スリランカでジェフリー・バワの美学に浸るホテル5選 vol.2

カテゴリー/ VISIT |投稿者/ Gouret&Traveller
2024年01月21日

2024年のリゾート・ディスティネーションとして一推しのスリランカ。山、ビーチ、ジャングル、歴史遺産、サファリなど豊富なアクティビティ、安くておいしい食事、リーズナブルでおしゃれなホテル、女子一人旅も比較的安全、とリゾートにでかけるには最強の好条件がそろっている。そんなスリランカには、世界のアートラバー憧れの建築家、ジェフリー・バワによる美学の詰まったホテルがある。

バワは建築家をイギリスで学んでいるが、西洋建築とは異なるコンセプトを取り入れており、その独創性が多くの人を魅了している。建築物の内部から外部にシームレスにつながっており、壁で仕切りを作る一般的な西洋建築とは真逆の考え方で、仕切りを最小限にして、中と外の区別しない「連続する空間」と捉える。
設計に入る前に、地域の自然特性や歴史文化などを調査研究することから始め、地域の自然環境と建築物とを融合させて造られているのだ。Vol1.では、バワ建築の真髄を満喫できるホテルを紹介したが、さらに、美学に浸れるパワの建築物を挙げておこう。

 

 

エントランスの彫刻に彩られた

螺旋階段が誘う別世界

ジェットウィング・ライトハウス

バワ後期の作品。エントランスを抜けると螺旋階段があり、上っていくと異次元へと誘なわれる。バワが所属したエドワード・レイド&ベッグ建築設計事務所にて、製図者としてキャリアをスタートし、のちに彫刻・絵画・イラスト・製図・建築・ランドスケープなどを幅広く活躍したアーティスト、ラキー・セナナヤケ作の「ポルトガルとの戦い」をモチーフとした迫力満点の彫刻に囲まれた螺旋階段の先には、眼前に広がる碧いインド洋。このドラマチックな演出は、海を見下ろすオープンエアーの広いテラスへと続く。時間や天気により表情が変わる木々の印影や海や森の色合いに魅せられる。世界遺産に登録されているゴールの街の散策も楽しめるので連泊がお勧めだ。

 

100メートルプールなど

水に触れあえる空間

ジェットウィング・ラグーン

バワが初めて設計したホテル。空港から30分の漁港、ネコンボにある。「水」とともに生きてきたネゴンボの町。バワは、ゲストが水に触れあえる空間づくりを目指し、ラグーンに面して客室やレストランを配した。2012年にバワの愛弟子のジャヤシンゲにより改築され、インド洋とネゴンボ ラグーンの両側に位置する、西海岸線で最長の100メートルプール、古代の治癒療法を専門とするアーユルヴェーダ スパなどのユニークでモダンな施設が備えられた。スリランカならではのおもてなしが受けられるホテルである。

 

全室オーシャンビューでインド洋を堪能

ジェットウィング・ビーチ

 

2004年に、ジェットウィング・ラグーンの改築を担当した弟子のビノッド・ジャヤシンゲにより改築されたホテル。バワ・オリジナルの設計が残っているのは、エントランスの階段エリアの天井画のほか、メイン・レストラン横に配された植栽がほどこされたプールなど。空港から近いネゴンボに位置するので、到着した日や帰国前に滞在して、全室オーシャンビューのインド洋を堪能してほしい。

 

 

カル・ガンガ川の河口に広がる

静かなリゾート

アヴァニ・カルタラ・リゾート

開業1970年、バワが総合プロデューサーの国家プロジェクトとして、ベントータの町のリゾート開発が行われた際に手掛けたホテル。隣接するベントータ駅もバワによって設計されている。カル・ガンガ川の河口に広がる静かなリゾート。屋根付きの車寄せからホテルへのアプローチへと続く、大型のリゾートホテルで、バワらしいアートの配置は各所に見られるが、部屋はシンプル。柱の間と柱の高さが同じで、柱に太さを1として屋根の厚みが2というバワらしい簡潔なデザイン。欧米からの家族連れが長期間滞在するタイプのリゾート。

 

 

インフィニティ・プール誕生のホテル

ヘリタンス・アフンガラ

1981年にオープンしたバワを象徴する「インフィニティ・プール」が誕生したホテル。いまや都会のビルのなかにも備えられるほど一般的になった「インフィニティ・プール」だが、元祖、ヘリタンス・アフンガラでは、ドラマチックな建物とインド洋とのシームレスな眺めが絶妙な美しさに圧倒される。

 

 

圧巻のレセプション。

天井を覆うカラフルなバティック

シナモン・ベントータ・ビーチ

バワの生誕100周年記念事業の一環として、1960年代に建てられ、 2020年リニューアルオープン。 バワとよくタッグを組んだアーティストたちの作品、イナ・デ・シルヴァによるカラフルなバティックで覆われたレセプションの天井、ベアフットで知られるバーバラ・サンソーニによるファブリック、ラキ・セナナヤケによる孔雀の彫刻等、バワらしいアートがいたるところに飾られている。バワは、黒と白のモノトーンを好んでいたが、レセプションの天井を覆うカラフルなバティックや大きなフランジパニの木が圧巻。各部屋ごとにテーマが設定され、アート作品、壁のファブリック、クッションなどのデザインが洗練されている。

ほかにも、ホテルだけではない、バワの建築がコロンボで見ることができる、

 

バウの事務所をコンバート洗練の極みのカフェに

パラダイス・ギャリー・カフェ

1998年、バワが事務所として利用していた建物を友人がレストランへ改築することを提案、そのアイディアを気に入ったバワがカフェへとコンバート。白と黒を基調にした空間で食事やティー・タイムを楽しむことができる。こちらもフランジパニーの木々をそのまま配し、ハーフオープンエアの店内。バー、カフェ、レストラン、ショップがあり、欧米人の利用が多く、価格は高めだがバワらしい洗練の極みを堪能できる。

 

 

ペイラ湖に浮かぶ都会の仏教寺院

シーマ・マラカ寺院

1978年建立、コロンボのベイラ湖に浮かぶ仏教寺院。外観は改築中だが、説法堂はオリジナルのまま。仏教伝統がスリランカだけでなく、アジアの仏教国のなかでも唯一無二のモダンな寺院。シンプルでゴールドの仏像に囲まれ、光と影のコントラストが室内を幻想的に照らす。湖畔に反射する光が内部をほどよい明るさに保つ。湖の対岸にはビルが立ち並ぶ都会の眺めがシュールでもある。

 


*スリランカの移動

スリランカの移動手段は多数あり、かなりリーズナブル。バスが主流で便利だが、ツーリストが乗りこなすのはなかなかハードルが高い。

支払いが登録してあるクレジットカードが使えて安心なウーバーやスリランカで使われているPickMeが便利。スリーウィーラー、いわゆるトゥクトゥクも呼べるので便利。距離に応じた一律料金なので安心だ。

また、列車旅もお勧めの路線が2ルートある。キャンディからヌワラエリア方面へ向かう列車。広大で緑あふれる茶畑の絶景を楽しむことができ、展望列車も設けられていて、観光客に大人気。また、コロンボからゴールへ向かう海岸線の絶景を眺められる列車旅もぜひ楽しんでほしい。

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