奥山久美子セレクト 名造り手のデイリー・ワイン③ ワイン界憧れの畑を持つドメーヌ・ルフレーヴのお値打ちシャルドネ
2017年01月25日
日本の老舗ワインスクール、アカデミー・デュ・ヴァン副校長 奥山久美子先生が、現地に行って見つけたクオリティの高いコスパ・ワインガイド、「名造り手のデイリー・ワイン」。連載第3回目は、ワイン業界のなかでも憧れのグラン・クリュ畑を多く所有するドメーヌ・ルフレーヴが造る高級ワインのなかのコスパ・ラインをご紹介します。。
Domaine Leflaive ドメーヌ・ルフレーヴ
辛口白ワインの王様を生む「シャルドネ」は、フランスのブルゴーニュ地方が原産のブドウ品種。ブルゴーニュのなかでも、特にコート・ドール地区のピュリニ・モンラッシェ村から生まれるシャルドネのワインは、世界中のワイン愛好家の垂涎の的となっています。ブルゴーニュの地層は1.5~1.9億年前のジュラ紀の石灰岩で構成されていますが、ピュリニ村は特に石灰質が強いのでミネラル感のしっかりとした絹のように繊細でエレガントな白ワインを生むのです。そして、その村で最もピュリニらしい華やかな白ワインを造っているのがドメーヌ・ルフレーヴです。
シャルドネは、世界中の冷涼から温暖な地域まで広く適応し、さまざまな土壌にもよく育つ上、味わいのバランスの良さとリッチな味わいが人気です。しかし、ベストなシャルドネを収穫するには石灰質土壌の冷涼な土地でゆっくりと時間をかけて熟したブドウが不可欠です。さらに、テロワールを表現する偉大な生産者が重要なポイントになります。
ルフレーヴは1717年創設の老舗ドメーヌで、1980年代にヴァンサン・ルフレーヴによって名声が確立されました。2015年まではヴァンサンの娘のアンヌ・クロードが引き継ぎ、1990年から実験的に始めたビオディナミ農法を1998年からすべての畑で実践し、病虫害に負けないパワーのあるブドウから見事なワイン造りを行ってきました。
2006年にはビオディナミ学校を開設し、ブルゴーニュ随一のブドウ栽培を実践しましたが、アンヌ・クロード亡きあとは閉校になってしまったのです。現在は、一族のなかから選ばれたブリス・ド・ラ・モランデイエール氏が当主となり、さらなる品質向上が期待されているところです。
ルフレーヴは、ピュリニ村の生産者の中でモンラッシェなどのグラン・クリュとプルミエ・クリュを最も多く所有し、最高峰のワインを造っている点もワイン業界の憧れとなっています。2004年からは、コート・ドールの南に位置するマコネ地区の石灰質豊かなヴェルゼ村に9.5ヘクタールの畑を購入、アンヌ・クロードの従兄弟のポール・ノウエがビオデイナミ農法を行い、マコン・ヴェルゼという味も価格も親しみやすい高品質ワインを造っています。マコネ地区で造られる白ワインのなかでは、最も上品でピュリニ・モンラッシェに近い味わいがあります。
マコン・ヴェルゼ 2014
Macon-Verze 2014
オープン価格 ¥5000
ラック・コーポレーション
外観は淡いグリーンがかった黄色。洋梨や黄桃の熟した甘酸っぱさに加え、トーストやクリームの馥郁とした香り。口当たりはボリュームがあり柔らかな果実味が溢れ、フレッシュな酸が描く輪郭がくっきりとして余韻に心地よく続きます。ピュリニに比べるとフルーティでチャーミングな印象です。
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