「男と女 人生最良の日々」不朽の名作53年目の続編、二人の愛の行く末は?
2020年01月24日
「男と女 人生最良の日々」1月31日TOHOシネマズ シャンテほかにて公開
フランス恋愛映画の最高傑作のひとつとして知られる「男と女(1966)」。当時まだ無名だった29歳のクロード・ルルーシュ監督が描いた不朽の名作だ。“妻に自殺された男と夫を事故で亡くした女”という重い過去を持つ二人のひとときの恋を描き、カンヌ国際映画祭で最高賞〝パルムドール″を、そして米アカデミー賞®で最優秀外国語映画賞を受賞した。この「男と女」の53年後、同じ役者が同じ役を演じ、愛の奇跡を紡ぎ出す。
ビクトル・ユゴーの言葉「Les plus belles annéens d’une vie sont celles que l’on n’a pas encore vecues」(「人生最良の年はこの先に訪れる」)からとったというタイトル。20歳の時に出会い、以後、ルルーシュ監督は座右の銘としていたそうだ。
その原題にひそむフランス語の意味は、“人生のもっとも美しい年月“。それこそ66年版の短くも激しく燃えた恋である。命の終わりも近いかもしれない男の生涯のなかの輝かしい記憶。それは彼にとって単なる過去の出来事ではない。
ジャン=ルイ・トランティニャンとアヌーク・エーメがあらためて挑む役、ジャン=ルイとアンヌ。この映画の話を聞いたとき、二人とも「なぜ、今なのか?」と思ったそうだ。映画のできあがりを見て気に入らなければルルーシュ監督は、公開しないとさえ約束した。
半世紀というその長い年月を経てなお、ジャン=ルイはアンヌを愛した日々が忘れられない。いまは、老人ホームで暮らすジャン=ルイの息子アントワーヌが、父が忘れられないアンヌとの再会を実現させる。
大写しになったジャン=ルイの表情は、はるかな時の流れを感じさせた。もはや記憶を失いかけている。過ぎていく時と戯れるジャン=ルイ。ジャン=ルイは、あの美しい時代にいまも生きている。アンヌのアヌーク・エーメは奇跡の美しさを保ち、ジャン=ルイに会いにくる。
ときおり挟み込まれる66年版の映像は、ジャン=ルイの心のうちをあらわす。それはあの頃なのか、今現在なのか? そしてこれからなのか?
2018年に亡くなったフランシス・レイの誰もが知るあの名曲も切なく流れる。場所は、二人が逢瀬を重ねたフランス・ノルマンディのドーヴィル。あのころと変わらない北のリゾート地。グレイの海が二人の心の揺れを映し出す。
ジャン=ルイと再会したアンヌは、2人の物語をまたあの場所から始めることできるのか…。
「ユゴーの言葉が、私の人生を導いてくれた。この言葉をタイトルにできたことを嬉しく思う」と語るルルーシュ監督は、過去より今を愛すると断言する。スクリーンの映像はあの頃と現在を行き来する。ジャン=ルイとアンヌにとっても再会した今が一番愛おしい時間なのだ。
「男と女 人生最良の日々」1月31日TOHOシネマズ シャンテほかにて公開
監督:クロード・ルルーシュ 出演:アヌーク・エーメ、ジャン=ルイ・トランティニャン、スアド・アミドゥ、アントワーヌ・シレ、モニカ・ベルッチ音楽:カロジェロ、フランシス・レイ
(C)2019 – Davis Films – Les Films 13
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