滋賀・大津のレトロな商店街を楽しめる町家を改装した和モダン ホテル「講 大津百町 」

カテゴリー/ VISIT |投稿者/ Gouret&Traveller
2019年02月04日

「街に泊まって、食べて、飲んで、買って」をコンセプトに掲げるホテル「商店街HOTEL 講 大津百町」という粋な町興しプロジェクトがある。
滋賀県・大津市。関西圏の人でなければにわかにイメージできる人は少ないだろうが、なんと京都から2駅、10分足らずで行けるのだ。
夕方、京都からJRであっというまに大津に到着。かつて「大津百町」と呼ばれるほど賑わった、東海道五十三次最大の宿場町、大津。石畳の風情ある商店街を歩いて約10分、「商店街HOTEL 講 大津百町」は、旧東海道と並行するアーケード商店街にあった。

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「講」と書かれた紺色の暖簾を分け入り扉を開ける。早速マネージャーの小川恭呼さんが迎えてくれた。リノベーションされ、実用性と遊び心を兼ね備えた和モダンな町家。今後さらに100年使用できる“現代の町家”として蘇った築100年越えの7軒がホテルとして様変わりした。

 

 

 

IMG_0769そのうち5軒はグループや家族向きのキッチン付き一棟貸切りタイプ、2軒はひとり旅やビジネスにも適した部屋割りタイプとなっている。

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各室にはハンス・ワグナーなどデンマークの名作家具が配置されている。7棟13室はすべて異なるデザイン。何度訪れても新鮮な雰囲気を楽しむことができる。

 

 

 

IMG_0893フロントにはコンシェルジュが常駐。おすすめの飲食店や、おみやげに最適な老舗ほか、街の情報を提供してくれる。チェックイン時、部屋においてあるウェルカムスイーツも大津にあるさまざまな和菓子店とのコラボしたもの。商店街と一体化し、情報を発信する役割を担う。レセプションになっている「近江屋」のラウンジには、エスプレッソマシーンやハーブ水、商店街にある老舗「中川誠盛堂茶舗」の朝宮茶を練り込んだ自家製クッキーなどが置かれている。夕方以降はビールなどのアルコールも無料でふるまわれる。

 

 

 

 

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部屋は「近江屋」から歩いて数分の「茶屋101」に案内された。格子窓や土壁のままの、古き良き町家でありながら、レトロな柄のすりガラスや古材、漆喰や七宝焼きのタイルといった昔ながらの建材をスタイリッシュに使い、快適に過ごせるように工夫されている。
ベッドルームには、思わず飛び込みたくなるふかふかの羽布団。アメリカ整形外科諮問委員会折り紙つきのシーリー社ハイクオリティシリーズのベッドに京都の高級寝具「IWATA」。オーガニックコットンのタオルなど心地よさ満点を追求している。

 

 

 

 

 

 

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隠れた名店のなかから夕食は、あらかじめ宿からおすすめ店を予約していただいていた「佳山(かせん)」へ。
修行先であった京都「浜作」で煮方を10年ほど勤めた安江洋造さんが古民家をリノベーションしたお洒落なお料理屋さんをオープン。地元近江の滋味をふんだんに使った温かい会席料理だ。地酒は半合ずついただけるので何種類か飲み比べ。カウンターでていねいな料理作りを眺めつつ、安江シェフとときどきおしゃべりしながら、しっぽり熱燗を傾ける。

約10分の帰り道、迷うこともなく部屋に到着。鍵はなく、部屋の開け閉めは、暗証番号を押すようになっている。持ち運び可能な液晶ポータブルテレビが備えられており、防水なのでバスルームでも活用可能。部屋には、アルネ・ヤコブセンの「エッグチェア」。座り心地抜群な椅子でくつろぎ、あとはふかふかベッドにダイブ。いい夢が見られそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

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朝食は、予約しておいた「うなぎ茶漬け」(2500円)。うなぎは長等商店街の川魚専門店「タニムメ水産」からとりよせている。無添加の醤油や酒などの調味料を使い、特別にあつらえてもらったという。コアユやスジエビなどの貴重な琵琶湖の幸、滋賀の郷土食材である、えび豆や湯葉、赤こんにゃくなども添えられ、大津の美味を締めくくる。

 

 

 

 

 

 

