「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション 」門外不出の絵画が初登場
2019年04月28日
印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション
2019年4月27日(土)~6月30日(日)
Bunkamura ザ・ミュージアム
海運王ウィリアム・バレル(1861─1958年・写真左 ウィリアム・バレル卿 45歳頃 © CSG CIC Glasgow Museums Collection)は、産業革命期に英国随一の海港都市として栄えたグラスゴーに生まれた。美術品市場も活況だったグラスゴーでバレルも少年の頃から収集を始め、さまざまななジャンルの芸術作品をコレクションした。ペプローやメルヴィルなどスコットランドの画家をはじめ、クロホールなど特にグラスゴーで活躍した画家の作品を皮切りに、多くのフランス絵画も収集していった。古今東西の美術工芸品の収集にも意欲を燃やし、5000年に及ぶ古今東西の美術工芸品を収集した。1944年、当時深刻な社会問題であった大気汚染の影響が少ない郊外にコレクションの作品を展示すること、英国外には貸し出さないことを条件に、9000点以上の作品をグラスゴー市に寄贈した。1983年には、郊外のポロック公園内にコレクションを移し、バレル・コレクション(The Burrell Collection)として一般公開を始めた。今回改修工事によりしばらく閉館することになり、英国外への作品の貸し出しが可能になり、本展が実現した。
バレルが収集した良質のフランス絵画を中心に、スコットランドやオランダ人画家の作品をあわせた絵画73点に加え、ケルヴィングローヴ美術博物館よりルノワールやゴッホの絵画7点を展示。美術史における写実主義から印象派への流れをたどる。
エドガー・ドガ《リハーサル》 1874年頃、油彩・カンヴァス © CSG CIC Glasgow Museums Collection
展示は「第一章 身の回りの情景」「第二章 戸外に目を向けて」「第三章 川から港、そして外洋へ」という3構成。ゴッホ、ルノワール、セザンヌ、コロー、クールベをはじめとするフランス印象派前後の作品も多数紹介する。
今回の見どころは、踊り子を書き続けたエドガー・ドガの「リハーサル」。バレエダンサーの熊川哲也氏は、自らアートのコレクターであると語り、好きなアーティストはロダンだと明かした。「リハーサル」のなかには、バレエ作品「ジゼル」の振り付け家も描かれており、まるで練習中の絵の中から、床の軋む音が聞こえときそうだ、絵画が醸し出す昔のロマンを感じると語った。
ピエール・オーギュスト・ルノワール《画家の庭》1903年頃、油彩・カンヴァス、ケルヴィングローヴ美術博物館蔵© CSG CIC Glasgow Museums Collection
バレルが収集した良質のフランス絵画を中心に、スコットランドやオランダ人画家の作品をあわせた絵画73点に加え、ケルヴィングローヴ美術博物館よりルノワールやゴッホの絵画7点を展示。美術史における写実主義から印象派への流れをたどる。英国でしか見ることのできなかったバレルコレクションを満喫できるめったにない機会となる。
フィンセント・ファン・ゴッホ《アレクサンダー・リードの肖像》
1887年、油彩・板、ケルヴィングローヴ美術博物館蔵 © CSG CIC Glasgow Museums Collection
東京
2019年4月27日(土)~6月30日(日)
Bunkamura ザ・ミュージアム
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/19_burrell/
静岡会場
2019年8月7日(水)~10月20日(日)
静岡市美術館
http://spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/
広島会場
2019年11月2日(土)~2020年1月26日(日)
広島県立美術館
http://www.hpam.jp/
「分離派の名作が一堂に会する「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」」
「再訪したい美食空間①歴史をつなぎながら進化するフレンチ「ラリューム」」