石戸谷結子の世界オペラ散歩④ミュンヘンの街とルートヴィッヒ二世

カテゴリー/ VISIT |投稿者/ Gouret&Traveller
2017年09月01日

クラシック音楽、なかでもオペラを専門に、多数の評論を執筆。難しく思われがちなクラシック音楽をわかりやすく解説し、多くのファンを持つ音楽ジャーナリスト、石戸谷結子さんが、世界の劇場を巡り、オペラの楽しみ方を教えてくれる連載、「石戸谷結子の世界オペラ散歩」。第4回目は、ドイツ一の人気をもつバイエルン州立歌劇場、石戸谷さんの見解では、世界一の質を誇るこの劇場で開催されるミュンヘン・オペラ・フェスティヴァルと町歩き、ワグナーを偏愛した王、ルードヴィヒ二世の城巡りをご紹介します。

 

 

6月のロンドン・ロイヤル・オペラ「オテロ」とグラインドボーン音楽祭を堪能したあとは、7月に行ってきました、ミュンヘンに。
ミュンヘンはドイツの南、バイエルン州の州都。ビールのおいしい街として有名だけれど、芸術の都としても知られる。なにしろヴィッテルスバッハ家の王様ルートヴィッヒ二世(1845ー1886)は、もちろんお城造りも趣味だったけれど、ワーグナーの大パトロンでもあり、国家財政が傾くほど、ワーグナーに膨大な資金援助を行った。

 

IMG_7549世界最高人気と質を誇る、ミュンヘンのバイエルン州立歌劇場 今年9月から来日公演が行われている

ルートヴィッヒ二世がワーグナーに夢中になったのは、王宮の隣に建つバイエルン州立歌劇場で「ローエングリン」を見てから。特に主役の白鳥の騎士にあこがれたらしい。19歳の若さで王位に就くと、亡命していたワーグナーを探し出し、パトロンになった。そんな歴史もあり、現在もバイエルン州立歌劇場はドイツ最高の質の高さと人気を誇る歌劇場だ。これは個人的な見解だが、いまこの歌劇場はスカラ座やウィーン国立歌劇場を抜いてダントツ世界第一位の質を保っている。

 

 

 

 

IMG_7558ジョルダーノ作曲「アンドレア・シェニエ」。アニヤ・ハルテロスとヨナス・カウフマン

そのバイエルン州立歌劇場で毎年開催されているのが、「ミュンヘン・オペラ・フェスティヴァル」。6月末から7月の1ヶ月にわたり、その年上演された人気演目を選び、連日上演しているのだ。今年は人気イケメン・テノールのヨナス・カウフマンが2演目とも主演するとあって、チケット争奪戦が繰り広げられた。オペラの話は後半にするとして、まずはミュンヘンの街をご紹介しましょう。

 

 

 

 

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IMG_7567ミュンヘンの高級食材店&レストラン、ダルマイヤー、ハーブの入った白ソーセージ

ドイツはおいしいモノがない、というのが定評だが、ミュンヘンは違う。BMWやシーメンスの本社があるだけに、豊かな人が暮らす街。日本でも知られる高級食料品店&レストランのダルマイヤーはミュンヘンが本店。またもっと高級な食料品&レストランであるケーファーの本店もある。今回はダルマイヤーもケーファーも行ってみたが、ケーファーの2階レストランは味も雰囲気もサービスも最高級。庶民的な料理ではゆでたてを食べる白ソーセージと白ビールの組み合わせが最高。生で傷みやすいので、食べることが出来るのはお昼までだ。

 

 

 

 

IMG_7566市庁舎の地下にあるレストラン、ラーツ・ケラー 

観光名所となっている巨大ビアホールのホーフブロイハウスや、市庁舎の地下にあるラーツケラーでも、白ソーセージと白ビールを味わえる。
ミュンヘンには美術館もたくさんあり、美術館めぐりも楽しいが、ぜったいに外せないのが「ルートヴィッヒ二世のお城巡り」。
彼は3つの超豪華なお城を建てたが、最後の未完のお城、ヘレンキームゼー城は遠いので外し、今回はノイシュヴァンシュタイン城とリンダーホーフ城に行って来た。入場券の予約が面倒なので、バス・ツアーがお勧め。

 

 

 

 

IMG_7573ルートヴィッヒ二世の建てた夢の城、ノイシュヴァンシュタイン城

ノイシュヴァンシュタイン城にはワーグナー・オペラの「タンホイザー」「パルジファル」「ローエングリン」などをテーマにした部屋が続き、至るところに白鳥が飾られている。リンダーホーフ城では王の寝室の豪華さや超豪華な調度品に圧倒されたが、城の中にある土産ショップの充実ぶりにも驚いた。

 

 

 

 

 

IMG_7562白鳥の騎士にあこがれたルートヴィッヒ二世

ルートヴィッヒ二世は若い頃から美男な王子として知られ、1メートル90センチもある長身に波打つブロンドの髪が良く似合って、娘たちあこがれの王様だった。しかし城造りに没頭し、湯水の如くお金を使い、40歳で謎の死を遂げた。ミュンヘンから電車で30分ほどのシュタルンベルク湖の浅瀬でその死体が発見されたのだ。泳ぎが得意だったにもかかわらず、水死と判断された。今回は十字架の立つシュタルンベルク湖と彼の魂を祀るヴォティフ教会にお参りし、最後に彼の遺体が眠るミュンヘン市内のミヒ ャエル教会にもお参りして、「お城巡り」を完結した。

 

 

 

 

石戸谷結子(音楽評論家)
Yuiko Ishitoya, Music Journalist
青森県生まれ。早稲田大学卒業。音楽之友社に入社、「音楽の友」誌の編集を経て、1985年から音楽ジャーナリスト。現在、多数の音楽評論を執筆。NHK文化センター、西武コミュニティ・カレッジ他で、オペラ講座を持つ。著書に「石戸谷結子のおしゃべりオペラ」「マエストロに乾杯」「オペラ入門」「ひとりでも行けるオペラ極楽ツアー」など多数。

 

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