フランス人に愛されるパリの日本人シェフ⑧「レストランキガワ」紀川倫広シェフ

カテゴリー/ PARIS |投稿者/ Gouret&Traveller
2019年05月11日

Restaurant Kigawa (レストラン キガワ)

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パリの中心地から少し離れたモンパルナスの南にあって、常にフランス人常連客で満席の店がある。小粋な外観の店の扉をあけると白とグレーを基調とした落ち着いた店内。エレガントで温かい空気が流れている。2011年オープンの”Restaurant Kigawa”がそのレストランだ。

オーナーの紀川倫広シェフはクラシックになみなみならぬこだわりがある。ジビエの季節にはリエーブル・ア・ラ・ロワイヤルがスペシャリテ。崇拝するシェフ、レストラン「タテル ヨシノ」の吉野建シェフのようなリエーブル・ア・ラ・ロワイヤルが目標だ。吉野シェフは、パリの星付きレストラン「ステラ・マリス」のシェフ時代、フランス人が投票するリエーブル・ア・ラ・ロワイヤルのコンテストで日本人ながら最優秀賞を受賞。味に厳しいフランス人にもお墨付きのリエーブルだ。
 

 

 

 

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紀川シェフのスタイルはあくまでクラシックを貫いた正統派フレンチ。パテ、フォワグラ、ロティ、ジビエといったフランスならではの食材を活かした料理。いまどきの軽さを求めるのではない、バターもたっぷり使い古典になりつつあるフレンチともいえる技法を駆使して自分なりのオリジナルを表現する。

日本にもどらずフランスにいてフランス料理を作る理由はなんといってもその食材のクオリティの高さにある。ランジス市場に通い、フランスならではの食材を自分の手で確かめ、それをフランス料理でしかできない複雑なフォンやソースでゲストに楽しんでもらえる。そんな喜びは日本では味わえない。日本であまり好まれないリエーブル・ア・ラ・ロワイヤルをわざわざ予約して食べにきてくれるゲストがフランスにはいる。それを愛してくれる。だからこそフランスに根を生やし、その地で料理を作り続けたい。

 

 

 

 

 

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紀川シェフは、10代後半でフレンチに興味を抱いて、辻調理師専門学校を卒業。大阪のフランス料理店で働き、2000年渡仏した。パリ・リヨン駅近くの店で修行していたとき、オーナーシェフが店を売りに出そうとしたところ、買わないかという話を持ちかけられた。常連さんたちが続けなさい、と資金を貸してくれたが、なんとその物件では詐欺にあってしまう。そんななか、諦めずほかの店でやるように、と励ましてくれる人々がいた。パリ中を走り回って物件を探し出し、その人たちに喜んでもらえるような店を持ちたい、借金を抱えてもがんばろうと思った。
しかし、オープンはしたものの、最初の3か月は閑古鳥が鳴いていたという。それでも近所のシェフ達が助けてくれた。彼らの店が満席で入れない時にお客さんを店に送ってくれるようになった。次第にコスパの高い上質なフランス料理を求める多くのファンを獲得できるようになっていった。

これからの目標はさらにフランス料理の古典を深く追求すること。食材も人も、ていねいに、大切に扱ってこそきちんとした常連客がつく。いまの店が順調なのも、すべて出会った人たちのおかげだ。ゲストに喜んでもらうために、消えゆくフランスらしい料理を極めていきたいと常に精進を続ける。

 

 

 

 

 

パテアンクルーと小鹿、フォアグラ、リードヴォー

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自家製ブリオッシュに背脂の生ハム、大理石の上で熟成させたイタリアトスカーナのラルドデコロナータ、サラダとフルーツを添えて柿のソースで。
季節に合わせてジビエや鴨などをクラシックに料理。自分でも好きなひと皿で定番の人気メニュー。

 

 

 

 

 

リエーブル・ア・ラ・ロワイヤル

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中にフォアグラ、いとかぼちゃのエクラゼ。じゃがいもとベトラーブのピューレトリュフ。うさぎの血で出汁をとってソースを添える。仕込みに時間がかかるので要予約。2ヶ月間しか食べられない料理なので毎週来る人もいる。吉野シェフが取引をしていた業者がから買えるようになったボース産大きなウサギを使う。これが作りたいためにフランスに来たといっても過言ではない。この料理を楽しんでくれるのは料理人冥利に尽きる。できるだけクラシックに作り、トリュフもしっかり添えて食べてもらいたい。リエーブルを完璧に作ることが目標。1年で作れる時期が限られているスペシャルなひと皿。

 

 

 

 

 

ショコラのガナッシュにメレンゲ

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デザートのレシピ開発はパティシエールの奥様が担当。口溶けと、ビターショコラを配合した仕上がりに気を配り、下からビスキュイ、モワルーショコラ。ガナッシュショコラはジャンドゥーヤを使用し、口溶けの良さと香ばしさもプラス。100%ショコラを使用し、カカオの風味をしっかりと感じられるデセール。ノアゼットのシュクセと一緒に食べることで食感のアクセントに。

 

 

 

 

 

 


Restaurant Kigawa レストラン・キガワ

住所 : 186, rue du Château 75014 Paris


電話:01 43 35 31 61


営業時間 : 12時~14時 19時30~22時

メトロ : 4番線 Mouton-DuvernetまたはAlésia

お昼のコース 43ユーロ、夜のコース 47ユーロ、65ユーロ、80ユーロ、120ユーロ

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