パリひとり散歩vol.6 フランス革命とランシエンヌ・コメディ通り

カテゴリー/ PARIS |投稿者/ Gouret&Traveller
2020年01月03日

パリひとり散歩vol.5

パリひとり散歩vol.6

前回は、ジャコブ通りを抜けた路地にあるマリアージュフレールで軽食をとっていた。マレ地区の本店より小さいが、ボリュームいっぱいのサーモンのサラダなどとケーキに何十種類もの紅茶のなかから選ぶ紅茶でゆっくりできる。背筋のピンと伸びたスーツ姿のスタッフのサービスもエレガントだ。

次は、マザラン(Mazarine)通りとランシアンヌ・コメディ(L’Ancienne comédie)通りの分かれ目にでたら、ランシアンヌ・コメディ通りを南下し、オデオン(Odéon)に向かう。再びサンジェルマン大通りにでる少し前の、メトロ・オデオン駅への角には、パッサージュ・ドフィーヌ(Passage Dauphine)がある。

  

 

 

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 賑やかなサン・ジェルマン・デ・プレ界隈の中にある小さな小路。1825年からある歴史ある通りで、マザラン通りとドフィーヌ通りをつないでいる。閑静なたたずまいのアパルトマンで囲まれている知られざるパッサージュ。オデオンの喧騒が嘘のような静けさが漂う。そのパッサージュの片隅ににあるのがカフェ「ルール・グルマン(L’Heure Gourmande)」。静かで落ち着いた隠れ家サロン・ド・テである。ブランチや軽食をはじめ、手作り感いっぱいのチーズケーキやチョコレートタルトなどのスイーツもあり、日本茶やジャスミン茶などをポットで楽しめる。ポットといってもアジアンテイストの鉄瓶。紅茶はこの鉄瓶でサーヴされることが多いのが、パリのカフェ。「パリのカフェ」というより、日本の喫茶店に近い雰囲気が和める。場所がら知る人ぞ知るスペースとあって常連さんが多い雰囲気だ。通りに面したぎゅうぎゅう詰めのパリ流カフェと違い、静かにゆっくりしたいときにはおすすめだ。

 

 

 

 

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そんなサロン・ド・テがもう一軒、近くにある。古い石畳が風情あるサン・ジェルマン大通りへの抜け道の「ラ・ジャコビーヌ(La Jacobine)」。この界隈はフランス革命の歴史に重要な場所。革命新聞の印刷所があったあたりで、「ラ・ジャコビーヌ」は革命時、ジャコバン派が結集したパッサージュにある。こちらも軽食もあり、ノンストップでティータイムを楽しむことができる。もっともおいしいショコラを出す店として選ばれたこともあり、季節ごとに替わる手作りのパティスリーも種類が豊富。革命時の人物が描かれたアンティークな絵画を配したレトロなインテリアが時の流れを止めてくれる。

 

 

 

 

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また、忘れてはならないのが、そのとなりにある時空を越えた存在、パリ最古のカフェ・レストランとして有名な「ル・プロコープ(LE PROCOPE)」。年中無休、しかもランチタイムとディナータイムの間もノンストップのため、少し遅めのランチや早めの夕食を取りたいときの強い味方。このレストランは、1686年にカフェとしてオープンしてから現在に至るまで代々受け継がれてきた。一歩なかに足を踏み入れると、まるで博物館のような内装で、いたるところに革命家や哲学家の肖像画や革命時代の調度品などが飾られている。入り組んだ構造になっていて、階段を上り下りしながらいくつもの違った内装のダイニングルームがある。豪快な海の幸の盛り合わせやオマール海老、このレストラン自慢の長時間じっくり煮込んだ「コック・オ・ヴァン 」ほか、手ごろな予算で楽しめるセットメニューもあり、使い勝手抜群。一番上の部屋には革命時、印刷所で使っていた活版文字が残されており、印刷が終わった合図の鐘までディスプレイされている。この歴史的な館を見学するだけでも価値ありだ。

 

 

 

 

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その向かいには、歴史的な路地に不似合いにも見えるモダンなチョコレートのコンセプトストア、「アン・ディマンシュ・ア・パリ(Un Dimanche à Paris )」。レストラン併設のパティスリー・ショコラティエで、ランチに店頭にでているケーキを選ぶことも可能。15時以降のティータイムの利用もでき便利だ。広い店内にはスパイスを使用したボンボンショコラなどおみやげにもぴったりのチョコレート関連の商品が多数取り揃えられている。パティシエによりセレクトされた紅茶なども販売されていて試してみたいアイテムが盛りだくさん。そして隣の店は南仏のオリーブオイルを扱うショップ。こちらでは、量り売りの本場の南仏のオリーブオイルのおみやげを物色してみよう。

 

 

 

 

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カフェが立ち並ぶサン=ジェルマン大通りに出ると、オデオンの道路の真ん中にある中洲にメトロの駅が見える。その横にそびえ立つのは、ジョルジュ・ダントンの像。フランス革命でジャコバン派のちダントン派として恐怖政治に反対する立場をとったが、収賄の嫌疑をかけられギロチンに処された。革命家が闊歩していたこの界隈を象徴するダントンは、待ち合わせスポットとしていつも人だかりができている。東京でいえば、ハチ公的な存在なのだ。見回せば、オデオン駅は、映画館街。朝一番の映画はお得な料金になっている場合が多い。オデオンは昔の名作やアーティスティックな映画の風情ある小さな上映館も多い。とはいえ、昔ながらの名画館などはどんどんなくなってきているのが残念だ。

オデオン駅をそのまま過ぎてサン・ジェルマン大通りを渡り、オデオン通りにでるところで右折、サン・シュルピス(St.Sulpis)通りへ。次は、サン・シュルピス大聖堂を目指す。

text Michel D’Angelo

 

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