アンコールワット2泊3日弾丸ツアー①湖に浮かぶ村トンレサップ
2018年12月09日
アンコールワットは、カンボジアのシェムリアップにある「アンコール遺跡群」のひとつ。言わずと知れた世界遺産の世界有数のモニュメントだ。ジャングルのなかから発掘されたというロマン、壮大さ。体力がマックスあるうちに行かないととてもまわれないだろう。シェムリアップのアンコールワット詣では、かねてからの懸案事項だった。
9 世紀から 15 世紀にかけて栄えたクメール王国の遺跡であるアンコール遺跡。精巧な石造りの巨大なアンコール遺跡やカンボジアの国旗の絵柄になっているヒンドゥー教寺院のアンコール ワット、ほかにもたくさん遺跡が点在していてアンコール遺跡群を巡るには3日間ぐらいかかるらしい。
カンボジアは、熱帯気候で6から10 月は雨季となり、4から5 月が最も暑い季節、旅行には11月から3月がおすすめ、ということで乾季に入って、すぐにひとり旅、2泊3日を決行した。
直行便がない日本からは、ソウル、北京、クアラルンプール、バンコク経由などがあり、エアアジアなどLCCで安く行くことも可能だが、エアラインとして信頼のあるシンガポール航空を使い、シンガポール経由でいよいよ出発。
アンコール遺跡への拠点になっている近代的な都市シェムリアップには、ホテル、大型リゾートや博物館などがあり、おしゃれなお土産やさんも多数あるということは漏れ聞こえていた。アンコール国立博物館には、千体仏をはじめとするクメールの文化財が収蔵されており、オールド マーケットやアンコール ナイト マーケットでは土産物、工芸品、スパイス店などがびっしり並んでいるという。オールド フレンチ クォーターにあるおしゃれなレストランでは、カンボジア料理のほか、各国料理も味わえ、夜になるとパブストリートが賑わう。遺跡以外にも遊びがいがありそうな町だ。
シュレムアップのホテルは平均的にそれほど高くない。なかでも高級感ありつつも、リーズナブルだったのが、ロータス・ブラン リゾート(Lotus Blanc Resort)。その名のフランス的な響きに惹かれて予約した。予約後すぐにアンコールワット観光のアレンジのメールが届いた。車とガイド付きで1日120米ドルほど。これは助かる。空港無料送迎も宿泊費に含まれている。さっそくお願いする旨、返信した。
国道6号線沿いに位置し、空港、オールドマーケットやパブストリートまで車で10分のホテル、という好立地のロータス・ブラン リゾート。
カンボジアに入国するにはビザが必要なので、出発前にインターネットで取得しておいた。顔写真が必要だが携帯で自撮りしたものでOK。ビザ取得の画面を追っていき申請書を送付。その後2、3日、カンボジア大使館からメールでビザが送られてきた。ビザは、到着してからシュムレアップの空港でも簡単に取れるとのこと。到着後、申請書に記入すればよいだけだ。入国だけでなく、出国のときもビザが必要なので、メールで送られてきたビザは二枚プリントしておこう。
シュムレアップの空港はこぢんまりしており、入国審査後、荷物を受け取り、扉を開くとすぐにホテルの迎えが私の名前を持って待っていてくれるのを見つけた。シンガポールからは3時間程度、11時半ごろ到着。気温は30度にはとどかない快適さだ。
お迎えのレクサスに乗ってゴージャスな気分でホテル着。シンプルな外観のロビーは木調にシルクの布をはったソファがカンボジアテイストあふれる上品なしつらい。カンボジアの民族衣装、シルクで織ったサロン姿のスタッフが迎えてくれる。ウェルカムドリンクはオリジナルのハーブティーが美味。
到着後すぐにその日のスケジュールを相談する。ていねいに希望を聞いて情報を提供してくれる。幸運にもトンレサップ湖のツアーに参加することができそうだ。14時にホテルに迎えにきてくれるという。
そして部屋はなんと、スイートにアップグレード。VIP専用エリアのスタッフの配置された階へ案内される。その途中、レストラン、プール、ショップ、スパを案内してもらい、ホテルの全容を知る。豪華ではないが、要所要所贅沢な素材を使った洒落た内装だ。なにより満面の笑顔の温かいホスピタリティがうれしい。
ベッドルームにリビングがつき、開放感あるバスルームの心地よい部屋にチェックイン。白い壁にウッディな清潔感のある部屋が魅力だ。スパもプールもレストランも洗練されている。一泊約一万円強とは思えない素敵なホテルに心も踊る。
メインレストラン「ダムナック・ラウンジ」では、西洋料理と伝統的なクメール料理を融合したオリジナルのカンボジア料理が楽しめる。滞在中に訪れる必須店だ。
トレンサップ湖の観光ツアーは、いろいろなホテルでゲストをピックアップして、ロータスブランに到着したのは14時過ぎ。本名に発音が近いということで、通称バナナ君が本日のガイド。なんと、トンレサップ湖の村出身だという。堪能な英語でジョークをとぎれなく語り、車内は笑いに包まれる。このツアーは18米ドルという安さ。ヨーロッパからの若者が多い。
トンレサップは東南アジア最大の湖であり、クメール語で巨大な淡水湖 (sap) と川 (tonlé) という意味。飛行機の上からも、湖に沿って家屋が並んでいる風景が眼下に広がっていた。ここには、水上生活者が1ブロック1万人、100ブロック100万人以上も住んでいるという。
乾季の間、水深は1m程度。面積は2500平方kmしかない。しかし5月半ばから10月の雨季には、プノンペン付近でメコン川に流れ込むトンレサップ川が逆流。面積は1万6000平方km、9倍もの面積になる。
湖に建てられた木造りのカラフルなボートハウスが並ぶ。雨季はボートで家屋や店舗、学校などを観光できるそうだが、乾季には村を歩いて見学ができる。
その後、マングローブの林を手漕ぎボートでまわる10ドルのオプショナルに参加。漕ぎ手は地元のお母さんたち。途中、ボートの売り子さんたちが飲み物やお菓子を売っている。漕ぎ手さんの自分用とチップ用に飲み物を買って2ドル。ゆったりとした流れに沿ってボートはマングローブの中を縫うように進む。
雨季には、体重100kgを上回るメコンオオナマズ やフグなど600種類以上の淡水魚が生息するらしい。ワニも出没するのだとか。
トレンサップ湖のハイライトがやってきた。水平線に焼けるような赤い空。たくさんの観光船が漂うなか、空はみるみる姿を変えていく。絶景夕焼けだ。神々しく輝きを沈めていく太陽を眺めつつ、明日のアンコールワットの朝焼けに思いを馳せる。
photos & text Michel D’angelo