「パリ・ブレスト 夢をかなえたスイーツ」母に捨てられた少年が世界一のパテシィエに輝くまでの軌跡

カテゴリー/ CULTURE |投稿者/ Gouret&Traveller
2024年03月27日

「パリ・ブレスト 夢をかなえたスイーツ」

2024329日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほかで全国公開

 

母親に育児放棄され、過酷な環境で過ごす少年が、22歳でパティスリーの世界選手権チャンピオンに輝くまでの奇跡を、長編監督デビューとなるセバスティアン・テュラールがハートフルに描いた。フランスのパティシエ、ヤジッド・イシェムラエンの話題の自伝、『A La Belle Etoile』の映画化である。

主人公を演じたリアド・ベライシェ は、TikTok6600万人のフォロワーを持つ映像クリエイター。インフルエンサーとしての活動や役者としても活躍している。

ヤジッドには、パティシエとして必要な哲学から菓子作りの技術まで指導を受け、リアルな演技で好演、初主演で高評価を得た。

14歳でパリの菓子職人の見習いとなり、パスカル・カフェやフィリップ・コンティチーニといったフランスを代表する大御所パティシエのもとで修業を積んだヤジットは、モナコにある世界的著名シェフ、ジョエル・ロブションのレストラン「ル・メトロポール」でスーシェフを務め、2014年にはGelato World Cup(冷菓世界選手権)のチャンピオンとなる。そこに至るまでは、どれほど波乱に富んだ道のりだったのか。

 

母親に捨てられ、過酷な環境で暮らす少年ヤジッドにとって、里親の家で食べる手作りスイーツの一家団らんの時間が唯一の救いだった。スイーツは人を幸せにする、自分もみんなを笑顔にしたい、とパティシエへの憧れをつのらせていく。

やがて児童養護施設で暮らし始めたヤジッドは、パリの高級レストランに見習いとして雇ってもらうチャンスをつかみ取る。

エペルネから180キロ離れたパリのレストランへと通う日々。いまは、シャンパンのメゾンが立ち並ぶ裕福な町だが、当時は交通の便も悪く、通勤費も少年にとっては高額だったはずだ。

 

時には野宿もしながら通い続け、シェフとぶつかっても必死に学んでいく。日本的には、ヤジットの強い自己アピールは、違和感を感じるかもしれない。フランスのレストランの厨房は、厳しい競争がある。少しでも休んでしまえば、ポジションはライバルに奪われてしまうのだ。

シェフに才能を見出され、愛ある先輩や親友にも囲まれて充実した日を過ごすヤジットを妬んだ同僚により、仕事を失ってしまうヤジットだったが……。

 

ヤジッドが監修した「パリ・ブレスト」「フォレ・ノワール」など数々の華麗なるデザートもスイーツ好きならずとも観る人を魅了する。

お菓子がどれだけ人を幸せにするか、パテシィエという仕事に人生をかける彼らの矜持にも感銘を受ける。

 

 

 

『パリ・ブレスト ~夢をかなえたスイーツ~』
公開日:2024329()
監督:セバスチャン・テュラール
脚本:セドリック・イド
出演:リアド・ベライシュ、ルブナ・アビダル、クリスティーヌ・シティ、パトリック・ダスマサオ、フェニックス・ブロサール、リカ・ミナモト

©DACP-Kiss Films-Atelier de Production-France 2 Cinéma

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