パリひとり散歩vol.4 デプレ シェルシュミディからドラゴン通り界隈へ
2019年09月29日
パリひとり散歩
ホテル・ルテシアまできたら、エルメスに寄ってみよう。デプレにエルメスがあるとは知らなかった、という人も多いだろうが、ルテシア並びにひっそりと存在する。エントランスは小ぶり、しかし、なかは迷路のようにさまざまな売り場が縦横無尽に広がる大規模店。サントノーレの本店より広く、モダンな空間。アートギャラリーのように商品が展示されている。エルメスファンならずとも店内散策が楽しい。バッグ、小物、靴、洋服とそろってエルメス好きならたまらないだろう。そして、奥には軽食やおやつもとれるカフェがあるのだ。いつもほとんど人が入っていない!のは、知られざる穴場だから。スペースたっぷりでほんとうに心地よい。
さて、シェルシュ・ミディをそのまままっすぐ進むとドラゴン通り(rue Dragon)。斜めに進むとグルネル通り(rue Grenelle)。グルネルには、シェルシュ・ミディから続く靴屋街。プラダやトッズなどのブランドも近くにある。この一角は左岸のファッションストリートだが、その先にバジル(Basile)というカフェがある。この通り、サン・ギョーム通り(St.Guillme)にあるパリ政治学院(Science Po)の学生の溜まり場だ。パリ政治学院は、歴代の大統領を輩出しているエリート校。現在のエマニュエル・マクロン大統領も卒業生。学校の前にはパリ政治学院のブックストアがある。Tシャツやスエット、ノート、エコバッグなどのロゴグッズも売っているので、相当ディープなパリマニアには、レアなおみやげに? あたりを歩いている人は、将来のフランス大統領かもしれない。
そのまままっすぐ進むとふりだしのサンジェルマン大通りにでる。あるいは、シェルシュ・ミディをまっすぐ進むと、ドラゴン通り。小粋なレストランやファッション、アクセサリーの店もある。イケメンで人気の星付きシェフ、シリル・リニャックのビストロ、「オ・プレ(Aux Prés)」でランチもおすすめ。
歩いて10分くらいの短い通り、ドラゴン通りを抜けると、サンジェルマン大通りに再びもどる。前回と反対側のサンミッシェルの方向に歩いていく。カフェ・ド・フロールの向かいには、これもまた有名な老舗カフェ、「リップ(Lipp)」がある。カフェというより本格的な食事ができるブラッセリーだ。1880年創業の姿を今も残す。
創業者レオナルド・リップは1870年の普仏戦争の敗戦でまた失われた故郷アルザス・ロレーヌを出てパリに店を開き、アルザス名物のシュークルートとビールで、このブラッセリーを評判の店にした。
イヴ・モンタンが主演した映画「ギャルソン」の舞台ともなり、昔ながらの出で立ちのギャルソンが行き来するレトロな店内は、古き良きパリを感じることができる。パリ好きはマストゴー。
季節の良い頃合いには、緑溢れる庭園での食事が気持ち良い、リップの並びにあるラルフ・ローレンのカフェへ。アメリカンなカジュアルさにプラス、ヨーロッパの品格を備えた空間。ランチ、ディナーともどっしりとしたステーキ、スペアリブなどアメリカンフレンチも。
少し歩いてサンジェルマン大通りとレンヌへ。向かいはこれもまた老舗カフェ、ドゥマゴ、その前には、サンジェルマンデプレ教会が立つ。小さな教会ながら風情ある佇まい。特筆するものはないが、中に入ってみてもよいだろう。
道を渡る前に、アルマーニの角を曲がると、パリらしい小物やフッションアイテムを売っているスーパーマーケットのモノプリ(Monoprix)を覗いてみよう。一階はフッション、地下は雑貨や食料品などを扱っている。スーパーマーケットだけあって、プチプリ(安い)。なのにかわいいアイテムが満載。お土産も見つけられる。ついつい時間をすごしてしまう楽しいスーパーマーケットだ。
text Michel D’Angelo