再訪したくなる美食空間 京都ファイル③ 粋で華やかな文化が香るお値打ち会席 味ふくしま

カテゴリー/ GOURMET |投稿者/ Gouret&Traveller
2017年02月09日
IMG_3658京都ならではの趣ある四条花見小路。一力の角を曲がり花街の粋が香る祇園南側に端正に佇むお茶屋さん「福嶋」が、割烹「味ふくしま」を始めたのは20134月。オープン後、わずか一年半でミシュランガイドの1つ星を獲得し、早くも名店として名を連ねています。コースのみで夜1万5000円、昼4000円というお値打ち価格で人気です。

IMG_3660いかにもお茶屋さんらしいが格子戸をがらりとあけると、畳に両手をついて女将さんがお迎えくださいます。左手には掘りごたつ式のカウンター、奥に進むと個室のお座敷があり、さまざまな意匠を凝らした格調高いお茶屋さんらしい数寄屋造りの設え。店内には清々しい檜の香りが漂います。カウンター席の垂れ壁には繊細な欄間がはめこまれ、明るい光庭には竹が茂り、これぞ、京都といった非日常空間が演出されています。

味ふくしま料理長として腕を振るうのは、「御料理 はやし」などで京料理を学んだ辻 義勝さん。辻さんの腕をかっていた女将のすすめもあり、1982年生まれの若き料理長が誕生したのです。辻さんがそもそも料理に興味をもったのは、少年時代の大好きだった魚釣り。釣った魚をさばくのが楽しくて料理人を志したというだけあり、魚の扱いは超一級です。妥協を許さず食材の持ち味を引き出すていねいな料理が信条。生産者の元に足しげく通い、季節の旬の素材を探し、四季の恵みを感じさせる選りすぐりの素材だけを使い、よけいな手を加えず食材そのものの味わいを引き出すことに専心したひと皿ひと皿。無垢の檜一枚板を贅沢に配したカウンターに並ぶ、骨董をメインにした美しい器も愉しみのひとつです。蔵元から取り寄せた希少酒などこだわりの銘酒をそろえ、会話からゲストの好みを引出す絶妙なセレクション。ソムリエもおき、日本料理とワインのマリア―ジュも楽しむことができます。

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焼きいちぢくのごまだれ 
ひとつのいちぢくが箸を頂上に置くとはらりと4切れに美しく倒れる。その時のごまの香りのこうばしいこと。甘いいちぢくをさらに上品な甘さで包みデザートのような先付が食欲を増幅させます。

IMG_3665毛蟹の玉締め 
削りたてのまぐろ節を使った出汁が、より繊細で上品な風味が際立つ。ふわふわの卵のなかに毛蟹の実が詰まって食感豊かで上品な風味の玉締め。季節を感じる骨董のお椀は女将のお見立て。

IMG_3666ヨコワのたたき 
関東ではコメジと呼ばれるクロマグロの幼魚。癖もなくあっさりとしてもちもち感のある感触。なかなかお目にかかれないレアなたたきが贅沢です。

IMG_3667小蕪の白みそあんかけ 
京都ならではのごちそう白みそのあんをかけてほくほくの蕪。蕪のほろりとした苦味が白みその甘味とあいまって甘辛な口どけが新鮮です。

IMG_3668すじこの飯蒸し 
もち米の上にていねいに漬けにしたすじこがふんだんにのせられている。まったりとしたもち米にすじこの粒ひとつひとつが存在感たっぷりの食感を生みます。

IMG_3669お弁当 のどぐろ、栗ごはん、むかごのしんじょう、ごまふなど 
運ばれてきただけで歓声が上がる華のあるひと皿。お手ごろなお値段にもかかわらず、のどぐろ、むかごなど贅沢な構成に、季節のもっとも輝く食材たちの饗宴。創造性豊かな料亭の味に心はずみます。

IMG_3659味ふくしま 
予約 075-561-4848  
京都府京都市東山区祇園町南側570
京阪本線 祇園四条駅 徒歩5分

【平日・土・祝・祝前】
ランチ 11:30~13:00 入店13:00まで
【平日・土・祝・祝前】
ディナー 17:00~20:00 入店20:00
日曜日  最終月曜日は休み

【ディナー】15000円
【ランチ】4000円(ランチはカード不可)

 

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