温泉で冬の口福、蟹を味わいに美味なる日本海へ!鳥取砂丘、皆生温泉、城崎温泉を周る

カテゴリー/ VISIT |投稿者/ Gouret&Traveller
2017年01月22日

京都、兵庫、鳥取3府県にまたがる日本海側には、2015年11月からユネスコの正式事業となったジオパークネットワーク加盟の山陰海外ジオパークが広がるとともに、天橋立や城崎温泉、鳥取砂丘をはじめとした訪れる価値のある観光地が目白押し。「Legend Japan-時と海の回廊-」という名が掲げられた知られざる観光ルートを巡り、旬の蟹を堪能する口福の温泉旅が始まります。

 

IMG_9993鳥取米子の鬼太郎空港に雪が舞うなか到着。まずは、名峰大仙を借景に6000坪もの敷地を誇る温泉宿、東光園に向かいます。その昔、漁師たちによって発見されたという海から湧く湯、皆生温泉。デトックス効果がある弱塩泉とこの宿にしかないという美肌効果のあるアルカリ泉で湯浴み三昧を堪能します。そしてなんといってもお目当ては蟹づくしの夕食です。

 

 

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IMG_9972日本海からの海の幸、大仙のふもとで育った山の恵み、契約農家から取り寄せる野菜とともに目にも麗しいお膳が運ばれます。主役はもちろん、ズワイ蟹。日本海は地形が複雑なため、冷たい海水となり、溶存酸素量が多くなるおかげで、多様な魚介類が生息することができるのです。2016年11月7日には、ズワイ蟹の初せりが鳥取県境港の漁港で行われ、オス、13.062キロ、メス、31.134キロもの水揚げを記録しました。そんな港から直送されるご馳走。「蟹は火の入れ方がすべて」ともいわれ、料理人がつきっきりで最上の状態を保ちつつ調理しなければなりません。その心づくしの蟹コースが味わえるのが東光園です。

 

 

IMG_0011IMG_9998IMG_0026翌日は鳥取砂丘を見学に行きます。鳥取駅から路線バス、またはタクシーで約20分。写真家、植田正治氏の多くの作品の舞台となった、日本海に面して東西16キロ、南北2,4キロに広がる海岸砂丘です。起伏の大きな3列の砂丘列があり、国の天然記念物に指定されています。日本海の白い荒波を眺めながら砂丘をのぼっていくと、そこは別世界、まるで別の惑星に迷い込んだような表情豊かな砂漠が広がります。少しグレイがかった空に真っ白い荒波が砂丘に押し寄せます、マルグリットの絵画のようなシュールな構図が特徴の植田作品の舞台を目の当たりにして、あらためて植田正治の世界観を理解することができました。

 

IMG_0041鳥取の隣県、兵庫の日本海側,但馬にも名湯が数多くあります。なかでも、湯村温泉は、NHKドラマで吉永小百合さんが主演した「夢千代日記」の舞台。鳥取駅からは、JR山陽本線で2駅の浜中駅が最寄り駅となります。平安時代、慈覚大師により開湯されたとされる歴史ある温泉地で、98度の高温の湯が湧き出る温泉は、地下深部で温められた地下水が湯村断層に沿って上昇し、自然に湧き出た温泉だそうです。湯村全体の温泉湧出量は1分間に2300リットル。豊富な温泉を約500戸の家庭に配湯しており、自宅の蛇口をひねると温泉が出てくるという恵まれた環境です。

 

文化人に愛された風情ある城崎温泉の外湯巡り

IMG_0052さらに山陽本線で進むと城崎温泉があります。道智上人が千日祈願の末に霊泉を湧出させたことにはじまり、平安時代から知られている温泉で、1300年の歴史が流れています。古来より文化人に愛され、この温泉地を舞台にした小説『城の崎にて』を執筆した志賀直哉をはじめ、白樺派の文豪が足繁く訪れています。城崎では昔から、「道は廊下、外湯はお風呂、宿は客間」と考えのもと、町中で湯治客をもてなしてきた歴史があり、そのホスピタリティが今も変わらず受け継がれています。温泉街の中心を流れる大谿川を中心に太鼓橋と川べりの柳も情緒たっぷりの温泉街が連なるなか、7か所ある外湯に宿泊所から湯めぐりをします。すべての源泉は集中配湯管理施設に集められ、平均温度を57度に安定させてから各外湯・旅館に送られるそうです。7か所の温泉はそれぞれ、美人の湯の「御所の湯」、開運招福の湯の「一の湯」など異なる特徴をもっています。

 

IMG_0067 IMG_0068しんしんと雪の降る中、浴衣で外湯めぐり。なんと粋な温泉地でしょう。この温泉では、「浴衣に下駄」が正装と言われているのです。「浴衣ご意見番」という掲示をした店では、浴衣の着崩れを直してくれるそうです。夜遅くまでおみやげ屋さんも開いており、湯めぐりの途中立ち寄ることもできます。外気は寒くても温泉で体中ぽかぽか。零下の気温でも震えることはありません。町中でゲストを歓待してくれる温かいホスピタリティもあいまって、心身ともに癒されます。

 

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しののめ荘は、大谿川沿いの道を一本入った木肌のぬくもりのある宿。年間通して新鮮な蟹料理が自慢のひとつで、松葉蟹や紅ずわい蟹のコースを心ゆくまで堪能できます。なかでも蟹の陶板焼きは名物。ふたを開けるとぐつぐつと蟹の身が音をたて、なんともいえない香りが一面に漂います。

 

もうひとつの京都、伝説のロマンあふれる京丹後

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IMG_0143この先、海沿いの京都、京丹後にも足を伸ばしてみましょう。悠久の昔、大陸の文化や技術はまず、丹後半島にもたらされました。「千年の都、京都」を超えた、京丹後は「もうひとつの京都」なのです。リアス式の美しい海岸線や40もの泉源をもつ温泉もあり、文化や歴史、伝説などロマンが詰まっています。ここまで来たからにはぜひ寄りたい日本三景の「天の橋立」へ向かう前に、訪れたい町、伊根があります。一階が船のガレージで2階が居室になっている「伊根の舟屋」は、伊根湾沿いの水際ぎりぎりに約230軒が連なり、独特の風情をかもし出しています。日本3大ぶり漁場である「伊根ぶり」は身が厚くもちもちした食感で、口に含むとトロリと溶け、ぶり特有の臭みもなく、これまでのぶりの概念をくつがえすおいしさでした。漁船を利用した遊覧船もありますので、海側から伊根の町を見渡してみるとその趣きがより感じられるでしょう。

 

IMG_0157天の橋立では、はずせない観光ポイント、宮津湾と阿蘇海に横たわる約3.6キロに約8000本の黒松がおいしげる神秘の造詣「飛龍観」を天橋立ビューランドから眺めます。天橋立温泉をはじめ、宮津市内には4か所で温泉があり、時間が許せば湯めぐりも楽しめます。

鳥取から京都まで、日本海の荒々しくも美しい冬の海を眺めながら、蟹と温泉三昧の旅に出かけてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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