ドナウ川クルーズ麗しの旅vol.1 ウィーンからヴァッハウ渓谷へ
2018年11月01日
「ドナウ川クルーズ」。耳にするだけでロマンを感じます。「ベートーベン」という名のリバー客船でウィーンからドナウ川を巡る旅。川面と同じ高さから眺める風景はなにものにも変えがたい自然の姿を眺めることができます。ヨーロッパを流れる川は、人々の生活の糧となり、文化と歴史の変遷を伝え、なくてはならない存在でした。
多くの国々を貫流する川であるドナウ。古城、聖堂など歴史を重ねた街や建造物、田園、ブドウ畑、渓谷など自然が生んだ美しい風景、ドイツにその源を発し黒海に至るまで、2,888キロにも及びしなやかでゆるぎない力をおびた景観とともに流れています。ドイツ、オーストリア、スロバキア、ハンガリー、クロアチア、セルビア、ルーマニア、ブルガリア、モルドバ、ウクライナなど10カ国以上を周り、多種多様な人々・宗教・文化を運んでいきます。美しき青きドナウの流れに歴史の揺蕩いを思うとき、ゆっくりと船は岩壁を離れていきます。
今回の船旅はウィーンからハンガリーのブダペストに向かいウィーンにもどってくる8日間のコースです。
チェックインは、4時半。ウィーンの中心地から地下鉄で10分ほどの住宅地にある港から出航します。停泊している何隻かの船のうちクロワジーヨーロッパの旗を探すとすぐに見つかりました。
クロワジーヨーロッパはフランスのストラスプールに本社をおき、リバークルーズは28隻を所有。 ライン川、モーゼル川、ドナウ川、セーヌ川、ヨーロッパ中のリバークルーズを網羅しています。
リーズナブルな料金とおいしい料理が楽しめるカジュアルなクルーズで、家族経営による温かいサービスをモットーとしてヨーロッパで人気があります。 年間約20万人もが利用しているリバークルーズの老舗です。
乗務員が迎えてくれるなか、荷物を部屋に運んでもらい、さっそくラウンジバーにてスパークリング・ワインでくつろぎます。食事はもちろん、ラウンジバーや食事の際のドリンクは、ソフトドリンク、ビール、ワイン、カクテル、コーヒー、紅茶などすべて料金に含まれています。ワンランクアップを望むなら有料銘柄のワインも有料でいただけます。
部屋は大きな窓から移りゆく景色がよく見える心地よい空間。テレビもWIFIも完備され、地上にいるのとなんら変わらない安心の船出です。
7時からは、スタッフが全員紹介され、ウェルカムカクテルでの乾杯。乗客は、フランスをメインにイタリア、イギリス、スペインなどヨーロッパの国々をはじめ、イスラエル、アメリカ、南アフリカなど13か国から集合。日本人は私ひとりでした。ディレクターのソニアが、船での楽しみ方を説明してくれます。
そのままレストランに流れて第一夜のディナーです。フレンチの伝統をベースにした正統派。本社がグルメの地アルザスにあり、食事には定評あります。
毎日、バラエティに富んだその土地、その土地の新鮮な素材を使った食事が楽しみです。テーブルセッティングも華やか。毎日ナプキンの折り方が変わります。
前菜にパテアンクルートやサラダニソワーズ、メインはブランケットドヴォーや鴨のコンフィ、デザートはフランスを代表するイルフロッタントやタルトがふるまわれます。
ランチとディナーはスタッフがアレンジしたゲストが同じテーブルにつき、全員がいっせいに食事をとります。私のテーブルはイスラエルからの仲良し二人旅とサンフランシスコからの一人旅の女性が席につきました。はじめまして、とあいさつしてからは、すぐに打ち解け、船旅の経験から中東紛争まで幅広い話題で盛り上がりました。
翌日のスケジュールをレセプションでもらい、詳細をチェック。午前はウィーンから少し北上し、メルク修道院、午後は、バッハウ渓谷のオプショナルツアーと盛りだくさん。さらに、ディナー後は、ラウンジバーでダンスパーティがあるようです。
ウィーンまでの旅の疲れを癒しつつディナーのあとは、早々とベッドに入りました。
https://www.croisieurope.travel/en/
text&photos Miki Yamashita
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