京都の名料理人 美食リレー② 鮎や熊など山の幸を満喫  美食家が集う「比良山荘」

カテゴリー/ GOURMET |投稿者/ Gouret&Traveller
2017年11月11日

京都の名料理人のスペシャリテをご紹介、次の料理人を推薦していただきリレー形式でつないでいく連載2回目は、文化人に愛された骨董の器使いも贅沢なミシュラン3つ星の名店「千花」の永田雄義さんのご紹介で、鮎や熊鍋などの名物を求めて全国からグルメがやってくる「比良山荘」の伊藤剛治さんにご登場いただきます。

 

比良山荘(ひらさんそう)

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IMG_1156IMG_1168京都から若狭に抜ける鯖街道沿いに趣のある日本家屋が建つ。比叡山の奥の院であり、回峰行の要でもある古刹・明王院と地主神社の門前に佇む「比良山荘」だ。京都市内からタクシーで約40分、次第に山奥に入り、行き着く鄙の里で饗されるご馳走はここでしか味わえない、この土地の山の幸、川や琵琶湖の幸。

 

 

 

IMG_1204IMG_1225初夏から夏は何といっても鮎。天然遡上する安曇川をはじめ、琵琶湖などより仕入れる塩焼き鮎を食べ尽くす「鮎食べコース」。小ぶりのあゆの塩焼きは、頭から骨ごと食べられるように、サクッとした食感も新鮮に、きっちり焼き込んである。もうひとつの華は、鮎ご飯。前年の落鮎の干し鮎でとっただしに、旬の鮎を一緒に炊き込む。

 

 

 

 

IMG_1181IMG_1265IMG_1234IMG_1203鮎に加えて琵琶湖でとれるウナギ、スッポン、山菜、鹿、イノシシなどが季節ごとに姿を現わす。そして、鯉の洗いや鯉こく、自慢の「鮎のなれずし」が通年登場。秋は、名残の落ち鮎と松茸を楽しむ「鮎松」。そして、冬は「月鍋」。山奥で獲れる月輪グマの肉を鍋仕立てにするこの店のスペシャリテ。熊鍋は甘みのあるスープでしゃぶしゃぶのようにくぐらせる。さらに琵琶湖のスッポンのだしに、冬場のクマ肉を入れて小鍋に仕立てた「月とスッポン鍋」はもともと裏メニューだったグルメ垂涎の一品。春は山菜、花山椒と四季折々のこの地の旬が満喫できる。

比良山荘は、もともと登山家が宿泊するため初代が1959年に始め、2代目が鮎料理を確立。鮎をめざして大勢の客が足を運んだ。本格的な料理屋になったのは、現在の3代目伊藤剛治さんが当主になってから。「四季折々の素材の食材を大胆に提供する」をテーマに鮎料理のほかにも新作を紆余曲折のうえ考案した。鯖街道は京都にも近く若狭湾の魚を京都に運んだルート。京都の文化も流れる京都の奥座敷だ。京都人は繊細さも併せ持ちながら大胆な料理、つまり都の香りもするダイナミックな料理を求めていた。郷土料理とも異なるこの店だけの特別な供応は、古くからの常連客により開拓されてきたものでもある。

あゆの塩焼きや鍋。シンプルだが、シンプルなものほど難しい。味が安定していなければならないからだ。そのためには、生産者との人間関係を構築し、良い素材を集めることに最大限尽力する。熊をしとめる猟師さんは命がけだ。できるだけ懐深く仕入れするようにすると、ほかには出まわらない食材を持ってきてくれるようになる。いまでは、比良山荘に納めているという誇りを持ってくれている。

 

 

 

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マインドコントロールされていたのか、この山荘を継ぐものだと思って育ったという伊藤さん。20代前後には迷いもあったが、そこまでは何の疑いもなかった。跡取りだからとわれたことはないし、父から料理を習ったこともない。調理場が自宅の一部だったので、魚をおろしたり、山菜の採りに行ったりが、ごく普通の日常だった。
店を継いでからは、しばらく、父の料理と比較されたが、父親のファンに料理の力を伸ばされたと伊藤さんは語る。
食材として自然にあるものを使う。前の川に鮎がいるから、山に熊がいるから。
おいしく食べてもらうための試行錯誤はある。父祖、父は熊に興味がなかったが、熊を食べたいゲストのために試してみたらことのほかおいしかった。熊肉ほど繊細で上品な肉はない。クセもなければアクもない。真っ白な脂肪は甘くまろやか。一度口に入れれば忘れられない妙味に驚く。

究極の地産地消は、美食家が全国から集う極上の饗膳である。

 

比良山荘
滋賀県大津市葛川坊村町94
☎ 077-599-2058
11:30~13:00(最終入店)  17:00~19:00(最終入店)
要予約 宿泊は1日3組まで
京都市内より車で約40分
www.hirasansou.com

京都の名料理人 美食リレー② 比良山荘
京都の名料理人 美食リレー① 千花

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