異例の大ヒット『カメラを止めるな!』がアカデミー賞監督により仏でリメイク『キャメラを止めるな!』

カテゴリー/ CULTURE |投稿者/ Gouret&Traveller
2022年07月06日

『キャメラを止めるな!』
2022715() 全国公開

2022年カンヌ国際映画祭のオープニング作品となったのは、『キャメラを止めるな!』。

2018年公開の日本映画『カメラを止めるな!』のフランス版リメイクとして話題の作品だ。(ちなみに、フランス語の発音では、カメラはキャメラとなる)。

『カメラを止めるな!』は、都内2館からスタートし、最終的に350館以上で公開され、観客動員数220万人、32億円超えの興行収入を記録、社会現象を巻き起こすほど異例のヒット作となった。

フランス版リメイクに名乗りを挙げたのは、『アーティスト』で第84回アカデミー賞作品賞、監督賞を始めとする5部門を受賞した鬼才ミシェル・アザナヴィシウス。

日本のオリジナルでは、濱津隆之が演じた監督・レミー役に、『真夜中のピアニスト』でセザール賞にノミネートされ、日本でもヒットを記録した『タイピスト』などで知られるフランスの実力派俳優ロマン・デュリス、監督の妻・ナディア役に、『ある過去の行方』でカンヌ国際映画祭女優賞に輝いたベレニス・ベジョ。この錚々たるメンバーに加え、オリジナル版で、現場を混乱に陥れたプロデューサー役で強烈なインパクトを残した竹原芳子も出演。フランス版では、『カメラを止めるな!』での劇中劇「one cut of the dead」のリメイク企画を依頼するプロデューサー役を演じている。

 

 

 

 

『キャメラを止めるな!』では、「ONE CUT OF THE DEAD」が世界中で大ヒットしたという世界が描かれ、「ONE CUT OF THE DEAD」と同じ設定で映画制作を依頼する。リメイク映画である『キャメラを止めるな!』の劇中劇までもをリメイク企画にする、という二重構造になっており、単なるリメイクというより、リメイク部分も活かしながらの続編的な作りになっている。家族の絆の物語ややる気のなかったスタッフが最後までB級映画を撮ることに使命感を持って団結していく過程、といったヒューマンなテーマも盛り込んでいく。

 

 

30分間のオープニング映像は、いかにもB級映画そのもののオリジナルを踏襲。ゾンビに襲われるシーンが下手すぎる、と監督が役者を怒る場面から始まるが、意図を持ってB級映画を作ろうとしているのかどうか、見る人にはまだその真意はわからない。この30分がキモであり、席を立たせずスクリーンに釘付けにする。

「本作の土台となっているこのアイディアは、とても複雑で非常にきわどい実験のようなものだ」とアザナヴィシウス監督は指摘、作品が単なるパロディでなく、ある種の不条理の世界へと導くことができるように、あらゆるタイプのコメディーを取り入れた。フランス人登場人物に日本人の名前をつけるのだが、フランス人同士が日本人の名前で呼び合うだけでなぜか爆笑を誘う。フランス流笑いのセンスを加味したセリフは、さらにB級テイストに落とし込み、音楽で遊ぶなどあらゆる要素が加えられた。

 

 

 

 

制作費は400万ユーロ(約5億円)と300万円、制作日数は6週間と8日、ロケ飯はフルコースとコンビニ弁当、と製作環境は、はるかによくなったが、映画の本質的な部分での大きな違いは、フランスのリメイク版は、セリフ量が日本版オリジナルより格段に多くなっていることだ。アザナヴィシウス監督の言葉が実に興味深い。この映画の一番のおもしろさはそこにあるのではないか。

「日本文化は多くのことをあえて言葉にしない。だからこそ物語があるあれだけ素早く展開する。状況が変化しても登場人物は特にそれに対して何も言及することなく次の展開へ。しかし、フランス人は変化した状況を説明せずに放置することにフラストレーションを感じてしまう国民なのだ」

 

 

text Miki Yamashita

 

 

 

『キャメラを止めるな!』
公開日:2022715() 全国公開
監督:ミシェル・アザナヴィシウス
脚本:ミシェル・アザナヴィシウス
出演:ロマン・デュリス、ベレニス・ベジョ、グレゴリー・ガドゥボワ、フィネガン・オールドフィールド、マチルダ・ルッツ、竹原芳子
〈日本語吹替版キャスト〉
出演:多田野曜平、三石琴乃、浪川大輔、戸松遥、武内駿輔、田中美海
吹替監修:上田慎一郎
吹替翻訳:井村千瑞
音楽:アレクサンドル・デスプラ
衣装:ヴィルジニー・モンテル
配給:ギャガ、 シネスコ
5.1ch
デジタル/112/字幕翻訳:松崎広幸

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