イタリアで星を獲得した実力シェフが腕をふるう「リストランテ センソ」

カテゴリー/ GOURMET |投稿者/ Gouret&Traveller
2019年12月07日

Ristorante Senso (リストランテ センソ)

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グルメが集う東京・白金台の駅からプラチナ通りを進み、小道を入るとひっそり迎えてくれる赤レンガのアーチ。階段をおりてドアを開けるとすぐに広いオープンキッチンが広がる。左手奥のシンプルな白い空間はテーブル席。大きなカウンター越しに、シェフの近藤正之さんがゲストを待ち受ける。イタリアでミシュランの星に輝いた実力者、近藤シェフがピエモンテなどの郷土料理を新しいスタイルで表現する。

 

 

 

 

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母親が調理師であることから、食にこだわりをもつ幼少期を過ごした近藤シェフ。外食する機会も多い家庭に育ち、グルメな少年だったという。自分でもおいしいものを作れるようになりたいと、小学校の頃からすでに料理人をめざしていた。パスタや麺類が好きだったので迷わずイタリアンに進む。東京で修行を始めてまもないころ、本場を見てみたいと思いたち、イタリア、ピエモンテ州へ向かう。思った以上に楽しく過ごした一年間が過ぎ、腰を据えてイタリアで勉強したい、という気持ちがめばえた。

2004年に再出発。はじめは12年も滞在することになるとは、思ってもいなかったという。日本のイタリア料理講習会に来ていた「リストランテ・グイド」のウーゴシェフに頼み、スローフード発祥の街といわれるピエモンテ州のブラに向かった。歩いてまわれる範囲に、スローフードを味わえるスポットが点在しており、スローフードの大学まであるという。

 

 

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 そして、トレンティーノアルト・アディジェ州 アルト、バディアの二つ星 (現在三つ星)の「バディア リストランテ・サント・ウヴェルテュス」へ。山の上にあり、夏と冬シーズンにのみオープンする美しいレストランで、ジビエが得意だという巨匠、ノベルト・ニーデルコフネルのもとで研鑽を積む。次のピエモンテ州 オルタ サン・ジューリオ 「リストランテ・ヴィッラ・クレスピ」では、アントニーノ・カンナバッチェーロに師事。ナポリ料理とピエモンテ料理の融合料理が得意なシェフで、ナポリの郷土料理で名を馳せていた。そのころは、帰国することは考えず、納得できるまでイタリアに滞在したいと思うようになっていた。

ピエモンテ州 カナーレ 「アル・エノテカ」、トレンティーノアルト・アディジェ州 アッピアーノの「リストランテ・ズルローズ」で経験を重ね、ピエモンテ州 アルバ 「リストランテ・ロカンダ・デル・ピローネ」でシェフに就任 2年の予定がやりがいを感じて6年もの滞在に。その間、ミシュラン一つ星を維持。ついに納得のいく仕事ができた、と帰国を決意する。イタリアでは認めてもらうことができたが、日本では受け入れてもらえるだろうか、そんな思いで20162月、「Ristorante SENSO(リストランテ センソ)」をオープン。12年間のイタリア修行で培った料理を、盛り付け、香り、温度、食感などさまざまな感覚(五感・センス)で楽しんでもらえるようにと「Senso(イタリア語でセンスの意味)」と名付けた。

  スローフードの国、イタリアで学んだ「その地の食材を使う」という基本にならい、日本の食材を使ってモダンなイタリア料理に仕上げる近藤シェフ。日本人好みの食感を研究した手打ちパスタのファンも多い。最先端のイタリア料理を、カウンターでひとりでも気楽に楽しめる至福の空間だ。

 

 

 

 

 

オルト〜菜園

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五味すべて入っているサラダ。どの部分を食べても、味わい、食感、香りなどが異なる。全国の畑から届く野菜たちは、直接農家、生産者から集まる。下処理したものとフレッシュなものを巧みにミックス。たとえば、マリネは1週間前に仕込みをしておく。揚げる、ソテーする、発酵させるなど、一つ一つの野菜が一番おいしくなるように愛情いっぱいに手をかける。イタリアで料理を作っていたとき、ヴィーガンのゲスト用に作っていたメニュー。イタリアで学んだ地産地消を日本の野菜で表現した。

 

 

 

 

 

低温乾燥させたタヤリン(タリオリーニの方言)、バターソースの白トリュフがけ

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トリュフに合わせるように作られたピエモンテの郷土料理。卵黄のみを使用した手打ちは、トリュフと相性が良い。アルデンテでゆっくり乾燥させて卵黄だけでもモチモチ感を出せるように仕立てた。オープン直後はイタリア風に火を通すと歯ごたえがなくなり、まるでカップラーメンの食感、と不評だったというエピソードも。日本で好まれる歯ごたえを出すべく、改良を重ねたという。

 

 

 

 

 

蝦夷鹿 金柑 大根

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北海道で狩猟から解体まで行う食肉料理人集団、「エレゾ」主宰の佐々木章太さんの兄とイタリアでの修行先が近かった縁もあり、ジビエの食材は、「エレゾ」から取り寄せている。写真はは3歳のメス。解体した鹿に塩をふって寝かせて真空、23週間で食べごろになる。燻製にしてオリーブでマリネにした紅芯大根など異なる種類の大根を、その素材に合った調理法を考えて添えた。甘みのアクセントに金柑、そして鹿をだしでとったソース。クリーミーさを根パセリでつけて大根と鹿をつなげる。

 

 

 

 

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Ristorante Senso リストランテ センソ

東京都港区白金台5-17-10
SHIROGANEDAI THE 2000 B1F
ランチ 土曜日のみ
営業時間 12:00 ~ 15:00 (Last order 14:00)
ディナー 18:00 ~ 24:00 (Last order 21:30)
定休日 日曜日・第二月曜日
お任せディナーコース(11品) 12,000円
お任せディナーコース(8)※前日までの要予約 9,000円
ランチコース ※土曜日のみ 営業時間 12:00 ~ 15:00(Last order 14:00)
4,000(6)6,000(8)8,000(10)

photo&text Miki Yamashita

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