この店で堪能できるのは、熟練の技による鮨だけではない。合間に挟まれるフレンチテイストの一品料理だ。
メニューを監修するのはパリ在住の鮨職人、渡邉卓也氏。パリの「JIN」、ロンドンの「Taku mayfair」でミシュラン一つ星を獲得し、世界のVIPを顧客に持つ凄腕が繰り出す緩急に富んだコースである。いわば、正統派江戸前鮨とフランス流創作料理のマリアージュだ。
たとえば、前菜の「オマール海老とカリフラワーのムース」。目にも鮮やかなオマール海老に合わせるのはトリュフを香らせたまろやかなカリフラワームース。すだちのジュレで軽い酸味をアクセントに効かせる。
握りはコース内で10貫。真鯛は、愛知の白醤油とすだちとともに、大間の鮪には煮切り醤油。車海老の中には芝海老のおぼろが仕込まれている。
「ウニの小丼」は、品種は時季により変わるが、今回は、釧路のバフンウニが登場。ミョウバンを使わないため、本来のウニの甘味とコクが溶け合う。
締めには、自家製の季節のアイスクリームほか、常時3種ものデザートが用意されている。写真は上品な甘さが凝縮されたいちぢくのアイスクリーム。
合わせるのは、元「トゥールダルジャン 東京」のソムリエ、工藤順平氏による、長年のフレンチの経験を活かしたワイン。鮨に合わせたセレクトも的確だ。
ソムリエ資格を持つ鮨職人修業中の上田奈歩さんの温かいサービスが食事を彩る。
「海外に住んだ経験から、言葉がわからなくてもおいしい物で世界の人と繋がることができることを知った。”SUSHI”を通して日本のすばらしさを伝えたい」と上田さんは鮨職人をめざしたきっかけを話す。今後、カウンターに立つ機会も増えて話題になることだろう。
そんな最強の布陣をそろえる鮨店だが、西麻布にしておまかせコース27,500 円(税込) とお値打ち価格。
すでに食通ご用達となりつつあり、予約難は必至。今から常連になって新感覚の鮨を満喫してみてはいかがだろうか。
「鮨玖」
鮨玖おまかせコース… ¥27,500 (税込) ※別途 サービス料10%、ドリンク代
東京都港区西麻布3丁目23−7 パレロワイヤル 1階
TEL:03-6721-0700
「島根県出雲市のあんこスイーツ16店でガストロノミーツーリズム」