リージェント セブンシーズ クルーズ「セブンシーズ スプレンダー」で巡る夏のスカンディナビア vol.1

カテゴリー/ VISIT |投稿者/ Gouret&Traveller
2023年08月31日

ようやくコロナ禍でストップしていた旅のあらゆるルートが開放された。なかでもクルーズラバーにとってようやく心ゆくまで世界の洋上の巡る扉が開いた2023年の夏。

酷暑の続く日本を脱出し、バルト海を目指す。ヨーロッパ大陸とスカンディナビア半島に囲まれた海域、北欧の4カ国を巡るクルーズ船での涼やかな旅に出る。

南ヨーロッパは日本同様熱波に襲われ、観光もままならないなか、スカンディナビアはちょうど日本の春ごろの理想的な気候。陽射しも柔らかく、温暖化が進む灼熱地獄の地球にあってもっとも心地よい夏のクルーズを楽しむことができた。

 

 

スウェーデンのストックホルムから乗船し、ボスニア湾を周り、フィンランドのヘルシンキ、ドイツの北部海域を通過しバルト海に浮かぶスウェーデンの島々を巡り、ノルウェーのオスロに向かう。本来は、ロシアのサンクトペテルブルクにも寄港するルートで、現在はもちろん、残念ながらヘルシンキから陸路でもほど近い距離にあっても近寄ることすらできない。ウクライナ問題が早期に解決し復活する日を待ち望む。バルト海という複雑で狭い海域をフィヨルドや点在する島々を避けながら中型ラグジュアリー船は進む。航海中の眺めは極上だ。

乗船したのは、20202月デビューの「セブンシーズ スプレンダー」。ゆったりとしたくつろぎ空間とこの上ない優雅さ、そして優れたクルーを誇り、オールインクルーシブのラグジュアリー旅を提供するリージェント セブンシーズ のクルーズブランドだ。世界中の魅力的な目的地に向けてエレガントで個性あふれる船旅に連れて行ってくれる。乗船の際はスタッフの皆さんに迎えられ、ワクワク感も高まる。足を踏み入れた先はゴージャスなロビー。レセプションでチェックインし、客室スタッフさんと部屋へ向かう。

 

375室の客室は全室スイート、クルーズ船最大のバルコニーを備えている贅沢な仕様になっている。

部屋はシックなブラウン系でまとめられ、リビングスペースのテーブルにはウエルカムシャンパン、ヴーヴグリコが迎えてくれる。ベッドカバーにはWELCOMEの文字。広いウォークインクロゼットに専任の客室スタッフさんが荷物を整理してくれる間、早速テラスに出てシャンパンを飲みながら海を眺める。海風は涼やかで陽の光は優しい。今回のルートは夏のクルーズにぴったりの避暑地である。

 

 スパ、サウナ付き、270度の展望が広がる夢のリージェントスイート

もし、さらに非日常の旅に浸りたければ、もっともリュクスなスイートでのステイがおすすめだ。約279m²もの広さのパレスを思わせるリビングとベッドルーム。テラスを合わせて総専有面積は413m²と、ラグジュアリークルーズ船の中でも過去最大の広さを誇る。スイート内のスパスペースでは無制限にトリートメントを受けられ、 専用サウナ、スチームルームも完備。船首をぐるりと囲む約121 m²のベランダからは270度の眺望が広がる。ガラスで覆われ たサンルームは最上階デッキにあり、訪れる港を船長と同じ目線で眺めることができる。

各寄港地では、地上エクスペリエンスを存分に楽しめるよう専属バトラーがガイドとドライバーつき専用車を手配くれる。深い眠りに落ちることができるベッドは、手作業で製作された20万ドルもするヘステンス(Hästens)ブランド、と至れり尽くせりである。

三方が床から天井までガラス張りのリージェントスイートでは、日々の時間帯により外界のさまざまな表情を眺めることができ、世界屈指のデスティネーションの景観を何にも遮られることなく堪能することができる。ホテルステイのリゾートとは一味違う船旅の醍醐味がここにある。こんな究極の船旅もいつかは経験してみたい。

 

エストニアの首都タリンへ、中世の趣が残るおとぎの国

船は夜出航し、翌朝に次の港に着く。向かうのは、ストックホルムからフィンランドの首都ヘルシンキ。ヘルシンキからエストニアの首都タリンは海を挟んで向い合わせの立地にありフェリーで2時間ほど。今回は、なかなか訪れる機会のないタリンに渡ってみることにした。

九州ほどの大きさのエストニア。世界遺産でもあるタリンの町はこぢんまりしているので、タクシーをチャーターしてまわってもらう。サイバー先進国でありながら、市内は中世の面影を残し、まるでおとぎの国を訪れ方かのような風景が続く。赤い屋根が印象的な町並みを見下ろす丘から、旧市街への入り口となっている「ヴィル門」へ。14世紀に建てられた2つの石の塔のまわりには馬車や花屋が立ち並び、民族衣装を纏った売り子さんが小菓子を渡す姿はまるで中世にタイムスリップしたかのよう。旧市街のトームペアの丘に建つ、玉ねぎドームが可愛らしい正教会は「アレクサンドル・ネフスキー大聖堂」。ソ連支配の際に破壊されることもなく幸運なことに今も存在している。

 

 ディナーはゴージャスな雰囲気のなか、ジャンルレスの料理に舌鼓

 

 

タリンの町からもどるとお待ちかねのディナータイム。いつでも、どこでも、誰とでも、自由席制のレストランで食事を満喫することができる「コンパスローズ」(スペシャリティレストランは要予約)

その日の前菜、メイン、デザートが数種用意され何品でも選ぶことができる。さらに定番メニューは、ソースや素材の組み合わせをカスタマイズできる前菜やパスタ。コンチネンタル料理をベースにタイ風グリーンカレーやサテなどアジアンなスパイス系のメニューもあり、ビスクにチキンサテ、ファラフェルのアラビアータ、デザートにはクレームブリュレというジャンスレスの食事を満喫。料理に合わせた白、赤、ときにはロゼ、と世界から集めたワインも美味しく飲み放題。ワイン通のためには、別料金でブルゴーニュの人気ドメーヌのものやルイ・ロデレールはじめシャンパンも堪能できる。
ほかにも風味豊かなアルチザンチーズ、フランス産最高級小麦を使ったパンなどの本場の食材を生かし、シェフの巧みな技と想像力によって生み出される絶品料理の数々。他のクルーズでは経験できない極上のグルメ体験を楽しむことができる。

部屋にもどるとターンダウンサービスの際に翌日のアクティビティが記されたプリントや朝食のルームサービスのメニュー、日本の新聞の要約版などが置かれている。寄港地のツアーは、港にバスが迎えに来てくれるため、ガイド付きでラクラク観光スポットを回ることができる。複数のプランがあり、選択に困るほどどれも興味深い。翌日向かうのは、スウェーデンで一番大きな島ゴッドランド。普段なかなか行く機会もない未知の世界に連れて行ってくれる船の旅程に思いを馳せながら月明かりの海をしばらく眺めていた。クルーズ2日目は、デッキで爽やかな風を受けながらの朝食が待っている。

to be continued…

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text&Phots Miki Yamashita

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