ニコラ・ル・リッシュ出演。主役を勝ち取るのは誰か? 「ボリショイ・バレエ 2人のスワン」

カテゴリー/ PARIS |投稿者/ Gouret&Traveller
2018年06月29日

ボリショイ・バレエ   2人のスワン
7月7日(土)  東京ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

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「エトワール」などパリ・オペラ座のトップに上りつめるための過酷な日々を体感することができるドキュメンタリーはこれまでいくどか作られているが、本作は、ロシアの名門国立ボリショイ・バレエ・アカデミーを舞台に、主役の座を勝ち取るためにしのぎを削る2人の少女の美しくも熾烈なバレエ・エンターテイメント。ゴールデン・イーグル賞にて最優秀脚本賞受賞と作品賞ほか6部門にノミネートされた作品だ。

貧しいながらも天性のバレエの才能を持つ主人公ユリアと裕福な家庭に育ったアカデミー期待の優等生カリーナ。まったく正反対の2人が同じ目標をめざし戦っていく。2人の憧れのダンサーとして、元パリ・オペラ座のエトワール、日本でも大人気を博したニコラ・ル・リッシュが出演している。過酷なレッスンに耐えながら恋とバレエで競い合う2人の少女。2人の葛藤が、いまだ衰えることのない王子さまキャラのニコラ・ル・リッシュの存在を通してさらに浮き彫りにされる。

 

 

 

 

 

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ひとつの分野で頂点に立とうとすることは、並々ならぬ努力が必要なことは言うまでもない。が、どんなに努力をしても報われない、努力では得られない資質がバレエダンサーにはある。幼い頃に親の体型からすでに将来のポテンシャルをはかられる。身体能力が高いのは当然で、美的感覚を持ち表現力も鍛えなければならならない。さらに得難いものは、天性の華。端で踊っていても光るオーラが必要なのだ。どんなに技術を備えても足りない。もっとも過酷なプロセスを強いられるのは、トップに立つまでのバレエダンサーではないか。

ユリアとアンナはプロのバレリーナが演じている。画面からは少女に与えられたさまざまな試練が映し出される。2人の葛藤が一つずつ観るものにリアルに伝達される。体型を保つための食事制限から技術的な高みを目指す日々の練習、一挙手一投足が自分のなかのバレエの神様に監視されているのだ。
2人の少女は主役や恋をめぐるライバルでもある。恋の苦しさから、さらに舞台で一人輝くために、ユリアは屋根と屋根の間を命をかけて開脚ジャンプ、グランパドゥシャの練習を試みる。決死の覚悟のこのシーンは、ユリアが他者との戦いをしていることを物語るものではない、自分に勝つべく命をかけているのだ。

 

 

 

 

 

 

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ユリアを演じるのは、ポーランドの国立バレエ団を拠点に活動する現役ダンサーのマルガリータ・シモノヴァ、カリーナを演じたのは、実際にボリショイ・バレエ・アカデミーのOGであるアンナ・イサーエワ。「恋愛小説」についでメガホンをとったのは、バレーリー・トドロフスキー。

監督は以前からバレエに人生を捧げた人々をテーマに映画を作りたいと考えていた。長年にわたり、多大なる自己犠牲を払いながら送るバレエダンサーの人生や舞台の背後にあるものを映画にしたいと考え制作に至った。
この作品で実際に撮影をしているのは、ボリショイ劇場。時間的制限があるため何度も取り直している時間はなく、一発でシーンを決めなければならなかったこともあったという。試練を乗り越えスクリーンに映し出されたバレエ・アカデミーでの様子は本番さながらの厳しさを醸し出す。威厳あるボリショイの舞台から客席を見下ろす映像はとてつもなく美しく圧巻だ。自己に打ち勝ち、この高みに立つのは2人のうちどちらなのだろうか?

 

文*山下美樹子

 

 

 

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ボリショイ・バレエ   2人のスワン
監督:ヴァレーリー・トドロフスキー、脚本:アナスタシア・パルチコヴァ
出演:マルガリータ・シモノヴァ、アンナ・イサエヴァ、アリーサ・フレインドリフ、
ニコラ・ル・リッシュ『オーロラ』(スウェーデン王立バレエ芸術監督・元パリ・オペラ座エトワール)
2017年/ロシア/ロシア語/132分/シネスコサイズ/原題:Большой/英題:THE BOLSHOI
配給:アット エンタテインメント
© Valery Todorovsky Production Company   

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