ピラミッド弾丸ツアー2泊3日の女子1人旅②ルクソールでツタンカー メン詣で
2019年06月23日
朝4時、ホテルに迎えがきた。ルクソールやアブシンベルに向かう観光客も多いのか、ホテルのロビーは早朝とは思えない混雑ぶり。タクシーで40分ほどかかり空港へ着いた。渋滞中の昨日とは大違い、かかった時間は3分の1。
エジプト航空往復で終日たっぷりのルクソール観光。飛行機代と英語ガイド、車付きで約3万5000円とまずまずリーズナブル。出発前ネットで調べて予約しておいた。カイロからルクソールまで飛行機で1時間ほど。7時ごろに到着するとすぐにガイドさんと合流。車に案内された。
ルクソールはエジプト南部のナイル川東岸にある。紀元前 16 世紀~11 世紀にかけてファラオたちが支配した古代エジプトの都テーベがあった場所だ。ハトシェプスト女王葬祭殿、ルクソールとカルナックの両神殿などを見学予定。彫像、円柱、オベリスクなどが現存しているルクソール神殿は、夜になると音と光の繰り広げられるショーも楽しみだ。西岸の墓地には、2,000 年前に造られたカラフルなレリーフで飾られたツタンカーメンやラムセス1〜10世らの墓が残る。
ルクソール博物館では墓から発掘された出土品が展示されており、ミイラ化の技術がわかるミイラ博物館も見所のひとつであるし、伝統的な帆船フェルッカで、ナイル川クルーズなどなど見所満載な古代都市だ。今回は時間がないので後者2つはパスで残念しごく。
まず空港から向かったのは、ハトシェプスト女王葬祭殿だ。車で走っているとはるか遠くに見えてくる広大な空間に切り取られたような崖、そこには神殿が残されている。こんなに太陽が燦々と照らしているのに何千年も陽に晒されて朽ち果てないという不思議。
ハトシェプスト女王葬祭殿は、紀元前1500年ころに作られたエジプトで最初の女王、ハトシェプストの葬祭殿。ルクソール西岸・王家の谷の東側にある断崖を背に建てられている。
当時のエジプトでは女性は王になれなかったが、王の長女に王位継承権があり、その夫が王になるというシステム。
ハトシェプストはトトメス1世の長女として王位継承権を持っているが、トトメス1世の側室の息子トトメス2世が王となる。しかし、トトメス2世は死去、夫の側室の息子トトメス3世が王につくと、幼少であるためハトシェプストは摂政となり、ついに王にまでのぼりつめる。この葬祭殿の設計・建築は官吏・政治家センムト。ハトシェプストの愛人でもあったといわれている。権謀術数渦巻く官吏社会でうまくたちまわり王権を奪取し、山岸涼子ほかいろいろな作家により漫画化されているドラマチックな女王様である。女王が行った交易を描いたレリーフも残っている。女王の治世に、エジプトで初めて貿易が行われたそうだ。
この神殿は、3500年も経つのにいまに通じるモダンな建物だ。3階建てで各階が広いテラス付き。第三テラスには、王の立像が立っている。観光客はみんな腕をクロスして王と同じポーズで写真撮影。インスタ映え抜群だ。
次に向かったのは、王家の谷。ナイル川西岸にあり、岩山の谷にある岩窟墓群。古代エジプトの新王国時代の王たちの24の墓を含む64の墓が発掘されている。西の谷と東の谷があり、東の谷に60、西の谷に4の墓がある。
新王国時代以前の王の墓の多くが盗掘にあっていたことから、トトメス1世によって自分の墓の場所を隠す目的でこの谷に岩窟墓が建設されたという。おめあてのツタンカーメンの墓は、1922年に発掘されている。関連した人々が次々不慮の死を遂げ、「ツタンカーメンの呪い」と呼ばれていることは周知の事実。さまざまな謎を呼び、お墓なのにロマンが溢れる。イケメンの黄金の仮面や副葬品の財宝などは、翌日カイロの博物館でご対面予定になっている。
墓にはKV1~KV64という名前がつけられている。KVはKings Valleyの頭字語、番号は発見順。西の谷の墓はWVで始まり、WV22~WV25となっている。どのお墓も天井から壁までびっりしと絵やヒエログラフで埋まっている。色もさほど落ちていない、艶やかで美しい。
憧れのツタンカーメンはKV62。墓の中での撮影は禁止なので、墓の入り口を撮る。他の王の墓はプラス料金で撮影可能。特別扱いである。
玄室には、レプリカの黄金の棺が置かれていた。墓のなかには鮮やかな色の壁画が残っており、ヒエログラフがびっしり書かれていた。壁画には、ヒヒが多数描かれている。
初めてツタンカーメンのミイラが一般公開されたのはけっこう最近で2007年とのこと。王墓内に設けられた気温や湿度を厳重に調整できる透明な合成樹脂製の展示ケースの中に眠っている。死因は他殺説もあり、まだまだ謎をよぶツタンカーメン。わずか19年の命だったそうだ。
ガイドさんに提案されたランチは、現地の人も食事にくるというローカルなレストラン、興味津々である。墓をあとにし、車で走っていると、2体の巨像、メムノンの巨像が現れる。エジプト新王国(紀元前1570年頃 ~ 同1070年頃)に造られ、高さ18メートル。ここでも定番の写真ポーズがあるようだ。2つの像の真ん中に立って手を広げると2つの像の頭に手をのせているように見えるというもの。インスタにもたくさんこのポーズがアップされていて笑えた。メムノンの巨像を過ぎると、ランチの時間。ナイル川の小さな島に目指して港に向かう(続)。
photo&text Michel D’Angelo
「パリひとり散歩vol2.インテリア雑貨とスイーツ巡りはバック通りが楽しい」