再訪したくなる美食空間 東京ファイル⑨「オルディヴェール」ワインと正統派フレンチのマリアージュ

カテゴリー/ GOURMET |投稿者/ Gouret&Traveller
2018年05月04日

世界のグルメ・シーンを長年取材してきたグルメ&トラベラーが、取材で食べ歩いて見つけた「思わずリピートしたくなる美味な店」をご紹介する連載、「グルメ&トラベラー 再訪したくなる美食空間 東京ファイル」9回目は、ワインと正統派フレンチのマリアージュをコンセプトに、コスパも素晴らしい「オルディヴェール」にご登場いただきます。

 

オルディヴェール (Ordi-verre)

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会ったその場で意気投合、オーナーソムリエ戸田健太郎さんが飛松裕之シェフを迎えてフランス料理とワインのレストラン、「オルディヴェール」が昨年8月、白金高輪に誕生した。港区一古い四の橋商店街、シロガネーゼの白金というより、昭和のノスタルジーを感じさせる情緒あふれる通りに店を構える。地下一階の階段を降りた先はアプローチが広く、エントランス前に置かれたテーブルはワインで彩られている。扉を開けるとアール・デコ風のライティングが木調のインテリアに仄かに灯り、落ち着いた空間が温かい。

 

 

 

 

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「オザミ デ ヴァン」で4年半、「ル・ブルギニオン」で10年、日本のワイン文化の成長とともに歩んできた戸田さん。料理人を目指していたが、偶然ホールの修行先として辿り着いたのが「オザミ デ ヴァン」だった。当時、日本で最先端をいくビオを紹介してきたワインを専門とする人気ビストロで、ワインの知識もなく働き始めた。いつ料理にもどろうかと考えつつワインにどっぷり関わっていたところ、いつのまにかワインの奥深い魅力にとりつかれていた。そんな頃、縁あってワインラバーの聖地「ル・ブルギニオン」のソムリエに。ワインは独学というが、ブルゴーニュを中心に店内のセラーだけでも自身が集めたワインが200種類以上眠っている。

 

 

 

 

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ワインとのマリアージュといえば、料理はソースを駆使した王道フレンチ。ソースを新しい感性で表現する、そんな料理観を共有できる頼もしいシェフは、「シェ・イノ」グループ出身の飛松シェフ。
飛松シェフは福岡出身。子供のころ、共働きの両親に代わり祖母に教わり、料理をしてきた。次第に楽しくなり、テレビで見たコック帽とコートに憧れて料理人を志した。専門学校を卒業後、福岡のフランス料理店で修行。上京してからは、シェ・イノで研鑽を積む。本場フランスの四季を体験するため、ブルゴーニュの一つ星で最後の一年、仕上げとしての経験を得た。その実績を聞いて、帰国後すぐ、戸田さんは飛松シェフに厨房を託すことを即決した。

 

 

 

 

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食材に合わせて1か月から1か月半で内容が変わるコースが8,000円というお値打ちディナーのほか、アラカルトもオーダーできる。21時過ぎはワインバーとして、モヒンダさん直伝南インド風チキンカレーライス 1,800円、(ハーフ 1,200円)、アンチョビポテトなどカジュアルなメニューも楽しめる。

「Ordi-verre (オルディヴェール )」とは、フランス語で「日常の、いつもの」を意味する「ordinaire (オルディネール)」と、「ワインのグラス」を意味する「verre (ヴェール)」の造語。高級ワインもコラヴァンを使い、グラスワインで味わうという贅沢も享受できる。ゲストのどんなリクエストに応えてくれる、魅力的なワインと料理のマリアージュを求めて何度も通いたくなる至高の空間だ。

 

 

 

フランス産ホワイトアスパラ トリュフのヴィネグレットソースで

 

 

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フランス産アスパラガスに通常オランデーズソースが添えられるところ、トリュフのソースを合わせるという贅沢なひと皿。オランデーズとは違い、トリュフソースは、アスパラの味をより引き立て、アスパラそのものの味わいを満喫できる。あらためて「ホワイトアスパラとはこんな味」と感動。フランスのトリュフを冷凍にしておいて考案したソースは香りよくライト。上には口溶けの良いホワイトアスパラのムースが控えている。

 

 

 

桜鯛のアンティボワーズ さわやかなハーブの香り

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桜鯛を蒸したものを、青ネギ、レモンの皮だけをコンフィにしたもの、マスタードスプラウトを中に入れて巻く。焼いてソースがかかっているという通常のビジュアル的魚料理ではないオリジナリティあふれるひと皿。少しピリッとする辛味や柑橘の爽やかさなど、さまざまな味と食感のグラデーションが楽しめる。はまぐりと野菜の出汁を合わせて、バジルとパクチーを刻んだものとトマトを入れたソースは、スープとしてひと皿にできるほどのしっかりした出汁がことのほか芳醇。多種のハーブが香りと味をぎゅっと凝縮した。

 

 

 

フランスランド産ピジョン(仔鳩)のロースト 黒にんにくのソース

 

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フランスランド産鳩ロースト黒にんにくソース
ソースはコニャックとエシャロットを合わせて最後に黒にんにくを投入。ソースの中で全体としての味の引き立て役だ。内臓の串焼きが苦味をほんのり感じさせるアクセント。付け合わせのロメインレタスなど野菜はローストしてあり、まったりした鳩をさっぱりした口当たりにしてくれる。

 

 

 

 

 

 

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オルディヴェール
 (Ordiverre)
東京都港区白金3-9-8 スカーラ白金シティプラザB1F

03-6874-3380

18:00~翌1:00(金は~翌2:00)

日曜 第3月休
み
東京メトロ・都営地下鉄白金高輪駅より徒歩5分
グラスワイン 9種 1000円~
ボトルワイン 約200種 6000円~

 

 

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