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IMG_0702朝食後は、商店街へ繰り出す。まずは、「近江屋」を出て左へ曲がり、宮内庁ご用達のお茶屋さん、1200年もの歴史ある「中川誠盛堂茶舗」へ。50種類以上の近江・朝宮茶の銘茶が並ぶ。自家製の釜で炒る特殊製法で作られた近江で親しまれたお茶「赤ちゃん番茶」が自慢の品。カフェインを抽出しにくく赤ちゃんでも飲めることからその名がついた。茶葉に含まれるポリサッカライトの作用により体脂肪の燃焼が促進され、ダイエットにも効果があるという。出していただいた緑茶と和紅茶があまりにもおいしかったため、おみやげも含めて大人買い。

 

 

 

 

 

 

 

 

IMG_0729次は中川さんのおすすめ店、神保真珠商店へ。こちらには、中川さんのお茶カフェも併設されている。カフェの奥にある店舗には美しい照りが魅力のびわ湖真珠のネックレス、リング、イヤリングなどが並ぶ。

IMG_0742ラウンドタイプだけでなく、びわ湖真珠の代名詞、核を入れない無核真珠は色や形はさまざま。店長の杉山知子さんが、解説してくれるなか、片方ずつ違う形が選べるイヤリングを購入する。真珠貝で作られるボタンもプレゼントしていただいた。

 

 

 

 

 

 

 

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次の推薦スポットは、宝歴年間(1751年〜1764年) 創業、8代以上は続いているという老舗のお饅頭屋さん、「御饅頭処 餅兵(おまんじゅうどころ もちひょう」。滋賀県自慢のもち米 「近江羽二重糯(おおみはぶたえもち)」を使用した「兵祐餅」が代表銘菓。新たに開発した斬新な「ピスタチオ大福」も上品な甘さで大人気だ。

 

 

 

 

 

 

 

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さらに比較的新しくオープンした和菓子屋さん「茶菓 山川(さか やまかわ)」へもうかがった。こちらは、店主ご自身が栽培した高島大納言小豆と近江の名水で、ていねいに作り上げたお菓子。手間をかけているということで、営業日は木曜から土曜日と第二、第四日曜日のみ。

IMG_0847店内にはイートインもあるので、お店のスペシャリテ三種、いちごわらび餅、豆大福、わらび餅をいただくことにする。大福の豆にまとわりつくような柔らかなお餅は、今まで食べたことのない食感。個性的なあんの少し塩気の効いたさっぱりした甘さに感動する。

 

 

 

 

 

 

 

 

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そして最後には、宮内庁ご用達の漬物店「八百與」。創業は江戸年間の嘉永3年(1850年)。精進料理の店として商いを始めたものの三代目が編み出した粕漬けが好評を博したことから、漬物専門店へ。お店には、ケヤキの一枚板の大看板をはじめ宮内庁御用達の通達、江戸時代の大福帳などが展示されている。 

IMG_0869瓜やかぶ、きゅうりなどを酒粕で漬け込んだ「ながら漬」は、大正時代から昭和29年まで「宮内庁御用達」となっていた。そのほか千枚漬けや日野菜漬け、赤かぶらの糠漬けなど、昔ながらの製法で作り続けられている。手作り感満載でひとつひとつおいしそうに存在を主張している。長良漬けや多種多様な佃煮を買いだめした。

 

 

 

 

大津周辺には、比叡山延暦寺、三井寺、石山寺を筆頭に、日吉大社、映画「ちはやふる」のロケ地である近江神宮、明智家の墓がある西教寺など、多くの歴史遺跡がある。商店街も再訪したいが、次回は連泊してゆっくり歴史遺産もまわりたい。さらに、京都を訪れる際にも、夜は雑踏と喧騒から逃れてリーズナブルに贅沢な空間で過ごせる、使い勝手のよい上質の宿だ。

 

 

 

 

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商店街HOTEL 講 大津百町(しょうてんがいほてる こう おおつひゃくちょう)
滋賀県大津市中央1-2-6 近江屋(フロント棟)
全7棟 うち5棟貸切タイプ、2棟に8室(1棟3室+1棟5室)
9,900円~(1室2 名利用時の1 名料金/税別・サービス料込)
077-516-7475(10:00〜21:00)
公式HP:http://hotel-koo.com/

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