名料理人のスペシャリテ美食リレー⑭旬の味を進化させる「モノリス」

カテゴリー／ GOURMET ｜投稿者／ Gouret&Traveller
2018年04月22日

人気シェフの自慢のスペシャリテをご紹介、次の料理人を推薦していただきリレー形式でつないでいく連載14回目は、1日3組のみのゲストを迎える「mori」の森茂彰 (もりしげあき) シェフの推薦でジビエに定評のある「モノリス」の石井剛シェフをご紹介します。

モノリス(Monolith)

青山学院の南側のグルメエリア渋谷二丁目に、その一角を担うシックなデザインの店名「MonoLith」と掲げられたフランス料理店、「モノリス」。扉を開けて廊下を抜け、サロンに入ると、ライトを落とした中に深い赤と黒を基調にしたバーラウンジのようなインテリアの空間が隠れ家のごとく広がる。テーブルにはワイングラスが並べられ、充実したワインのラインアップが期待される。ソムリエが厳選したワインとともに、魅力的な時間を過ごせそうだ。目も麗しいひと皿ひと皿は、“ネオ・クラシック”がコンセプト。毎月変わる「ムニュ・モノリス」は、その時の一番の旬の食材を個性豊かに表現したコースだ。

店名の「モノリス」は映画「2001年宇宙の旅」に登場した一枚岩の石板。その進化の象徴「モノリス」を店名に冠し、フランス料理の伝統、クラシックに重きをおき、少しずつ前進していきたいという。席数に対するサービススタッフの数も多く、温かいホスピタリティとともに、寛ぎのなか、季節感のある料理を楽しむことができる。

石井剛シェフは、1973年、東京・神田生まれ。中学の時テレビで三国清三シェフを見て、日本人が作るフランス料理があるのか、と衝撃を受け、三国シェフに憧れたことがきっかけかけで料理の道を志す。辻調フランス校を終えてシャンパーニュ地方で研修。帰国後、「レストランアテスエ」にて修行し、料理の基本を学んでから’98年に再渡仏。「ジョルジュ・プラン」、「ジャンバルデ」、「ベルナール・ロバン」などで4年間にわたりフランスで修行。帰国後は、「丸の内モナリザ」料理長に就任した。2010年、「アテスエ」のオーナーより店舗を譲り受け、オーナーシェフとして「モノリス」をオープン。黒い石版を意味する店名から、黒を基調とした店内に黒いコックコートがお似合いだ。

ひと皿ひと皿良いものを作っていきたいと語る石井シェフは、伝統的なフレンチの技法を大切にしながら、日本人の味覚に合わせ新たな手法も取り入れる。和の食材を取り入れ、バターを控えた軽やかなソースに仕上げる。修行先のひとつ、ロワール地方の「ベルナール・ロバン」はジビエで知られる二つ星店。秋になると、ロバンで学んだ本場のジビエも味わえそうだ。

前菜
新じゃがとグリンピースのムース

新じゃがに天使の海老とホタテ貝にコンソメジュレ寄せ、タピオカを加える。タピオカ、グリーンピースの食感がコンソメジュレに絡んで複雑な味わいが楽しめる。季節により素材が変わる定番。

メイン
鴨胸肉のロースト自家製ドライいちじく入り赤ワインソース

3種類から選べるメイン、冬はジビエも。パイ包み焼きなどクラシックな王道系をいくフレンチを基本に美しいビジュアルにもこだわる。おいしいものをおいしいタイミングでが信条。
飽きないように野菜を6種類から8種類添える。山菜のフリットは、長野県の天然のせり。山菜採りの名人から取り寄せ、秋にはキノコも依頼する。各地方の産地に行って現場を見て良いものを探す石井シェフ。フランボワーズソースをライン上に敷いて美しく。赤ワインソースに甘みを出すドライいちじくを加える。

デザート
ヴァシュラン

2種類から選べるデザート。3種類のベリーを使ったヴァシュラン。イチゴ、フランボワーズ、ブルーベリー。酸味が口どけよくサクサクのヴァシュランの淡い甘みによくなじむ。

モノリス(Monolith)

東京都渋谷区2-6-1平塚ビル1F
アクセス
JR渋谷駅より徒歩10分
東京メトロ銀座線・半蔵門線表参道駅より徒歩10分
03-6427-3580
ランチ　　12:00～15:00（L.O13:30)
3780円、5400円、10000円
ディナー　18:00～22:30(L.O20:30)
8000円、10,000円、15,000円
月曜日、第三火曜日休み